アフターストーリー
本日2話目、短編からの加筆分です。
よろしくお願いします!
少し気持ちが軽くなったからだろうか。
それから俺は誰にも話さず溜め込んだ愚痴や悩みを
吐き出していた。
環さんは、それは大変だ!とか若いのに色々苦労したんだね!とか色々相槌をしながら聴いてくれた。
この時の俺はようやく自分の気持ちを吐き出せる、聞いて
もらえる相手ができたことが嬉しくて自分の話ばっかりしていた。振り返ってみると最初からもっと環さんの話を聞いていたら、もっと彼女のことを早くから知ることができて
いただろうか。
「きっとさ、これからも辛いことはあると思うけど、
せっかくこうして出会えたんだしね!いつでも、いや、
いつでもは流石に無理か!でも、またこうして私も話を
聞いたりするからお互い頑張ろうよ!」
「もうどうせ自分なんて思うのはやめよ?自分で自分を否定することほど悲しくて寂しいことはないよ?」
その言葉は言葉以上に温かみがあり、でもどこか彼女の表情は言葉に表せない哀しみがある感じがしたが、俺にはそれを読み取ることはできなかった。
「本当にありがとうございます。なんか頑張らないといけないなって思いましたよ。でも痴漢に間違えられて、そこから少し話して...こんなに打ち解けられるなんて思ってなかったですよ!」
これは俺なりの照れ隠しだった。
「あーそれ持ち出したらわたし何も言えないじゃん。本当
その節は申し訳ございませんでした」
申し訳なさそうに、でも少し悪戯っ子のように笑う彼女は
とても可愛らしかった。
「あ、あとこれ私のRINEだから!もし良かったらまたご飯にでもいこ?」
「はい、ぜひお願いします」
こうして彼女、古賀環と俺は出会った。
「はぁ、まさかこんなことになるなんて思ってなかったなぁ」
誰もいない家で俺は独り言のように呟く。
それにしても綺麗だった。芸能人みたいな神々しいオーラ、というものではないがどこか親しみやすいような、でも手を伸ばしても届かないようなそんな魅力が彼女にはあった。
彼氏はいるのだろうか?
なんて考えてしまうのは時期尚早ではないか。
恋愛脳ではないはずなんだけどな。
出会ってまだ1日だ。きっと自分のことを認めてもらえたのが嬉しかっただけだ。
高校の時はそれなりに恋愛をしてきたつもりたが社会人に
なってからはからっきしだった。
高校の時の恋愛はどこか特別で、そして期間が設けられてるそんなもののように感じた。
将来はこうしたいねって話しててもそれはきっと未来に希望があるから話せる。でもいざ高校を卒業してみると意外とこの世の中、希望に満ち溢れてることなんてない。
高校から付き合ってた彼女にも、
「なんか藤原くん、高校の時の方がよかった」
なんて言われた。
その言葉に当時は凄く落ち込んだ。
あの頃より一生懸命頑張ってたつもりだが、人の目にはあの頃の方がよかったと言われる。
でもそれはきっと周りの環境が変われば人の見方も変わるのだ。
同じく高卒で社会に出た彼女には先に社会に出た男の方が
魅力的に思えただろう。
そうして初めは環境のせいにしていたが、気づけばそれは
強がりに変わり、自分への自信はなくなり全て自分自身が
悪いのではないかと考えるようになってしまった。
「人に褒めてもらえたのはいつぶりかな」
もう一度頑張ってみようかなと思ってしまう自分の単純さには苦笑いが出るが、きっかけは環さんだ。
「はぁ、またご飯行こうって言ってたけど社交辞令だったんじゃないかな」
ピロンッ!
携帯にメッセージが届く。
そのメッセージに胸が高まる。
その内容を見た俺はこう思うのだった。
「やっぱり諦めずに頑張るしかないな」
と。
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