表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/21

転生

不定期で投稿します

カチャカチャカチャ。真っ暗な部屋にキーボードを叩く音が響く。


カーテンを閉め切り、パソコンに向かう姿はまさに引きこもり。


クラスに馴染めず、休みを繰り返すうちに、頭の中から外に出るという考えは消えていた。


不登校歴は明日でちょうど二年。祝ってもいいかもしれない。そして、相変わらず外に出るつもりはない。


新しい生活を始める気はないが、新しいゲームは大好きだ。


今はこの前セールで安くなっていた戦略ゲームをしているが、なかなか難しい。


「うっわ、同盟破って侵攻してきた!まじかー、今はきついってー。」


一回目はボコボコにされ、二回目もボコボコにされ、次こそは!と意気込んで始めた三回目も早くもピンチに追い込まれている。


「イージーのくせに敵強すぎでしょ。もっと手加減してよ。」


AIにキレつつコペットボトルに手を伸ばす。持ち上げた軽さで中身がないことに気づく。


そーいやさっき飲み干したんだった。新しい飲み物を取りに行こうとゲームを一時中断し、立ち上がる。


その瞬間、立ちくらみを起こし地面に倒れこむ。…パソコンのコードを引っ張りながら。


視界が暗くなる中、最後に見えたのは私に向かって落ちてくる27インチのモニターとどデカいスピーカー。


結果はご想像通りだろう。パソコンは私の頭に直撃、物音に気付いた家族が倒れている私を発見、すぐに病院に搬送されたが間に合わず死亡。原因は頭部の打撲。


こうして、私の引きこもり生活は幕を閉じたのであった。


…これで終われば良かったのだけど。


目がさめると、ラノベなんかでよく見た光景。小さくてプニプニした手、短い足、ふくよかなお腹。


いわゆる転生ってやつだろう。死んで転生、ど定番の展開だ。


ただ、定番じゃない部分が一つ、私の目の前に浮かんでいるコマンドバーだ。


非常に見覚えがある。当然だ。さっきまで見ていた戦略ゲームのものなのだから。


よくわからないが、私は、戦略ゲームのコマンドバーを持って転生したらしい。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ