水の地 料理
「この場所で料理するしかないんだね」
「ボスが見えるこの場所で料理って」
本当にこのゲームは狂っている。
「でも、この場所シールドみたいなものが張られているのか、ボスは一切襲ってこないみたいだね」
ここに僕達がいることには気づいている。
しかし、こちらに来る素振りは一切見せない。
「そう言えば気になっていたんだけど、モケは私と出会ってから1回もご飯食べてないけど・・・」
「モケはなぁ・・・」
「ミカもモケがご飯食べないってずっと悩んでたね。 でも、僕達が寝てるときによくどこか行くからその時に何か食べてるんじゃないかな?」
「そうなんだ。 確かにそうじゃないと人間と同じでどんどん衰弱しちゃうもんね」
あまり不思議に思わなかったけど、確かにモモの言う通りだ。
「でも俺達が寝てるときになんか食ってんなら大丈夫だろ」
「でもこの場所食べる物何もないよ?」
「確かに・・・」
「お腹減ったら流石に僕達があげる物食べてくれるんじゃないかな」
「そうだよね! さて、それじゃ気を取り直してご飯作ろう!」
それからというもの、モモの指示に従い5時間ほどかけてかなりの量のご飯が完成された。
「でも、このご飯ってあのボスのところに持って行かないといけないんだよね」
「僕が行くよ」
「でも・・・」
「大丈夫。 危険だと思ったら2人はすぐに逃げて」
そう言いながら皆で作った料理をどんどん仕舞う。
思考で持ち物の出し入れができるのはこういう時の為なのかもしれない。
「それじゃ、行ってくるよ」
「気を付けろよ」
「ここから見守ってるからね」
「うん。 行ってくるよ」
2人の心配する顔を後に僕はそのままボスのいる場に飛び降りた。
「暴食のベルゼブブ。 お腹が満たされないって言ってましたよね」
「わざわざこの場に降りてくるとはな。 餌がご苦労なことだ。 腹が空いておかしくなりそうだ」
「これ、食べてください。 きっとお腹が満たされます」
「満たされなかったらお前が餌になるんだな?」
「はい」
とはいったものの、かなりの量を作った。
きっとこれで満たされるはず。
料理を次々とベルゼブブの前に出す。
片っ端から料理を丸呑みしていき、最後の料理に手を付けようとしたとき。
「この飯は美味い。 今日から5日間、俺に飯を作って来い。 足りないと感じたその瞬間、お前達を喰らう」
「分かりました。 明日も同じ時間に料理を持ってきます」
「そうだな。 明日は辛いモノが食いたい」
「それでは、明日は辛いモノをメインでたくさん作ってきます。 失礼します」




