番外編2 石野美琴
ブックマークが増えた!本当に感謝です!
本日は個人的には好きなキャラ視点です。
告白をしていた子です。
少し長めですが、本日もよろしくお願いします。
「今日も仕事疲れたー」
「疲れたっていうほどやったか?ミスばっかりでこっちは大変だよ」
「ちょっと!本気でため息つくのやめてもらっていいですか!傷つくじゃないですか」
「前に比べたらだいぶ減ったけどな。最初の頃はミスしかなかったもんな」
「懐かしそうに振り返らないでください。あれは黒歴史です。今は立派に成長しました」
私は石野美琴、26歳の社会人4年目。仕事はGMSのリアル店舗で働く方...ではなくその店舗に商品を発注したり、また指示を出したりする仕事をしている。
1年前、店舗の方から商品部と呼ばれるところでの勤務が命じられ、私はこの部署へときた。
仕事内容の一部はバイヤーとも言われたりすることがある。
そして何故か店舗の人には嫌われている。
実際私も店舗にいた時は嫌ってた。
そして今目の前で話しているのが藤原岳先輩。
私の教育係をしてもらっている。
そして私の想い人でもある。
......
「おい、石野。これ今日中だからな!今日までに発注上げとけよ!」
「は、はい!」
1年前、私はまだ新しい仕事内容に慣れてないこともあり、毎日業務に追われる日々を送っていた。誰に頼っていいかも分からず、その部署では若いこともあり都合よく使われる。
自分の実力不足と言ったら確かにそうだけど、キャパオーバーに近い状態になってたある時、ついに大きなミスをして
しまう。
「おい、ここの発注どうなってんだ?各店100点ずつって言ったろ?なんでここだけ1000点になってるんだ!
誰だ発注担当!」
部長が事務所で大声で叫んでいる。
「そのエリアは石野さんです」
わたしは自分が作った資料を確認した。
確かに1000点となっている。
「申し訳ございません。私が打ち間違えをしていました」
血の気がサーっと引いていく感じがした。
「お前どうするんだ!しかもここに1000点なんか発注したら在庫過多になるだろうが!お前何年目だ?提出する前に確認するって初歩的なことだろう?
学生からやり直したらどうだ?」
悪いのは私だ。でもあまりの剣幕で怒鳴られ私はもう
どうしていいのかわからず頭がフリーズしてしまう。
「おい、お前は上司の言葉を無視すんのか?何か弁明でも
あるんか?」
泣いちゃダメだ、泣いちゃダメだ。
泣いたら女を出してとか俺な悪者ってか?とかきっとまた
怒号が飛ぶ。
そう思っても涙が溜まっていくのがわかる。
もう決壊すると思ったその時、
「部長、申し訳ございません。私もこの件に関しては
確認不足でした。
石野だけの責任ではありません。発注ミスの件ですが、
各店の現在庫を確認したところ、同じエリアでも1000点
発注した店舗の900点分を大型の3店舗に300ずつ割り振れば回転日数は悪化しますが、捌ける量だと思います。石野も
3年目ですがこの仕事では新人も同然です。もう少し気を
配るべきでした。私が責任を持ってこの仕事を引き継ぎますので今回は許していただけないでしょうか?」
その声は藤原先輩だった。
「シュミレーションは済んでいるのか?」
「はい、こちらがその資料になります」
「うむ、これならまだ何とかなるかもしれん。
万が一に備えてメーカーにも次月度の投入の見直しが必要になるという一報をいれとけ」
「かしこまりました。今回は本当に申し訳ございません
でした。ほら、石野も頭下げて」
その声は優しかった。
「次回から気をつけます。ご迷惑をおかけして申し訳
ございませんでした」
「石野、ちょっとおいで」
私はそのまま誰も使っていない会議室へと連れて行かれた。
今回の件、藤原先輩は悪くなかった。
私のためにミスを一緒に被ってくれた。
だから、今度は藤原先輩に怒られるのだと思った。
「部長さ、悪い人じゃないんだけどミスすると怖いんだ。
口が悪くなるっていうか...ミスは反省しないといけないけど
縮こまる必要もない。ここならさ、俺しかいないから我慢
しなくていいから」
その優しさに私の目からダムが決壊したかというくらい涙がとめどなく溢れる。
「ふ、藤原先輩は悪くないのに...ご、ごめんなさい」
「何言ってるかわかんないから。ちょっと待ってて」
そういうと近くの自販機からココアを買ってきてくれた。
「俺もういくから。落ち着いたら一緒にさっきのミスの
挽回、一緒にするぞ」
「はい!」
この日以降、部長が決めたのか藤原先輩が進言したのかは
分からないけど先輩が私の教育係に任命された。それ以降
大きなミスはしてないけどちょこちょこ資料を誤字ったり
して先輩の手を焼いている。
......
「さっきまで絡んできたと思ったら急に黙って忙しいやつだな」
「ちょっと昔のこと思い出してました」
「昔?」
「私がここにきてすぐミスした時、フォローしてくれた先輩かっこよかったなって」
「揶揄うなって。本当あれ大変だったんだからな。怒られてる間にシミュレーションの資料作ったりしてたんだから」
そう苦笑いしながら言うが、苦言っぽくないところがまた
嬉しかった。
「先輩がいなかったらもうやめてたかもなー」
「それはやめてくれ。仕事が増える。いや、ミスの添削が
なくなるから減るのか」
「ちょ、ちょっと真剣に考えないでくださいよ!冗談ですから」
「わかってるよ。今日の慰労会参加するんだろ?さっさと
準備していくぞ」
「一緒にいってくれるんですか?」
「迷子になんてなられたら大変だからな」
「もう、そうやって子ども扱いしてー」
あの日、私を庇ってくれた時から私は先輩のことが大好きだ。先輩のことをかっこいいと言う人がたくさんいるのは
知っている。でも私は顔だけじゃなく、そういう優しい
ところが好きなのだ。一緒にされたくない。
私のこの気持ちは先輩を知れば知るほど増していき、
もう抑えられなかった。
娘さんがいて、男手一人で育てているのも知っている。
だから告白しても無理なんだよねとかカッコ良くても子持ちはきついよねと話している人もいる。
いつも優しくて面倒見が良くて、いつも手を差し伸べて
くれるそんな先輩が好き。
子持ちだろうと関係ない。むしろ尊敬する。
だからまずは伝えるだけでいい。この気持ちを知って欲しい。あわよくばその先も...
「よし!頑張るぞ!」
「まずは片付けを頑張ってくれ」
「わかってますよ!できてますから!ほら、早く行きますよ!」
「お、おい引っ張るなって」
きっと私が好きって言ったらびっくりするだろうな。
私の胸には悲観はなくむしろ高鳴る胸を止めれそうになかった。
「先輩大好きですよ」
呟いた言葉はすぐに消える。今じゃない。
こうなればお酒の勢いに任せて伝える。
うん、この飲み会が終わったら伝えよう。
わたしは淡い期待を胸に彼の手を引いたのだった。
ここまでご覧頂きありがとうございました。
次回から第二章に入ります。
ここまで毎日投稿つづけてきましたが、一旦ここでお休み頂きます。また、二章スタートからは毎日投稿しますのでお楽しみに。面白いと感じていただきましたら、ブクマ、感想、下の方から評価をお願いします。




