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迷宮脱出
「・・・・・・えっと?」
ヨーランは混乱していた。信長と賭けをし、既に一時間近くは経過している。本来なら信長は迷宮を駆けずり回っている筈だ。
なのに。・・・それなのにだ。
「・・・はぁーっ、茶が美味い」
信長は呑気に茶を飲んでいた。しかも、傍には何故か一体の魔物が茶菓子を用意している。
焦った様子は微塵も無い。
「・・・・・・・・・・・・いや、何でだよ」
思わず突っ込んでしまったのも仕方あるまい。
・・・いや、本当に。仕方あるまい?
肝心の信長は「ん?何か?」とでも言うかのごとき至極呑気な様子だ。此処まで来たら、もはや大物である。
「いや、何呑気にしてんだよ!?迷宮を攻略しなくても良いのかよ?」
「まあ、そう急くな。迷宮ならもう既に攻略しておるわ・・・」
「・・・は?」
何を言ってんだ?こいつ?とでも言うかのごとき視線を信長に向けるヨーラン。そんなヨーランに対し、信長は掌をパンッと打ち鳴らした。
直後、迷宮の各所から影の群れが這い寄る。
その光景に、ヨーランはびっくらこいた。
「さて、情報は集まった。迷宮の攻略を開始しようか」
信長は不敵に笑い、片腕を横一閃に薙いだ。
瞬間、空間が砕けて次元の境界が破壊された。
信長は更に不敵に笑うと、ヨーランを見た。
「これで賭けはわしの勝ちだな」




