第2章プロローグ 俺と環さんの出会い
お待たせ?しました。
ここから第二章スタートです。
短編の加筆修正になります。よろしくお願いします。
俺はその日懐かしい夢を見た。
あなたが俺の側から居なくなってもう10年になる。
ひたすらガムシャラにやってきた10年。
もちろん誰かに評価してもらおうなんて言わない。
ごめん、少し嘘をついた。
あなたにだけは聞きたい。
環さん、俺はあの子を幸せにしてやれてるでしょうか?
俺はいつかあなたが言ってくれた自分を誇れる
人間になれてますか?
環さん、答えてよ...
俺と環が初めて出会ったのは10年前。
好きな人と出会えたことは一生に一度の奇跡なんて大袈裟に
表す人もいるが、彼女との出会いはそんな風に呼べるものではなかった。むしろ一歩間違えたら俺の人生が変わって
いたと言っても過言ではない、まあ彼女との出会いで人生は変わったのは確かだ。それ抜きにしても最悪な出会いで
あったと言っても過言ではないものだった。
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俺はその日、満員電車の中で吊り革を持たず、手持ち無沙汰
にしていた。満員電車の時こそ吊り革を持つべきだったの
だろうが、自分の近くには吊革がなかった。ないものは仕方
ないなと1人でブツブツ考えていたところ、前にいる女性のお尻をモゾモゾと触っている男性を見かけてしまった。
真っ先に思ったのは痴漢って実際にあることなんだなと
素っ頓狂なことを思った。
それこそ痴漢なんて大人が見るビデオの設定でしか触れた
ことはないし、今まで電車に乗っていてもそんな現場に
乗り合わせたことはなかったので、ピンとはこなかった。
これはどうする?助けるべきかなんて考える。
決して痴漢推奨派でも楽しんでるわけでもなくこういうのは
関わるとロクでもないことが起きる。
ほら、横の大学生だって気付いてる。
あっ、目を逸らした。
でも誰しも巻き込まれたくないのだ。
犯罪行為を見て見ぬ振りをするのは心苦しいが......
そんなことを思っていると、俺の良心に住みついた天使は
助けてあげようよと言う。
一方の悪魔は、お前は悪くない。変に関わらない方が
いいぞと言う。
結局どっちが後悔するかと考えた結果、この状況を見逃す
ことだと思い、俺は頭の中の天使に従うことにした。
(よし!)
心の中で決意を固め、悪に手を染めているその手に掴もうとした瞬間、あろうことか俺の存在に気がつき、痴漢をしていた手を引っ込めてしまった。そしてタイミング悪くここまで我慢していた被害者女性の我慢の限界がやってきた。痴漢相手の手を掴もうと放たれたその手は俺の手をガッチリ掴むという悪魔のファインプレーに見舞われ、
「この人!痴漢です!」
俺の手を掴んだ彼女の手が満員電車の中で大きく挙げられ、俺は軽蔑の視線の的となった。
「いや、俺はやってないです」
言った瞬間悟った。
あ、これダメなやつだと。
「大体痴漢する人はそうやって言うんです。
やってないっていうならこの手は何?はぁ、本当最低」
だからその手はあなたを守ろうと思って、、
そう言おうと思うも、
「いや、だから本当に...」
「君まだ若いよね?あのね、一時的な欲望を解決するために
人生棒に振るようなことしちゃダメだよ!」
俺は心の底から終わったと思った。
彼女は話を聞いてくれそうもない。
周りの雰囲気はもう痴漢犯だという目で俺のことを見ているようだった。
きっと悪魔がほくそ笑んでいるだろう。
ほら、言わんこっちゃない。
正義感で動くからだよっ!
と。
やっぱり関わるんじゃなかった。
俺の人生終わった。
俺はこれからどうなるのだろう。
もうどう否定してもダメなことがして一瞬死ぬことすら頭を
よぎった。
その時、
「あの!」
後ろから聞いたことのない声がした。
ここまでご覧いただきありがとうございました。




