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7つの大陸と1つの命  作者: 神月しずく
4つめの世界
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休息の地 問い



 休息の地に戻り、宿屋に向かう途中気まずそうにレンが口を開く。



「ユウマ・・・気づかなくてすまなかった。 お前がミカを守るためにしていた行動だって分かっていれば、俺も警戒できたのに・・・」


「レンのせいじゃないよ。 僕がもっとマリンのことを警戒して疑っていればこんな事にはならなかったかもしれなかったのに」



 僕のせいだ。

 ミカを守ると、そう誓ったのに。

 好きな人を、大切な人を、目の前にいたのに守れなかった。

 僕はこれからの戦いでどう頑張ればいいんだ。



「ユウマ、お前にミカからの伝言だ・・・」


「伝言?」



 きっと罵倒の分類だろう・・・。

 僕はそれらを言われるようなことをしてしまったから。



「いつか必ず本当のことを教えてくれるまで、あたしは待つし、ユウマのことを信じるよ。 だってユウマはひどいことを平気でできる人間じゃない、優しい人だから」


「ミカがそれを?」


「あぁ。 ミカはなんだかんだお前のこと信じてたんだ。 俺はお前のこと見損なったって思っていたがミカはずっと信じていた。 俺もお前のこと最後まできちんと信じていれば良かったのにな」


「こんな僕のことを最後まで信じてくれていたんだね・・・」


「そうだ。 だから、ってわけじゃないがこれからも一緒にパーティー組んでくれるか?」


「僕なんかで良ければ」



 それから僕らはリンさんに事情を話し、棺を用意してもらい、埋葬を終わらせた。

 その場には、僕とレンの2人。

 リンさんは気遣って離れたところで待機してくれていた。



「ミカ、少しだけ待っていて。 モケはちゃんと僕が面倒を見るよ。 そして、僕がそっちに行くとき、モケとは寂しいけどお別れ。 流石に僕のエゴで動物を殺すことはできないよ。 だからミカ、僕だけで残念化もしれないけど、我慢してほしい・・・。 少しだけお別れだよミカ。 真相を全て知ることができて、このゲームから解放されたその時には、僕もミカの所に行くことを誓うよ」



「ユウマ・・・」



 これは、ミカのためとかそんなものじゃない。

 大切な人1人守れない僕がここにいてはいけない。

 なんとなくそう思っただけだ。

 


「レン、後4人。 残り4つの世界、必ず勝とうね」


「当たり前だ」



 ミカが殺されてしまったことで、回復はアイテムだけだ。

 しかし、きちんと休息を取ればアイテムを使わずに回復はできる。

 それを利用してこの先進めていくしかない。

 僕もレンも、マリンを一緒に連れて行くという発想は全くない。

 彼女は、僕達からしたら裏切り者だ。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――





「さて、ここまで読んでくださった皆様にこの先の展開を決めていただきたく、全く別の世界から問わせて頂きます。 始まりの地からずっと一緒に行動し、ユウマの彼女でいた『ミカ』という女の子。 そして、彼女を悪意をもって殺した『マリン』という女の子。 

 この次の世界、炎の地にマリンを一緒に『連れて』いってほしいですか?

それとも、『ミカ』を殺し、レンとユウマに絶望を与えたマリンを『置いて』いってほしいですか?」





「私はゲームマスターです。 望むことを叶えられるよう、私は力を授かりました。 しかし、必ずそれが叶うわけではない。 そのところ、ご理解いただきたく願います。 では、またお会いできることを楽しみにしております」





――――――――――――――――――――――――――――――――――――





 ミカを埋葬し、アイテムを揃え、僕たちはすぐに次の世界へと向かう。

 ミカはもう死んでしまった。

 どれだけ時間が戻ればいいと願っても決して叶わない事実。

 消えてしまった命の灯に、もう1度熱が宿ることはない。

 つまり、どれだけ急いでも、消えたものは蘇らない。

 しかし僕は少しでも自由な時間、何もしない時間があるとあの瞬間を思い出してしまうんだ。

 ミカが驚きながら目を見開き、口から血を吐き出し、心臓にはサイスの右手が刺さったあの瞬間を。

 そして、その後ろで笑っているマリンを・・・。



「レン、大丈夫?」


「俺は大丈夫だ。 ユウマ、お前は悪くない。 お前自身が自分を責めていたとしても、俺はその度に言う。 お前は悪くない」


「ありがとう」



 レンはそう言ってくれるが、それでも僕は僕自身を許せないんだ。

 この感情をどう説明したらいいのか分からない。

 どう言葉で紡げばいいのか・・・。



「しょぼくれんなよ。 俺はアイの仇を、お前はミカの仇を・・・だろ? マリンが突き飛ばしてミカを殺したことは間違いではない。 でも、このゲームを作って俺達にプレイさせた人間が全ての元凶なんだ。 だから、俺たちは進まなきゃいけない。 ミアにも頼まれてるだろ?」


「そうだったね。 ありがとう。 ミカ、アイさん、ミアの為に、そして始まりの地で虐殺されてしまったみんなの為に僕たちは進まなきゃいけないよね」


「それじゃ、次の世界炎の地行くぞ」


「うん」



 ミカ、見ていてほしい。

 そしてあわよくば、僕とレンのことを、どうか見守っていて。




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