砂漠の地 ゴーレム
「昨日の夜どこにいたの?」
「ちょっと眠れなくて外にいたよ」
「ユウマも夜いなかったよな」
「あ・・・うん」
レンとベルはニヤニヤしながら問い詰める。
「で?」
「え? で? って言われても・・・」
「ミカはユウマの事好きなのよね」
「やっぱりな。俺の思った通りだな」
「ユウマはミカのことどう思ってるのかしら?」
「ミカの事? 可愛いなって思うよ」
「お前なぁ・・・」
「あらあら、レンが照れてどうするのよ。ミカ顔が真っ赤よ?」
素直な感想をそのまま伝える。
「もう! 早く朝ごはん食べて行くよ!」
「あらあら、そんな照れることないじゃない」
「照れてないよ! 少しでも早く出発してボスに近づかなきゃ!」
「ミカ、誰が見ても照れてるなって分かるぞ」
「レンだってアイにかっこいいと思うよって言われたら照れるでしょ!」
「おまっ・・・」
ミカの一言でレンが照れる。
「あらあら、今度はレンも照れるのね。いいわねぇ」
「さっさと飯食って行くぞ」
「ミカ、夜のことは後でちゃんと聞かせてね?」
「ベルにだったら・・・」
僕を抜いて会話が進んでいき、気が付けばご飯を食べ終えボスに向かって歩き始める。
ミカはベルと2人で恥ずかしそうに話し、レンは僕の隣で何か聞きたそうにチラチラと見てくる。
多分昨日の夜の事が気になるのだろう。
「昨日の夜眠れなくて外に出たんだ」
「いきなりなんだよ」
「あれ? レンも気になってたんだと思ってたんだけど・・・」
「別に気になってねーよ」
「そうだったんだ・・・。それなら・・・」
前を歩いている2人とは別に僕たちは無言で歩く。
「昨日何があったんだよ」
「え? でも・・・」
「うるせー。ミカはアイの親友だからな。俺が見極めてやるんだよ」
「レンって親みたいだよね」
「さっさと話せ」
口が悪いときはだいたい照れているか、言いにくいか、恥ずかしいときなのだろう。
「少し話しただけなんだ。ミカの事や僕の事。これまで自分たちの事ちゃんと話したことなかったから・・・」
「ふーん。ならミカとアイが施設で育ったって言うのも知ったのか」
「うん。それでも、ミカはそんなことって感じで気にしていないようだったからなんか安心した」
「ミカはいつも今を生きてる感じだからな。出会ったときからそうだった」
「そうだったんだ」
「お前さ、ミカの事どう思ってるんだ?」
「どう?」
「だから、好きなのか? って聞いてんだよ」
好きなのか?
そのレンの質問に僕はすぐに答えることができなかった。
出会ってまだ少ししか時間が経っていないのに、簡単に好きなんて言っていいのか・・・。
「どうなんだよ」
「まだ分からない。ミカは可愛いと思うし、守ってあげたいとは本当に思うけど、好きかどうかって言うのは分からない」
「お前好きになったことあるか?」
「そういえばないかもしれない」
本当に小さいときに誰かを好きになったことはあるかもしれないけど、中学、高校を過ごしてきて好きな人は1人もできなかった。
「俺も似たような感じだったから気にすんな。でも、ミカはお前のこと好きだと思うぜ」
「ミカが?」
「ミカって意外と彼氏作ったりとかなかったんだぜ? ミカと仲良くなる男は、ミカにとっても男にとっても友達の枠を超えなかった。でもお前には違うようだぜ。あんな顔するの初めて見た」
「あんな顔?」
「照れたり、恥ずかしそうな顔だよ。あいついつも人の事からかったり、動物見てニヤニヤしたりしてるだろ? そん時の顔とは全く別の顔だ。ユウマも見てれば分かると思うぜ」
そういうものなのかな。
「レン! ユウマ!」
ベルの声に攻撃態勢へと入る。
「ゴーレム?」
「普通のゴーレムじゃないわよ!」
「どういうことだ」
「あのゴーレムはその辺にある小石や岩を飲み込んで更に巨大化する! 強さも変わるから気を付けて!」
「そんなのありかよ」
「私が足止めするわ! │暴風!」
「俺が行く! │荒蕪!」
「│万波!」
レンが水分を奪い取り脆くなったところで体を回転させ、双剣を振り下ろす。
2本の刃がゴーレムの身体を削り取っていく。
「│氷柱!」
最後のミカの攻撃でゴーレムは消える。
「おかしいわね」
「なにが?」
「今のゴーレムはボスが近くなってくると出てくるのよ。ボスまでは後1日ちょっとしたところ。明日の夕方ごろに現れるならまだしも、早すぎるわ」
「ボスの守護者ってところか。確かにそれは変だな」
「どこかに隠し通路があるとか? その隠し通路を守ってるとか。ユウマはどう思う?」
「確かにボスの前に出てくる敵がここに現れるのはおかしいと思う。ミカの言ってることも1つあると思う
「それなら、その隠し通路ってやつ探してみようぜ。それでボスに近づければこっちはラッキーだろ」
「そうね。それなら探してみましょう」
とは言ったものの、見渡す限り砂のこの場所でどう探せばいいのか・・・。




