魔王対談
気付くと、信長は知らない部屋の中に居た。部屋は薄暗く、中央に丸いテーブルと二つの椅子、そして片方の椅子に一人の青年が座っていた。
只の人では無い。側頭部に二本の角が生えている。そして、髪と瞳の色が群青色。恐らくは魔族。
しかし、只の魔族では決してない。その身から溢れる覇気はまさしく魔王のそれ。
この青年が、魔王アロウに他ならない。
「ふむ、貴様が魔王アロウだな?」
「その通りだ、異世界の魔王よ・・・」
魔王アロウは不敵な笑みを浮かべ、答えた。
「座るが良い、魔王ノブナガよ・・・。余は貴様を歓迎しよう」
「歓迎?」
信長の片眉がピクリと動く。その表情には、明確な落胆があった。
「魔王ノブナガよ、我が傘下に下れ。さすれば好待遇で取り立てようぞ」
・・・瞬間、アロウの目前の机と椅子が吹っ飛んだ。見ると、信長が指を差している。
信長が何かしたのは間違いない。
「あまり失望させるな、魔王アロウよ。此処に来てそれは無いだろうよ?」
「ほう・・・」
魔王同士の覇気がぶつかり合う。その衝突に、空間が軋みをあげて歪む。
空間にスパークが走る。その力の渦に、並の魔物では耐えられないだろう。
「・・・・・・・・・・・・」
信長が鉄砲を取り出し、アロウに向ける。しかし・・・
「残念ながら、そんな玩具で余が殺せる物か・・・。出直すが良い」
アロウが腕を振るった瞬間、空間が容易く砕けた。次元の境界線が砕ける。
「ぬっ!!!」
信長は空間の崩壊に巻き込まれ、そのまま何処かへ飛ばされていった。
短い・・・




