砂漠の地 ベルという女
「どの辺を探せばいいのか分からねぇからそこもきついな」
「何か周りと違うものがあればすぐ見つけられると思う」
「つっても、違うものがなんなのかまずそこからだろ?」
「砂が違うとか、サボテンが作り物とか・・・」
周りを見渡しながら怪しいものを探していく。
「うっ、口の中に・・・」
「大丈夫? 水あるからこれで口ゆすいで」
「ありがとうユウマ。・・・あれ?」
「なんだ?」
「ちょっと2人ともこの砂舐めてみて」
「は?」
ついに頭もおかしくなったのか? レンの視線がそういっている。
「いいから! ほら!」
「うわっ、やめっ・・・ん?」
「ユウマも!」
レンを見る感じ、この砂に何かあるのだろう。
ミカの言うように砂を少しだけ舐めてみる。
「甘い?」
「うん。なんで甘いんだろう」
「待て、ベルはどこだ」
「ベルならさっきまで隣にいたけど・・・」
「いねーぞ」
「え? ベル?」
「そういうことだったんだ」
「どういうことだ」
ゴーレムの出現、そしてベルはボスと戦ったと言った。
この世界でのプレイヤーは1度死んでしまったら復活できない。
それに、ボスが瀕死の状態のプレイヤーを逃がすわけがない。
倒すか倒されるかだ。
「ベルがボスだ」
「そんなっ・・・」
「いや、確かにそうかもしれねぇ。ゴーレムはボスの近くにいるはずなのにって言ってただろ」
「それに、ベルと1番初めにあった時は3、4日かかるって言っていた。でも、さっき1日ちょっとって・・・」
「ベルが・・・」
その言葉でベルが敵だと認識したミカはショックを受けた顔をしていた。
僕とレンは怪しんでいたからこそショックは受けていないが、やっぱり残念だと思うところはある。
ミカはベルとよく話して楽しそうにいた。
「ユウマ」
「うん」
レンに背中を押されてミカの近くに移動する。
「ミカ、ベルは敵だった。それでも、僕たちは前に進まなきゃいけない。アイさんの為にも。そして街の人やミアの為に真実を暴かなきゃいけないと思う」
「うん。分かってる」
「ミカ、この世界のボス・・・ベルを倒したらまた休息の地で話そう」
「うん」
ミアの事、街のこと、そして親友のアイさんの名前を聞いたとき、ミカは何か心に決めたように前を向く。
「あたし、やるよ」
「うん」
「んじゃ、行くか」
そう言ってレンが見つめる先には、なにやら真っ赤な果肉の様なものがドクドクと動いていた。
「2人とも、勝とう!」
「うん」
「当たり前だ!」
「ちょっと待って、ミカMPだけ回復した方がいいよ。これ使って」
そう言って僕は自分の持ち物からMP回復薬をミカに渡す。
気づいたことがあり、この世界では睡眠をとればMP、HP共に回復するようだ。
そのため、薬を使うのが今回が初めてだ。
「回復したよ」
「ユウマ、準備できてるか?」
「うん。2人とも大丈夫?」
「あたしは大丈夫!」
「俺もだ」
2人の返事を聞き、僕はその赤い果実へと近づく。
ドクドクと心臓の脈を打っているような音が聞こえてくる。
まるで生きているかのように・・・。
目の前まで歩き、剣を抜く。
最後に1度2人を見れば2人とも頷いてくれる。
「ベル、僕は君を倒す」
剣を勢いよく突き刺す。
「2人ともしゃがんで!」
僕が突き刺した果実はそのまま膨らみ爆発する。
咄嗟に僕は後ろへ下がりしゃがむ。
「え? きゃっ!」
「くそっ!」
レンがミカの頭を押して無理やりしゃがませたのを見て安心する。
「これは・・・」
「あぁ・・・」
爆発したその先は地下に繋がっているようで、下へと続く階段が現れた。




