最終話
確か、彼女と会ったのは中学生くらいの時だったけな?
あの時、お互いボッチだったなぁ。
彼女は霊が見え、不気味に思われ、皆に避けられた。
俺は……なんだろうな。人と話すのが苦手だった。
でも、彼女となら話しやすかった。
話してて疲れないし、楽しかった。
いつの間にか、彼女と俺はいつの間にか恋人と言う関係になっていた。
そう、そしてあの日、高校の卒業記念にイギリスに旅行に行ったんだ……
なんで国内じゃなかったんだっけか?なんでイギリスにしたんだっけ?
まぁ良い。割とその場のノリだった気がする、うん。
そして、イギリスに着いたは良いんだけど、宿に行こうとしたら道に迷ってしまった。
そして、裏路地みたいなところに入ってしまい、運悪く殺人現場に遭遇してしまった。
そこから俺たちはとにかく走ってアイツから逃げた。
そして、どこかの森に逃げ込んだ
でも、彼女は俺を庇って死んでしまった。
その失意の中、フラフラと森の奥に入っていった。
その先に湖があった。
その湖の岸には剣が刺さっていた。
その剣を引き抜いて……それからは覚えてない。
そして、この世界に来て、今に至る。
さて、ここまでが俺の物語だ。
俺はそもそも君に侵食されて消える予定だった……本来より早く消えたけどな。
そろそろ、君の物語を始めようじゃないか、レティシア。
……私はどこかの家のベッドの上で覚醒する。
既視感がある展開だ。
私の手が誰かに握られてる感覚がする。
視線を横に移すと弥生とアリスさんが寝ながら私の手のひらを握っていた。
看病してくれたのだろう。
ありがとう。
そしてさようなら。
弥生が好きなのは彼であり、私ではない。
ならば私は去るべきだろう。
私は彼女たちの手をそっと話し、起き上がる。
そして、立ち上がり壁に立てかけてあった剣を手に取った。
そして、手に取った瞬間、エクスカリバーは消滅した。
そっか、使い手は彼の方だもんね。
今までありがとう。
多分、あの魔術は使えないのだろう。
あれは彼の死の具現化だから。
ドアを開けると綺麗な夕日が見える。
彼の記憶はあるが他人ごとにしか思えない。
それはそうだ。
何度も言うが私は彼ではない。
さてさて、どこに行くかな。
行き先も無いし。
はぁ、持ち物は何も無いな。
「レティシア、どこに行くの?」
後ろに弥生が立っていた。
「どこかに……私が気を失っている間の看病、ありがとう」
「どうして?」
「私は彼じゃ無いから」
「……なるほどね」
「じゃあ……さようなら」
「ねぇ、あなたって彼から産まれたのよね?」
「……性格とかは」
「じゃあ、あなたはアイツと私の娘みたいなものね」
「へっ?」
「良いんじゃない?私と一緒に居ても」
「……彼じゃないのに良いの?」
「えぇ」
「ホントに?」
「もちろん」
こうして私の物語が始まったのです。
完
ここまで読んでくださった読者の皆様、ありがとうございました。
かなーり短いですがオリジナルは初挑戦なのでお許しください(笑)
個人的には自分で決めた総合評価50超えの目標が達成できて満足です。
明日から新しい作品の投稿を始める予定なので良かったらそちらもどうぞ(宣伝)




