炎の地 下層入り口
「まずはここの世界で、私が知っていることを説明するよ。 昨日話した通り、ここでは倒してもしばらくしたらまたモンスターが湧いてくるの。 その代わり結構弱いんだけどね。 それで、ボスがいる場所はこの火山内部の一番地下の階層。 ここは中間よりも少し上の方に位置する。 上の方は私が昨日までで全部調べ終わってるから、上にボスがいないのは信じていいよ!」
「なら、俺らが次に向かわなきゃいけねーのは下だな」
「モモのおかげで、今回の地は3日もかからずにクリアできるかもしれないね」
「それは分からない。 私はこの上の方を調べるので4日はかかったの。 レオンがいたから前日に調べたところは敵が湧いても避けて行けたけど・・・。 それでも4日もかかっちゃったんだ」
始まりの地、砂漠の地、氷の地、そしてこの炎の地、次の世界に行くたびに広くなっているのは気のせいではないだろう。
モモが先に上の階層を調べていなかったら、モモと偶然ここで出会っていなかったら倍以上の時間がかかってしまったことだろう。
「モモ、助かったよ。 ありがとう。 これからは僕もレンもいる。 敵を倒すスピードも上がると思う」
「いいえ~! ただ、下に行けば行くほど、敵は強くなる。 上層、中層、下層で分ければ、上層、中層は敵が湧いてくる。 下層に入れば敵が倒しても湧いてくることはないんだけど・・・」
「強いって事か」
「うん。 1回だけ下層を様子見にいったら敵と遭遇しちゃって・・・。 1体は何とか倒せたけど1人だと限界があって」
なんの情報もないよりは助かるもの。
それでも、今の僕達にできることは先に進むことしかできない。
「レオンに乗って一気に下層まで行ければ1番いいんだけど・・・」
「それなら、ユウマとレンで先に下層に行く? レオンなら道覚えてると思うから可能だよ」
「本当か!? それなら、俺とユウマで先に下層に行って敵を倒しながら先に進んで、モモが後から追いつく感じなら安全だよな」
「私が先に行ってもいいんだけど、基本的にレオンと一緒に戦うからやっぱり戦力は・・・ね」
恥ずかしそうに笑うが、白虎を手なずけていることの方が十分凄いことに本人は気づいていないのだろう。
「モモがそれでいいなら、僕はそれで大丈夫だよ。 後から来た時に少しは安全でいられるよう、僕とレンで敵倒すから。 それに、回復できるとはいっても、女の子に怪我してほしくないんだ」
「ユウマ・・・そういうこというから、変な女に好かれるんだよ? 気をつけないとダメだよ! ミカさんのこと考えると、ユウマの天然たらし直さなきゃだよねー」
「モモの言う通りだな」
「2人して笑うことじゃないよ。 それに、1度も自分がたらしだと思ったこと無いよ」
「そりゃあ、『天然』たらしだから自分では分からないよ!」
「モモ良いこと言うな!!」
ケラケラ笑うレンとモモ。
モモはミカと違って、違う意味で守ってあげようと思わせる何かがある。
ミカは女の子として、好きな子として守ってあげたいが、モモは一体なんだろう?
女の子だからというのは大前提だけど、良く分からない。
「それじゃ、時間ももったいないし早速・・・レオン!」
「昨日に続きまたレオンに乗れるのか! テンション上がるぜ!」
レンは単純だってミカが教えてくれたっけ。
レンに続き、僕もレオンの背中に乗る。
「レオン、下層の入り口まで2人をお願いね」
モモの言葉を聞き、レオンは咆哮を1つし、洞窟から飛び出した。
「相変わらずすげースピードだな!」
「こんな凄いレオンをちゃんと指示できるモモは本当に凄いよね。 これならすぐに下層入り口まで行けるだろうし、モモもすぐに追いつけるかもしれないね」
「あぁ! 下層に着いたら、ひと暴れしようぜ!」
「そうだね」
上から下を見下ろせば、モンスターがそこら中にいるのが分かる。
きっとゲートに入った時すぐにモンスターと遭遇しなかったのはあの洞窟が近かったからモモが全て倒していたからなのだろう。
この状況があの洞窟の近くと同じだったら、それを全て倒したモモは僕達と同じくらい強いのだと思う。
心強い味方がパーティーに入ってくれたんだ。
そう思うと、どこかワクワクしている自分がいることに驚いていた。
「あの辺、他と雰囲気全然違うな。 下層か?」
「そうかもしれない。 レオンもどんどん下に降りて行っているし・・・。 レン、ある程度下まで降りたらそのまま重力を利用して1人ずつ1体は倒そう!」
「任せろ! 1体と言わず5体は倒してやるぜ!」
流石にそれは無茶なのでは・・・。
でも、レンは今いいテンションでいるのだろう。
レンの動きを見て僕も攻撃を繰り出せば見えている範囲の敵はもしかしたら倒せるかもしれない。
目視で確認できる敵の数は10体程だろう。
体力がどれくらいあるのかは分からないけど、やらなければ死だ。
「レン、行こう! レオン、ここまで連れて来てくれてありがとう」
「おう! 行くぜ!!」
僕とレンはレオンの背から飛び降り、その勢いで敵に拳で、双剣で攻撃を仕掛ける。
真上から攻撃を食らうと思っていなかったからか、モンスターたちは動揺していたが、すぐに体制を立てなおしていた。




