氷の地 戻れない
あれから1日目の夜。
マリンのせいでミカやレンとの関係が悪化した。
連携して攻撃が出せなくなり、モンスターの攻撃を避ける際ぶつかってしまったり、レンやミカの視線が時間が経つたびに冷たくなり、何度も本当のことを話そうと思ったことがある。
そのたびに、マリンはミカが死んじゃうよ? と耳元で笑いながら囁くため、何も言えなくなる。
「ミカ、俺たちは向こうで飯食おうぜ」
「うん」
「あいつらは2人の方が良いらしいしな」
「ユウマってああいう女がタイプだったんだね」
違う。
僕はミカの事が好きだ。
マリンとのことを全て2人に話したい。
でも、それをしたらマリンが暴走して何か・・・何か嫌なことが起きるかもしれない。
そう考えたら怖くて何も言えない。
この氷の地にいるときだけ。
このエリアから出たらマリンと行動するのはやめる。
「おいユウマ」
「あ、レン・・・」
「ミカとあの女ならもうテント入ったから安心してくれ」
「そっか・・・ありがとう」
「お前、あの女に何か言われたのか?」
ここでレンに伝えればレンは何が起きてるのか理解できると思う。
でも、それをしたら約束を破る事になる。
約束を破ってマリンがミカに危害を加えようとしたら僕とレンで守れるかもしれない。
ただ基本的に僕とレンは前衛で戦うがミカとマリンは後衛だ。
敵に気を取られているときに何かあればすぐにマリンが起こすことに対処できない。
「何も、言われてないよ」
「そうかよ。なら、もう好きにすれば」
それだけ言うとレンは背中を向けてテントに戻ってしまった。
「ごめん。でもミカを守りたいんだ・・・」
僕には何も無いから、だからこそ、今できることをするしかない。
例えそれが大切な人を傷つけることになっても、結果、守れればそれでいい。
こんな身勝手なことを思う僕を許してほしい・・・。
「ユウマ、レンと話してたでしょ~」
「あ、うん」
「まさかとは思うけど、言ってないでしょ?」
「言えないよ・・・」
「そうだよね! 言ったらミカちゃん死んじゃうもん」
「あのさ、もし約束を破ったらどうやってミカを殺そうとするの?」
「どうやって・・・? そんなの、いくらでもどうにでもなるよ~。2人が戦ってるときにミカちゃんのことをモンスターの前に押したり・・・ね? だから、約束はちゃんと守ってね?」
この子はきっと、本気でミカを殺そうとしてる。
約束を破ったら、いくら僕達で守ろうとしても他の方法で殺そうとしてくるのだろう。
さっきのマリンのあの目。
ずっと笑ってヘラヘラ話していたけど、目は笑っていなかった。
いつでも殺せるよとでも言いたげな目をしていた。
彼女には逆らわない方がやっぱりいいかもしれない。




