私の友達
本日投稿2話目です。
よろしくお願いします!
「じゃあ、いってきます!」
「いってらっしゃい、気をつけて」
毎日名残惜しさを残しながら私は登校する。
私が休んだところで岳さんは仕事でいないけどね。
自転車にまたがり、ペダルを漕ぎ始める。
自転車で颯爽と街を駆け抜ける感覚が私は好きで中学から
自転車通学を続けている。私の高校は電車通学してる人も
多い。電車の方が無駄に疲れなくて済むし、楽だったりする
からね。
自転車通学を続ける理由がもう一つある。
うちのアパートも最寄駅までそんなに距離があるわけでは
ないけど、ママ曰く、
「電車は危ない人が多いから1人で乗っちゃダメ!」
とママが生前言っていたことを小さいながら覚えてて、
何となく避けてきた。
ちなみにママと岳さんはママが痴漢と間違えて犯人扱い
しちゃったことから出会ったらしい。
本当、ある意味漫画みたいな出会いしてるよ。
でも私だったら岳さんにだったら痴漢されても...
って何考えてんだ私。
流石にどんなにカッコよくても岳さんのこと知らなかったら怖いよね。
多分...
馬鹿みたいなこと考えているうちに気づけば学校に到着していた。
自転車置き場で自転車を置いたところで、見慣れた少女が私に声を掛ける。
「おはよー柚葉」
「おはよー弓理」
彼女は桜弓理私が1番心許してる親友。
メガネをしているせいでぼやけているけどメガネを外すと かなりの美人。メガネの度が強いせいでレンズ越しの瞳は 少し小さくなってしまっているけど、手入れの行き届いた 艶のある黒髪に体の凹凸がしっかりしていることから、男子からは、
「将来は保健室の先生一択!」
なんて聞こえてきたりする。
胸も大きい。というかダイナマイトすぎて隣にいる私の胸がお可愛いレベルになってしまう被害を受けている。
私だってそんなに小さくないはずなのに...
それとすごくモテる。メガネで美人がぼやけてると言った けど、
「本当、1日だけでもいいのに付き合ってください」
とか
「もう隣にいてくれるだけで幸せです。はぁ、僕なんかの ために時間を使ってしまってすみません」
だとか
「好きです!結果は見えてますが、どうせなら思いっきり 振ってください」
みたいな変な告白も多いけど、とにかく呼び出しが多い。 弓理は、
「柚葉の方がモテてると思うよ?」
なんて言ってくれるが、絶対私よりも告白されてる数は多いと思う。
そんな弓理は小学校からの幼なじみで、ママが生きていた頃はよく家に遊ぶにもきてたので私の家庭事情も知ってくれている。そして、私が岳さんのことが好きだということを唯一知る人物でもある。
「なんかいいことでもあった?」
「え、なんで?」
「ちょっといつもより数センチ口角が上がってる気がした から」
流石に岳さんに痴漢されてることを想像してニヤけてた
なんてこと親友であっても言えない。
いや、実際そんなことない...はず...
「べ、別に~」
口笛を吹いて誤魔化そうとするも音が出ず失敗。
「岳さんのこと考えたんでしょ?」
「い、いいじゃん!好きな人のことくらい考えるもん」
「柚葉は恋する乙女だもんね」
「弓理も恋するようになったらわかりますよーだ」
「恋かぁ、うーん。今はする気ゼロかな。もう3年生だし
それこそ年上に惹かれてる柚葉見てたら私も年上がいい
かな?」
「私たちが最上級生だもんねー」
「それに柚葉の話だけでお腹いっぱいだよ?」
「まぁ、私のは叶わないんだけどねー」
「まーた、すぐそう言うんだから」
「まあまあ、この話はまた後で。それより昨日の金曜日は
映画でショーみた?」
教室についたところで岳さんの話を切り上げる。私と弓理は
同じクラス。
「オッハムスター!柚葉に弓理~!」
この子は柏田美優。あだ名はみゆっぺ。
目は決して大きくはないけどクリクリした粒らな瞳で身長は
低め。髪の毛は染めてないけど明るめの茶髪。可愛いんだ
けど醸し出す雰囲気が全部ダメにしてる。ただの馬鹿。
それと...まあこれはいいや。
よし!とりあえず無視しよう。
「ご、ごめんって~無視しないでよ~」
むすっと膨れた顔。
本当ハムスターにそっくり。
「ほーら!冗談だよ。おはようみゆっぺ」
「冗談冗談。おはよう美優」
ざっと私の交友関係はこんな感じ。
キーンコーンカーンコーン
雑談をする私たちにホームルームの開始を告げるチャイムが
響く。
私の学校生活がまた1日始まった。
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