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第三話

「私も…役に立てた、、、かな」


俺の目の前で大量の血を流しながら彼女は倒れた。


「馬鹿やろぉぉぉぉ!どうしてお前が……」


俺は、そう叫んだ。


どうして彼女が?なんで?そうだ、目の前にいるこの男が悪い。


コロス、こいつだけは!











覚えてないけど今まで何か嫌なものを見ていた気がする。


俺は重い目蓋を開く。


ここはどこだろうか?


見知らぬ天井が目に入る。


多分、木造建築の家かな?オレはその家のベッドに寝かされてたらしい。


身体を起こす。


特に身体に異常は無い。


オレの寝てたベッドの横の壁には例の剣を立てかけてある。


その壁の上の方には窓がある。


窓の先の景色を見ると、この建物の周りにはたくさんの建物があり、その建物の間にある道にはたくさんの人が往来している。


オレの身体は縛られてたりしてないし、明らかに高級そうな見た目をしている剣も無事だ。


どうやら誘拐ではなさそうだ。


どうしてこうなったんだっけ?


えぇっと、あぁそうだ。


茶髪のポンコツ魔術師のお姉さんに記憶喪失の説明しようとしたら変な記憶が蘇って、、、


あの記憶に出てきた少女はいったい誰だったんだろうか?


すごくよく知る人な気はするが……


とりあえずおいとこ。また気絶したらたまらん。


「あ、目を覚ましましたか……良かったです。身体は大丈夫ですか?」


どうやらここは魔術師のお姉さんの家らしいですね。


「はい、大丈夫です。助けてくれてありがとうございます」


「確か記憶喪失なんですよね?名前は覚えてますか?」


うーん、、、実際は覚えてないけど思い出したところで男性名だし。ここは偽名を、、、


「はい、覚えてます。レティシアです」


「レティシアちゃん、ですね……ここら辺では聞いたことは無いですね」


まぁそりゃそうだ。本来ならこの世界にいるはずが無いんだから。


「一応聞くけど住んでる場所とかは覚えてますか?」


「うーん、覚えてないです」


「そっか……なら、私の家に親が見つかるまですみませんか?13歳の子が一人で外で無事に生きていけるとも思えませんし」


え?正直、ありがたいけど、、、


知らない人になんでそこまで?


ここは聞いてみますか。


「正直ありがたいんですけど……なんでそこまで?見ず知らずの私に?」


率直な疑問だ。


「あぁ、確かにいきなりそんな事言い出したら確かに怪しいですね。その、、、昔、ここに一緒住んでいた妹にあなたが似てて」


はぁ、なるほど。妹さんは家から出て行ったのかな?


「そうですか。失礼かもしれませんがその妹さんは?」


なんか13歳とは思えない丁寧さになって来たぞ、、、


ま、中身がもうちょいデカいから仕方ないけど。


「……私の家系は昔から魔術に長けている家系なんです。私はなぜかダメですけど。妹も漏れなく魔術の適性が高かったんです。だから数年前の戦争に魔術師として駆り出されて……戦死しました」


あぁ、そういう。それは悲しいな。


ご愁傷様です……


でもそういう理由なら納得。


「それは……なんか聞いてしまってすみませんでした」


「いえいえ、それでここの家に住む件、どうですか?」


「では、住まわせていただきたいです。これからよろしくお願いします。」


「私の名前、まだ言ってませんでしたね。私はエリサ。これからよろしくお願いします」


エリサさんですか。……流石にただで住まわせてもらうのはなんかな。なんか13歳でも出来る仕事はないのだろうか?


「あのー、エリサさん?」


「はい、なんですか?」


「流石にただっていうのはあれなんで……私でも出来る仕事とかってありませんか?」


「うーん、少し危険だけど年齢関係なく出来るのは……モンスターとかを狩る冒険者かな。私としてはあんまりやって欲しくないけど」


うーむ、オレとしてはその冒険者って仕事をしたいけど…


せっかく神から貰った例の剣を活かせるし何より


この世界には私の謎の記憶が再生されるトリガーがまだあるかもしれない。


エリサさんの気持ちを考えると…


しかも、オレ弱いし。


「私がさっき、レティシアちゃんに妹の話しなんかしたから困っちゃいますよね」


「いえいえ、聞いたのは私なんで。その……冒険者やりたいんですけど……私、力が弱くて」


「まぁレティシアちゃん見るからに力なさそうですしね……腕とか凄い細いし。今のままでは冒険者は無理ですね。そうですね……私の知り合いに割と強い剣士の方がいますが……明日からその人に修行でもつけてもらいますか?」


お、ありがたい。何から何までほんと……エリサさんには感謝です。


「何から何までありがとうございます。あともう一つだけ、私、この世界についてのことを覚えてないのでこの世界のことを教えてくれませんか?なんでもかんでもエリサさんに頼んですみません」


どうせだし、この世界のことを聞いちゃいましょ。


「あ、大丈夫ですよ。えぇっとこの世界の事ですね」


簡単に言うと


昔、人類は全員仲良く協力して平和に過ごしていた。


ところが今から500年くらい前に突如魔王とかいうのが急に現れて、魔王とその眷属(今でいうモンスター)は人類を殺戮し始めた。


大きな戦争をしたことのない人類は自分たちは使えない魔術を使う上に大量にいた魔王の眷属たちに苦戦し、人類が滅びるのではないかというところまで追い詰められたが、そんな状況を見かねた神が人類に魔術を使う術を授けた。


それから人類軍は魔術師という新たな戦力を確保したおかげで逆に魔王軍を圧倒。


最後に魔王を倒してめでたしめでたし。(今でもその時の眷属の残党はそれなりにいるが魔王が倒されたことで組織的抵抗はできない)


とはいかなかった。


その後、人類は指導方針から対立。


今、オレのいるアレス帝国、テルーサ王国、合衆国、コミンテルンという3つの国と1つの共産主義組織に分裂した。


アレス帝国は、軍事力が高く、最新のものにこだわるのが特徴。


テルーサ王国は、魔術師の質が良く、伝統を重視するのが特徴。


合衆国は様々な小国が集まって出来た国故に土地も軍事力も全てにおいて最強。

ただし、一枚岩では無いので簡単には動けない。


コミンテルンは、共産主義国家設立を望む巨大な組織。3つの国の上層部にスパイを送ってるという噂もある。


そして、私がここに来る数年前にテルーサ王国が突如、アレス帝国に宣戦布告。


そう、この戦争こそがエリサさんの妹さんが戦死してしまったものである。


最初はテルーサ王国が優勢だったがだんだんとアレス帝国も巻き返してきて1年ほど戦線が硬直していた。


そんな感じに両国とも一進一退を繰り返していたある日、突如、自称コミンテルンに所属していた10人の魔術師が両国の軍に対して強力な攻撃魔術を放ち……その一撃は戦争をやめさせるほどの被害をもたらした。


その10人の魔術師のうち9人は戦犯としてアレス・テルーサ両国の軍に捕縛、のち処刑されたが未だに最後の一人は捕まっていないらしい。


という感じらしい。


で、このアレス帝国について。


この国は帝国の政治システムは皇帝による独裁政治。


上級貴族は、皇帝の補佐を行う。


この国の特徴とも言える軍事力は、この世界共通で近接攻撃には剣や槍等を遠距離攻撃には魔術師を使う。


ただし、多くの魔術師たちに使えない判定をされてた他人の身体能力を向上させる魔術、いわゆるバフをこの帝国は研究し、戦力になるようにした。


この国の貨幣は金貨が使われる。


単位は金貨1枚で1ペリス。


大体、2ペリス100円くらい。


私が最初から持ってたコインはこのペリスでしたね。


5枚あるから……とりあえずパンくらいは買えそう。


という感じですね。


この話しをし終わった後、オレはエリサさんとご飯(パンとスープ。この世界ではパンが主食らしい)を食べ、お風呂に入った。


その後、私は寝た。


色々とカオスだったなぁ今日は。


明日から修行を頑張っていきますか。


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