表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アヌビスの翼  作者: ふんわり塩風味
水越歩の場合
2/16

『水越歩』

「案内人……?」


 この人なに言ってんだろう? 案内人……。私をどこに連れていこうとしているんだろう? そんな思いから私は訊いていた。


「はい。私は貴女を行くべき世界へ導く、ただの案内人です」


 女の人は静かに語ると私を見たまま微笑んでいるだけだった。


「私を何処に案内人してくれるの?」


 この疑問は当然だと思うの。だって、行き先も分からないのに連れていかれるなんて怖いし……。


「それを決めるには貴女の事を教えてもらわないといけませんね……」


「私のことぉ……?」


 なんか良くわからない。目的地は決まってないのかなぁ? それなら何処に案内してくれるつもりなんだろう? 私のことぉ? 私の好きな場所に連れてってくれるのかな? それならあの有名なネズミがマスコットキャラを勤める遊園地か、美味しいケーキ屋さんがいいなぁ……。


「はい。貴女がどうしてここにいるのか……。まずはそれをお伺いさせてください」


 どうしてここにいるのかって……。そんなのは私が聞きたい。だって……。 


「えっと……。起きたら、なんか白い世界にいたの……」


 私はこれしか言えなかった。だってこれしかないもん。私もなんでこんなところにいるのか、分からないんだから……。


「もう少し前の事を教えて頂けますか?

 本日、貴女の身に起きたことを……」


 案内人さんの静かな声が、頭の中に染み込んで来て、私は今日あった事を思い出していた。


 そう、今日は……。 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ