チュートリアル ピンチ
3人が見つけた洞窟はこれまでいた森の雰囲気よりも更に薄暗く、嫌な感じが入らなくても分かるような場所だった。
「あまり入りたくないけど、ここにいるかもしれないよね」
「かもしれねーな」
「ミカの魔法で明るくすることできるかな?」
「やってみるね」
目を閉じそっと杖を振る。たちまち洞窟の中が明るくなる。
どこからか水の滴る音が反響し、同時に地に響くような唸り声も聞こえる。
洞窟の中は1本道になっており、基本的に迷うことはなさそうだが後ろから急に襲われたらどと考えていたところで・・・。
「あたし後ろ警戒しておくね」
「何か見えたらすぐに教えてくれ」
「了解!」
ミカは良く周りを見ているようですぐに役割を名乗り出てくれる。
しばらく無言で先へと進むと・・・。
「開けてるな」
「そうだね。多分ここがゴブリン達の・・・」
「2人とも後ろ!」
ミカの声に後ろを振り返り構える。
赤い目をぎらつかせながら唸り声をあげるモンスターを確認する。
明るいのは自分達の周りだけで向こうの方までは良く見えない。
「ミカ、あのモンスターの所まで明るくできる?」
「やってみる!」
「間に合わねぇ! 来るぞ!」
間一髪でレンと僕はモンスターの攻撃を避ける。
「狼みたいな感じだな」
「ゴブリンだけじゃなかったんだね」
「また来るぞ」
「くっ」
「治癒!」
暗いところからの攻撃は避けにくい。
「ありがとうミカ」
「まずいよ! ミアが言ってたゴブリンのっ」
「くそっ! 挟まれたか」
「ゴブリンキング? レベル20だ」
「どうしよう!」
「あの大きさってことは、あのゴブリンが現れたところは結構広いと思う! どうにかして向こうに行ければ・・・」
「それなら、俺が先頭でいく! 2人は付いて来い!」
言うと同時にゴブリンキングに向かって突っ込んでいく。
何か策があるのだろう。ミカと顔を合わせ、そのまま2人でレンの後を付いていくように走る。
「おらぁ!」
ゴブリンキングの目に向かって拳を突き出す。
「ミカ走れ!」
僕もレンに続き、敵の足首を狙う。
態勢が崩れたところでミカの後を追うように広い場所へと走る。
どうにか態勢を立て直すも、すぐにゴブリンキングの後ろから狼の様なモンスターが飛んで攻撃をしてくる。
「レッドウルフ? 狼にしては身体がでかすぎだ!」
「でも放置してたら致命傷になりかねない。倒すしかない!」
「2人はゴブリンキングに集中して! あたしがどうにかする! 氷柱!!」
ミカの魔法で周りの敵の動きが止まる。
「ミカ・・・分かった! ユウマ行くぞ!」
「分かった」
「火花!」
ミカが他のモンスターを攻撃している間に僕たちはゴブリンキングと向き合う。
「ユウマ・・・」
「うん。体力が黄色いゲージってことは・・・」
「やべぇな。でもここで引くわけには行かねぇな!」
先ほどの様にレンはゴブリンキングに向かって走り出すも、手のひらで簡単に弾き飛ばされる。
「ウウウ・・・ウウァアアア!!」
ゴブリンキングの叫びに洞窟の更に奥からゴブリンが集まってくる。
「うわっ!」
「ミカ!」
「ダメだ! このままじゃ・・・何か・・・何か方法を探さなきゃ!」
「敵が多すぎだ!」
更に増えたことにより、レッドウルフが5体レベル15。奥から出てきたざっと20体のゴブリンも同様に15。そして、ゴブリンキングがレベル20。
3人のレベルは全員同じ11だ。
「ミカが攻撃してたウルフから倒そう! ミカ、他の敵の足止められる?」
「モンスターの数が多い! MPが足りない!」
「俺がどうにかする! ユウマはそいつら頼む!」
「分かった! ・・・凄雨!」
ウルフの頭上へ飛び、そのまま身体に向かって剣を突きさす。
「ユウマありがとう! レベル上がった! 点火!」
レンの足止めのおかげで、レッドウルフを全て倒しきる。
ミカはレベルが上がったと同時に、レンを避け炎でゴブリンに攻撃を仕掛ける。
全体的に半分程HPを削りきったところで、レンと息を合わせそのまま畳みかける。
「こんだけ敵がいると、一気にレベル上がるな・・・」
「後はゴブリンキングだけ・・・」
「治癒!」
約30体を倒した3人は一気に18にまでレベルが上がった。
「ラスト、ボス行くぞ」
「サポートは任せて!」
「ユウマが技使ったんなら俺もいくぜ・・・荒蕪!」
レンの攻撃を受けたゴブリンキングの身体がどんどん枯れ果てた荒野のように体から水分が消えていく。
苦しそうにもがくゴブリンキングに更に攻撃を仕掛ける。
「凄雨!」
ゴブリンキングのHPは黄色から緑へと変わる。ようやく半分だ。
「点火! 2人とも後半分頑張ろ!」
「ああ!」
「ミカ、MPはもしもの時の為に温存しといてほしい!」
「グ・・・ウァ・・・アァアアアア!!!!」
雰囲気が一気にピリピリした空気へと変化する。




