第六天へ
「・・・信長さま」
信長の背後からミアが声を掛けてきた。その姿を見て、光秀は目を見開いた。どうやらミアの正体が濃姫の転生者だと直感的に理解したらしい・・・驚きに硬直している。
信長はミアの方を僅かに見ると、光秀をその場に横たえて立ち上がった。
「帰蝶、光秀を頼む・・・」
「はい、信長様は?」
「・・・敵陣に乗り込む」
その言葉に、ミアは僅かにその目を見開いた。敵陣・・・それは即ち、第六天魔王波旬の居る場所に他ならないだろう。つまり、第六天他化自在天だ。
ミア王女は僅かにその瞳に不安を宿すと、直後その不安を振り払うように頭を左右に振った。
そして、強い眼差しで信長を見据えると、信長に伝えるべき事を伝えた。
「・・・はい、信長さまもどうかご無事で」
「うむ」
そう言って、信長はその場を去った。
・・・・・・・・・
王都からしばらく歩いた所にその二名は居た。片方は創世神アルトラ、もう片方は魔王アロウだ。
二名とは既に交渉をしており、共に第六天に乗り込む事になっている。既に、二名とも準備は万端なのか戦装束を身に纏っている。その姿を見て、信長も笑みを浮かべた。
「・・・うむ、では往くとするか!!」
「はいっ!!」
「うむっ!!」
・・・アルトラが神杖を空に掲げる。瞬間、天が落ちてきたような強大なプレッシャーが信長達三人に重く圧し掛かり、威圧してきた。それは、まさしく第六天に座す波旬の威圧だ。
第六天に通じる門を開けた瞬間、波旬が威圧を仕掛けてきたのだ。それは、まさしく天が落ちてきたような強大なプレッシャーだ。その強烈な威圧に、空間が大きく歪み重力異常を起こす。
その強大な威圧感に、信長とアロウは冷や汗を流す。しかし、アルトラはそれを涼し気にいなす。
「しっかりして下さいっ!この程度、波旬にとっては遊びも同然ですよ?」
「・・・ほう、これが只の遊びだと?」
「そうです。ですからこの程度の威圧に耐えられねば、到底波旬には勝てません」
この程度は、波旬にとっては遊びも同然・・・
その言葉に、アロウは戦慄して信長は笑みを浮かべた。そう、この程度、波旬にとって遊びだ。それ故にこの程度の遊びに付き合えなければ、波旬には到底太刀打ち出来ない。そう波旬は告げている。
・・・つまりはそういう事だ。波旬は、信長達を試しているのだ。
それ故、信長は嗤う。だからこそ、信長にとっては倒すべき価値があるのだと。
「良い、なればこそ意味があるというものぞ!!!」
そうして、次の瞬間信長達はこの世界から消失した・・・




