炎の地 女王様
「やっぱり結構強いな。 1体しか倒せなかった・・・」
「僕は双剣だったからなんとか2体いけたけど・・・。 残り7体。 急がないと奥からどんどん集まってくるかもしれない!」
「そうだな。 んじゃ、いくぜ!」
レンは手あたり次第に敵を攻撃していく。
僕はその後から更に追い打ちをかけていく形でHPを削る。
しかし、それでも倒れないのだ。
「ボスの場所まで2人だったら確実に苦戦してたな」
「そうだね。 でも今は目の前の敵に集中しよう!」
溶岩でできたゴーレムや、炎を吐き出す竜。
火山地帯なだけあって、敵が全て炎のなにかしらを使ってくる。
「残り6体!!」
「5体だよ!」
レンに続き僕も敵を倒していく。
レンが派手に動き回っているおかげで、僕への警戒が薄れている。
そこをうまく利用しどんどん敵を倒していく。
「レン! 危ない!」
「いきなさい!!」
声と同時に、レオンが敵の真上に着地する。
「モモ!」
「待たせたわね! さぁ、行きますわよ!」
「え? わよ? キャラ変わってねぇか!?」
「寝ぼけてないでさっさと攻撃しなさい!」
「え? あ、はい!」
モモが到着し、鞭を振いながら攻撃を繰り出していく。
相手に反撃を与えないスピードで攻撃を繰り出すモモに、僕とレンは固まるが、モモの言葉ですぐに攻撃を援助する。
「3人だとやっぱりすぐ片付くな」
「2人が先にある程度削ってくれていたからだよ! お待たせ!」
「あの・・・」
「ん?」
「モモってさ・・・」
「あっ、もしかして私やっちゃった?」
そのやっちゃったって言葉がキャラが変わっていたことを意味するのであれば・・・。
「うん」
「恥ずかしい! 鞭を持つとどうしてもキャラが変わっちゃうみたいなの」
「もう1回鞭持ってみろよ」
「やだよー! レンってば悪ノリしないでっ」
「いいじゃねーか」
「僕もちょっと見てみたいかも」
「ユウマまで・・・」
レンと僕の悪ノリに折れてモモがもう1度鞭を握る。
すると、目つきと同時に雰囲気も変わる。
「すげーな・・・」
「この私がやってあげてるのですから、もっと喜んでみなさいよ」
「女王様?」
「私が女王じゃなくて下民だとでも思っているのかしら? 全ては私の望むままに動けばいいのよ」
モモはそれだけを放ち鞭を仕舞う。
「もう! だからやだって言ったのに・・・。 恥ずかしいじゃん!」
「いいんじゃねーの? 女王様! 今まで出会ってこなかったキャラだぜ!」
「そういう問題じゃないでしょー。 敵に対してしか高圧的にならないようにしてたのに・・・。 ごめんね?」
「僕達が見たいって言ったから気にしなくていいよ」
「ユウマも面白がってるでしょ! 必死に笑い堪えてるのバレてるんだからね!!」
「ごめんね」
「わりぃな! でもいいと思うぜ!」
怒っているのか照れているのか、はたまたどっちもか、モモは少し顔を赤くしながらも拗ねている。
「機嫌直してモモ」
そう言って僕はモモの頭を軽くポンポンとする。
思ったよりもサラサラしていたなぁなんてことを思いながら、下層の攻略を考える。
「ミカさんに見られたら今の浮気だよ!! レンも言って!!」
「あー確かにそうなんだけど・・・、モモって妹みたいだよな」
それだ。
僕に兄妹はいないから分からないけど、妹がいたらこんな感じなのだろう。
守ってあげたい、その感情は妹みたいだからって言われたら納得がいく。
「レンのおかげでスッキリした。 モモに対しての感情は妹に対してと同じなんだと思ったよ」
「ユウマって妹いるんだ」
「あ、いや、いないんだけど、もしいたらモモみたいな妹が良いなって」
「あはは。 それなら私もユウマみたいなお兄ちゃんがいたら良かったなって思った! それで、ミカさんをお姉ちゃんって呼ぶの!」
「俺は?」
「うーん・・・。 レン」
「おい! レンお兄ちゃんって呼べよ!」
「もう少しお兄ちゃんみたいな行動したら呼んであげる! レーン! ほら、先に進もう!」
「おまっ! 生意気だぜ」
「でも、そんなモモ嫌いじゃないでしょ?」
「ユウマも言うようになったよな・・・。 まぁ確かにモモは一緒にいておもしれぇとは思うぜ」
「何か言った?」
「なんでもねーよ! ほら行くぞ!」
「もう行ってますよー」
軽く言い合いながらも笑っている2人。
それがどことなく本物の兄妹のように見えたのは秘密にしておこう。
「ユウマも早く!」
「うん。 今行くよ!」




