第一話
初心者ですがよろしくお願いします。
…気づくと俺は暗闇の中にいた。
ここは何処でなんでこんなところにいるんだろう。
ダメだ、そもそも今までの事がほとんど思い出せない。
かろうじて、自分が高校生で性別が男性だったことだけは覚えているが名前とかは思い出せない。
「ここは死後の世界だよ」
と言う声が突然聞こえた。
声の高さから少年だろうか ?
声の主は相変わらず真っ黒なので姿は見えない。
「という事は、、、俺は死んだのか」
俺は思わずそう呟いた。
何も覚えてないが虚しい感じが俺の心を満たした。
「そうだね。まぁ、死因は教えてあげたいところだけ
ど死人に生前のことを教えてはいけないってルールがあるから、教えられないんだ」
「ところであなたは誰なんですか?」
「僕は神だよ」
人間は死ぬと神に会えるのか、、、
「で、私はこれからどうなるのでしょうか?」
地獄行きとかはやめてよ?
そんな悪いことした覚えはないし。
「君には今から異世界に行ってもらうよ」
はぇぇ、なんか生前に見たラノベとかアニメとかで見覚えのある展開だなぁ。
ていうか、生前の記憶消されてる的なことを神様は言ってたけどあくまで俺が今までした行動とかは確かに記憶から抜かれてるけど、生前に得た知識は覚えてるんだね。
「ただ、異世界に行ってもらう代わりに何か好きなものを1つあげるよ」
おぉ、やっぱあれかな?
知らない土地でこれから生きなきゃいけないから……
「じゃあ最強の武器で」
物理的に強ければとりあえず生きていけるでしょ。
我ながら安直すぎる気はするが。
「最強の武器だね。はい、この聖剣エクスカリバーをあげるよ。君の行く世界では最強だよ」
「ありがとうございます」
ん……すごい見覚えしかない武器だなぁ。
まぁ、神が最強って言ってるから強いんでしょう。ありがたくもらっておこう。
これで異世界で無双して安泰な生活ができるな。
「じゃあ今からさっそく転移魔法でその異世界に飛ばすね」
おぉ、足元に光り輝く魔法陣が。これが魔法ってやつか。
「あ、そうだ。今の今のまで言い忘れてだけ…エクスカリバーには11の拘束があるんだけど、、、これ僕にすら解けなかったんだよね」
ん?嫌な予感が。
「もしかしてあれですか?拘束があると全力が出せない的な…」
「まさにその通りだね。今のままだとただの折れないだけの鉄の剣と変わらないねぇ」
「ちょっと待てぇぇぇ!他の武器に変えろぉぉ!」
何が最強だよクソ神がぁぁぁぁ!
「んー?もう転移しちゃうから無理☆」
「ちくしょょょょ!」
「まぁお詫び程度にちょっとしたプレゼントをあげるよ。君がずっと欲しかったものだよ」
そこで俺の意識は途切れた。
……気づくと俺はどこかの森に横たわっていた。俺の手には一振りの剣が握られていた。
「ここがあの神の言ってた異世界か、、、」
あの神ほんとクソだったななんて心の中で毒づいていると俺の体に起きているある異変に気がついた。
「あれ?なんでこんなに髪が長いんだろう?」
腰くらいまで長い艶のある髪が急に伸びている。
確か長くても耳にかかる程度だったのに。
さて、嫌な予感がさっそくする。まず、自分の顔を見たい。
んー、鏡は無いし。
そうだ、例の剣の刀身なら鏡の代わりになるのではと思い、俺は鞘から剣を抜き取る。
うん、鏡の代わりには充分。流石は聖剣エクスカリバー。さてさて、顔を見てみますか。
あれぇ?誰この美少女?オレしかいないよなハハハ。……男なら無ければならないものは…あるよな?
よし、服越しに触って確認しよう。
うん、なくなってるな。胸は、、、
何故か少し膨らんでるね。そして、何故か身長まで低くなってる。小学生かな?
なーるほど…………
なんでロリ化してんだよぉぉぉぉアホ神ぃぃぃ。
待てよ?
あの神、確かちょっとしたプレゼントって、、、ロリ化のことかーい。
でも、オレは別に女性になりたいなんて。
あぁ、そう言えば、顔面偏差値あげたいって思ってたような……いや、なんで?
イケメンにしてくれればいいじゃん。絶対アイツの趣味だろ。
こうして、オレのグダグタな異世界ライフは始まった。
さて、今のオレの状況を改めて確認してみよう。
何故か暗闇の世界にいたら突然自称神が出てきてお前異世界に行ってきてと言われて、かわりに特典を1つくれると言うから、最強の武器ちょうだいと言ったら拘束かかってて折れないだけのただの鉄剣(見た目だけは立派)を押し付けられ、有無も言わさず異世界に飛ばされ、挙げ句の果てにはロリ化させられた。
何これ?神ってなんでもやって良いの?ねぇ?
……もう愚痴ってもしょうがないのでまぁいい加減何かしましょうか。
とりあえず持ち物を確認。
サイズが今のオレにぴったりな中世ヨーロッパぐらいの時代の人が着てそうな服、その服のポッケに入ってる何枚かの硬貨。
この硬貨、見覚えがないな。
この異世界の硬貨なのかな?
まぁ後で町みたいなところに着いたら確かめよう。
で、この剣……と
ふむ、この世界の硬貨(?)があるのは嬉しいな。
食べ物代とか宿代とかに使えるかも知れないからな。
さっき自分の顔を確認するとき、例の剣を持ち上げるのが結構筋力的にきつかったんだけど……
もしかして筋力とかは生前のままなのかね?
ま、生前の記憶無いんだが。ただ、あまり筋力があった気はしない。
とりあえず素振りでもしますか。
まずは縦に振ってみましょー
……剣が手から滑り落ちて、吹っ飛んで、木に突き刺さったね。
ここ人気のない森でよかった。
じゃあ、次は横方向に…
……痛い。
ロリ化させられたせいで自分の身体の重心に慣れてなくて、こけた。
下手してたら剣が自分の身体に突き刺さって死んでたね。危ない危ない。
……今のままだと剣を振るのも危ないね。とりあえずこの世界がどんな世界なのか知りたいな。
町でも探してそこにいる人に聞いてみましょうか。
そう言えばこの森からどうやって抜けるんだろうか?
適当に歩いてみるか。
地図とか無いし。
とりあえず正面の方に……この先崖だね。
じゃあ後ろは……行けそう。
じゃあ後ろ方向に進んで行こう。
……意外とあっさり抜けられた。
道みたいなのがあるからこれを辿っていけば街に着くかも。
……今更だけど言語とかって大丈夫かな?
俺、日本語とかろうじての英語しか知らないよ?
てか、異世界の言語とか誰も知るわけないか。
ま、まぁ、聞けば分かるでしょ。
……我ながら完全に脳死。
ん?道端でなんかいかにも魔術師ですみたいな格好しているお姉さんがよくRPGとかで見るスライム的な敵に追いかけられてる……
てかなんで俺、ゲームとかラノベとかの知識が多いんだろ?
生前はオタクかなんかだったのだろうか?
ま、とりあえず良いや。
あのお姉さん助けたいんだけどね、自分の筋力では振れないような剣しか持ってないから助けようとすると俺が死ぬ気がするんだ。
だからまーここは、とりあえず誰かにここで困ってる人いるよーって言えば……周りに草しかないし誰も居らん……。
「そこの剣を持ってる方、助けてくれませんかー⁈」
……俺のことだな。
「はぁ、やるしかないか」
って言ってもどうしようか?
にしても言葉日本語で良かった…たまにはいい仕事するじゃんあの神