氷の地 1つの命
「これで私のものよ! 邪魔なミカちゃんは床を汚い血で汚しながら倒れてる! HPがどんどん減っていく・・・。 後もう少しで0! どれだけ回復を使おうとしてももう全て手遅れなのよ!」
ミカが死ぬ。
ミカを守るためにマリンとの約束を守っていたにも関わらず、彼女は最初から殺す気だったんだ。
「マリン・・・もう許さない・・・」
それからの事は正直怒りで何も覚えていない。
気が付けばサイスが倒れ込み、動かなくなっていた。
レンはミカの傍に寄り、必死に涙を隠している。
そんな後ろでマリンはというと、ずっと笑顔のままだ。
「ユウマ君。もうミカちゃんはいないんだよ? だから、私と付き合おう?」
「ふざけるなっ!! ミカと話さなければ、レンに言わなければ、ミカは殺さないって、お前がそう言ったんだろ!! それなのに、なぜお前はミカを殺した!!」
「殺したのは私じゃなくてあそこのボスの人でしょ? それは、八つ当たりだよ」
「どちらでも同じだろ! お前、僕が死にそうになったあの瞬間、ミカの事押しただろ」
「見てたんだ」
「視界に入っていただけだ。 視界に入っていただけで、身体は反応できなかったけどね。 僕は君を許さない」
「どっちでもいいよ~。 好意の感情じゃなくても、憎悪の感情でも、ユウマの中に私という存在がいるならなんでもいいよ? 無関心が1番つらいからね」
「ユウマ、こいつとの話本当なのか?」
「さっき僕が言ったことは全部本当だよ。 ミカちゃんが死んじゃうかもねってそう言われてたんだ。 だから僕は2人に何も言えなかったんだ。 本当はあの時レンに聞かれた時に全て話したいと思ったんだ」
「お前、どう償うつもりだ?」
「え? だってこの世界がゲームじゃない。 本当に死ぬわけないじゃない」
「本当に、心の底から君は死なないって思っているの?」
「ふふ」
「君は知ってたよね。 この世界で死んだら現実のミカも死ぬって」
「知ってたよ。 ここまで来てるプレイヤーなら全員が知っている」
「なら、なぜミカを殺した」
「決まってるじゃない。 私以外の女のプレイヤーはいらないから」
「そんなくだらない理由で1人の命を奪ったのか」
マリン。
この女はこのゲームに参加している女プレイヤーを全て消そうとしている。
どうにかして彼女を止めなければこの先も沢山のプレイヤーが死んでしまうかもしれない。
でも、僕もレンも彼女と一緒に行動するのは無理だ。
「悪いけど、君とはここでお別れだよ」
それだけ残し、僕はミカを抱きかかえゲートを潜る。




