表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
第六天魔王、異世界に降臨す  作者: ネツアッハ=ソフ
異界のダンジョン
20/34

創世神、アルトラ

 直後———波旬は言い知れぬ悪寒を感じ、背後に跳躍(ちょうやく)した。


 「ぬっ」


 波旬を眩いばかりの極光(きょっこう)が襲う。無限光・・・その極光に、波旬は歓喜の声を上げる。灼熱の極光が周辺一帯を焼き尽くす。その余りの熱量に、大地がドロドロのマグマに変わる。


 「貴様かっ、創世神(そうせいしん)アルトラっ!!!」


 「少しおいたが過ぎましたね、波旬(はじゅん)。貴方はやり過ぎた」


 空間から溶け込むように、それは降臨する。創世神アルトラ、光輝を纏った女神が顕現(けんげん)した。


 人類総てが醜い豚に思えるほど美しい顔立ちは、現在怒りに(ゆが)んでいる。それ程、この事態は女神には誤算でしか無かった。つまり、イレギュラーだ。想定外の事態だ。


 故に、女神当人が降臨(こうりん)した。美しい顔を怒りに歪めて。


 波旬はしかし、少しも悪びれない様子で嗤う。その顔は、ほんの(わず)かも動じてはいない。


 むしろ、少しだけわくわくしている。


 「そう言うな、創世神。貴様が我が化身(アバター)をこの世界に送り込んだおかげで、わしも愉しめたのだ」


 「私は、その為に織田信長をこの世界に送った訳ではありません。勘違(かんちが)いしないで下さい」


 「はははっ、そうであろうな!!!」


 波旬は心底(たの)しそうに嗤う。しかし、アルトラは不快そうに顔を歪める。嗤う波旬と、それを睨む女神という対極の二柱。この二柱が存在しているだけで、空間が圧力に悲鳴を上げる。


 空間が、(きし)む音と共に歪んでゆく。その歪みにより、周囲一帯に特殊な重力場が発生する。


 アルトラがその手に、錫杖のような(つえ)を召喚し構える。しかし・・・


 波旬はその手でそれを制した。口元に、余裕の笑みを浮かべて。


 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 「ははっ、そう急くな。今回はわしも愉しんだ。故、今は大人しく退()くとしよう」


 「逃げるのですか?」


 「今は退く、と言ったのだ。何れ、機会があれば我が化身と共に我が領域(りょういき)に来るが良い」


 ———その時こそ、存分にもてなそうぞ。存分にな。


 そう言って、波旬は信長にその身体の主導権(しゅどうけん)を返した。その場に崩れ落ちる信長。


 信長の身体に一切の傷は無い。そう、信長の身体に一切の傷は無いのだ。異様な程に。


 ・・・信長が元に戻った事を知ったアルトラは、ふぅっと深い溜息を()いた。


 「・・・・・・さて、この状況をどうしましょうか?」


 アルトラは周囲を見回す。其処にはもはや荒れ果て、崩れ去った大地があった。その光景に、アルトラは思わず深く深く溜息を吐くのだった。もう、収拾がつく気がしなかった。


 ・・・本当に、どうしようか?アルトラは気分が(おも)かった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ