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7つの大陸と1つの命  作者: 神月しずく
1つめの世界
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チュートリアル 初めてのミッション

 


 しばらく歩いていれば前方に川を見つける。

 しかし川の色を見れば普通の川ではないことはすぐに分かる。

 


「川の色が紫になってる。流石にこの色はゲームの世界とはいえ普通じゃないよね」




『ミッション 川を元の姿に戻せ』




 やっぱり川は普通じゃなかったようだ。

 この川の原因が分からないままでは何もできないだろうと思った僕はそのまま川の上流を目指す。

 上流に向かいながらも辺りを見渡し変なところがないか確認する。

 歩いていくほど木々は茂り、森の中へと入っていく。

 


「あれは?」



 奥の方からどこか淡く光るものを見つける。

 その光を目印にその場所へと進んでいけば、小さな空き瓶が転がっていた。

 持っていけるアイテムだ。

 アイテムを仕舞い、更に上流を目指す。





 

―――――――――――――――――――――――――――――――――







「なんだこれは・・・」



 川が紫色になっている、おそらくその元凶を前に僕は思わず声を漏らす。

 視線の先には大きな猪の様な獣が横たわっているからだ。

 お腹の辺りからは紫色の血が流れ、その血が川を汚しているようでこの獣をどうにかしなければクリアできないということだ。



「持っているアイテムは空き瓶だけ。これだけでどうにかなるものなのかな・・・」



 引っ張るにしても重すぎて運べないのは見て理解できる。


 ん? あれは・・・?


 すぐ近くに木に何かなっている。

 木の実は現実の世界にはないような色をしていた。

 光は放っていないが、絶対に持っていけないとは言われていない。

 光っている物だけしか持っていけないなど、そんな面白くないゲームはないだろう。



「とりあえずこの木の実を潰して瓶に入れてあの獣の傷口にかけてみるか」



 正直それでどうにかならなければ僕はここで詰む。

 開始早々ゲームオーバーだ。


 木の実の果汁は青く、いかにもポーションのような色をしていた。



「これで血が止まればいいけど」



 そう祈りながら先ほどの瓶の蓋を開け獣の傷口にかける。

 するとたちまち傷口からは血が止まる。

 川を汚していた紫の血液は消え、綺麗な透きとおった水になる。

 太陽を反射し、キラキラと水面が輝いている。



『ミッションクリア』



 クリアはしたけど、結局このゲームは何をするのかが疑問になってくる。

 チュートリアルまでは分かるけど、その後の扉を出て歩き出した後の悲鳴と何かが崩れる音。

 王道のRPGではないと思うし、ミッションもどこかおかしい。

 


「ここで考えていても仕方がない・・・か。ひとまずこのまま川を辿って上に行ってみるしかないかな」







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