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第六天魔王、異世界に降臨す  作者: ネツアッハ=ソフ
決戦、第六天魔王
33/34

決着

 初手は魔王マーラが放った。天を轟かす絶叫と共に、黒い(あらし)が巻き起こる。視界一杯を黒が埋め尽くし暴風が吹き荒れ、雷が轟き、桶をひっくり返したような豪雨が降りしきる。


 それは、まさしく惑星(ほし)すらも砕き魂魄(たましい)すらも消滅させうる極大の災厄だ。魔王マーラの放ったこの黒い大嵐は当然の如く、物質界の法則から外れている。異界の法則により生み出された大嵐だ。


 立っている事すらままならず、アルトラとアロウは片膝を着く。


 ・・・しかし。そんな中で、信長は悠然(ゆうぜん)と嗤う。この程度、脅威ですら無い。


 太刀を一閃する。それだけで、黒い大嵐は断ち切れて消失した。例え、異界法則であろうと魔王信長からすれば関係無い。そのような物、斬って捨てれば終わりだ。もはや、次元(じげん)が違う。


 そんな信長に、尚も魔王マーラは嗤う。いや、笑う。満足そうに。


「そうだ、それで良い。これで、これでようやく・・・・・・」


「満足して()く事が出来るか・・・?」


 その言葉に、マーラは(おだ)やかに口元を歪めた。それは、遠回しの肯定だ。


 対する信長は、興が冷めたように溜息を吐いた。或いは、本当に白けたのかもしれない。


「やはり、貴様は死にたかったのだな。いや、対等に戦える相手が()しかったか?」


「・・・そうだ。わしは生まれ付いて、対等に渡り合える物が一人として存在しなかった。例え創世神であろうとわしが本気を出せば、恐らくはわしが勝つだろう」


 生まれつき、突出した力を持つ魔王マーラ。全てを超越(ちょうえつ)していたが故、それ故彼は世界そのものに飽きていたのだろう。だからこそ、己と対等に渡り合える存在を欲した。


 そして、その為に魔王マーラは自身の化身(アバター)である信長に期待(きたい)したのだろう。


 ・・・何時か、信長が己の化身という枠を超えて対等の存在へ新生(しんせい)する事を。


 ・・・しかし。それを聞いた信長は心底面倒臭そうな顔をした。


「・・・・・・白けた。わしはもう(かえ)る」


「何だと?」


 魔王マーラは怪訝な顔をする。瞬間、信長は視線だけで魔王マーラの方を向き()げた。


「また、此処(ここ)に来る。その時は一緒に酒でも飲もうぞ」


 そう言って、信長はアルトラとアロウと共に帰った。その場に、魔王マーラが(のこ)された。

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