チュートリアル クリア
『3人に直接渡せないから手紙に残すにゃ。 防具と双剣はちゃんと完成してるにゃ。 私の魔力全てを注ぎ込んだからしばらくの冒険はこれで大丈夫なはずにゃん。 それと、ゴブリンキングの討伐お疲れ様にゃー。 ここからは、この世界の事について伝えるにゃん。 この世界には7つの世界と敵が一切出現しない世界があるんや。 始まりの地、炎の地、水の地、氷の地、砂漠の地、暗黒の地、天空の地、そして休息の地。 それぞれの地にはそれぞれのボスがいるにゃん。 この始まりの地ではチュートリアルだからボスはもういないんや。 それぞれの地に向かってボスを倒し、真実を見つけてほしいにゃん。 私は途中で真実を見つけることに疲れて諦めてしまったんや。 ここにいる人は皆そうにゃん。 だから、私の願いを託すにゃん。 どうか、真実を見つけてほしい』
「真実・・・?」
「7つの世界・・・か」
ミアの手紙を聞いた僕は、この世界に疲れてしまった。そう言っているように感じた。
前提としてNPCなら疲れたという感情は無いのかもしれないと思っていたが、ミアは人と言った。
「ここで過ごしていた人がもし、全員僕たちと同じで人だとしたら・・・?」
「あぁ」
「辻褄は合うと思う。だってミアが書いてくれたデザイン、あれ現実世界で普通にあるようなものだった。本当のNPCだったら難しいんじゃないかな」
「ミカの言う通りだと思う」
怒りも限界を超えれば冷静になるらしく、僕らは沢山の人が惨殺されたこの始まりの地の街で推測していた。
嗅覚も麻痺し、血の匂いに慣れてしまった自分が恐ろしい。
しかし、そんなことよりもこれからの行動は明確になった。
「レン、ミアの手紙には次の世界に行く方法は書いていなかったの?」
「書かれてねーな」
「ねぇ、敵が来たらあれだし、ミアが作ってくれた服に着替えない?」
「そうだな」
それぞれ着替え、次の世界に行く方法を考える。
ミアが見せてくれた地図はここの世界の事だけしか書かれていなかったため、次の世界に行く方法が分からないのだ。
そんな中、何かに誘われるようにミアの遺体を見つめる。
「あれ?」
ミアの上半身と下半身の間に何か真っ白なゲートのようなものが現れる。
「本当に最低だな」
「もう度が過ぎてるせいか怒りも無いよ・・・呆れる」
ミカとレンも僕の言葉に反応し、ゲートが現れる瞬間を見たようだ。
ミアの遺体は、手を合わせた後に床に布を敷いて、その上に移動させ更に布をかけていた。
そのミアの間にゲートが現れるなど、悪趣味を通り越して軽蔑の感情だ。
「ミア、動かしてばかりでごめんね」
それだけ呟き、僕は少しだけ横にずらす。
レンも手伝ってくれたが、そのゲートは相変わらずミアの間にある。
「なんなんだよ」
「申し訳ないけど、ミアのこと跨いで入るしかないのかもしれない」
職業選択をしたときに話したあのゲームマスターの感じだと、それすらも面白がって見ているのだろう。
「入らないと先にも進めねぇしな・・・」
「・・・行こうか」
「うん」
「ミア、ごめんね。必ず真実を見つけて報告しにくるよ・・・」
「ミア、モケのことありがとう・・・」
「仇取ってくるから少しだけ待っててくれ・・・」
思い思いミアに声をかけ、ゲートへと入る。
『チュートリアル クリア』




