チュートリアル アイ
「お前がここまで生きているってことはチュートリアルのあの女の言うこときちんと聞いたってことだよな。アイは・・・」
レンは苦虫を潰したような表情を隠そうともせずアイという女の子の運命を告げようとする。
「アイはニーナの悲鳴を聞いたとき振り返ったんだ」
「あの、ごめん。ニーナって・・・?」
「は? チュートリアルの女だよ。そんでその悲鳴を聞いて振り返ったと同時に月宮 藍那死亡って文字が出たんだよ」
僕の時はマリだった。
ランダムで変わるのかな?
「普通ゲームならフルネームなんかじゃなくてキャラクター名でしょ?」
「それだけじゃない。現実世界の映像もリンクされているようで、さっきユウマが現れた木と木の間に映ったんだ。アイが現実でも後ろを向いていた」
そこまで話したとき、ミカの顔色は真っ青で、レンは抑えきれないほど怒りを抱いているかのように震えていた。
2人の表情で『ただ後ろを向いていた』わけじゃないことを想像する。
「勘づいていると思うがただ後ろを向いていたわけじゃない。顔だけが・・・真後ろを向いていたんだ」
顔だけが真後ろを向いていた?
それに、その映像は本当に本物だったかのかな・・・。
「アイは何があっても約束を守る女だった。だからあそこでニーナとした約束を破るわけがない」
「約束?」
「あのね、ニーナがアイに言ってたの。絶対に扉を出たら振り返ったらダメって。それを必ず守って・・・約束って。それで、アイはニーナと約束したんだ」
約束をしたアイは絶対に振り返らない。そう2人は思ってる。
それでも僕からしたらアイは知らない子で、悲鳴が聞こえたら反射的に振り返ることもまた絶対とは言い切れない。たとえ、約束をしても・・・。
「アイとは幼稚園の頃からずっと一緒で、その頃から知ってるけど、約束は本当に守る子だったんだ。守れない約束は絶対にしないってアイも言ってたくらいで・・・」
話をして2人とも少しは落ち着いたみたいで顔色も戻ってきた。
その話を聞いた僕は1つ提案する。
「レンとミカが話してくれたこと信じるよ。とりあえずは、今ここにいても何も分からないと思うから他にプレイヤーがいないか探してみようと思うんだけど・・・」
「それは俺も賛成だ」
「そうだね。一緒に探しに行こう。2人より3人」
「そうだな。これからよろしく」
「そのアイって子のこと、色々調べるの僕も協力するよ。2人ともこれからよろしくね」
初めての作品で評価いただけたの嬉しかったです!
ありがとうございます!!
これから、1日1話投稿の予定ではありますが、余裕が出たら2話、3話投稿していこうと思います!