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24話:ブルーサントス

「ま、町じゃ! この退屈な日々も終わりじゃ。さぁ馬共、妾の為に走るのじゃ」


 シャルロットは町が見えて来た事に興奮し、自然と手綱を握る手が強くしまる。ウィズ達の目の前には大きな門と町を囲うように建てられた城壁、そしてその後ろの見えるどこまでも広がる海が見える。空には白い鳥が何匹も飛んでおり磯の香りが辺り一面に漂っている。町に近づくにつれて人の声が大きくなっている。


「ジョーイ! 町についたら何するんだ?」

「そうだね……とりあえず宿を探すかな。あとお金を両替しないとね」

「宿? 船にすぐ乗って行っちまえばいいじゃねえか」

「船は毎日出てる訳じゃないんだよ。村長の話では週に1本出ているくらいだってさ。だからしばらく町に滞在する事にはなると思うよ」

「そうか。じゃあ少し町でゆっくりするか。俺も長旅で疲れたしな」

「両替はどうする? 一緒に行くかい?」

「ジョーイに渡すから任せていいか? 俺はよくわかんねえから」

「全く、君は不用心だな。僕がお金を盗んだらどうするつもりなんだい」

「お前とは長い付き合いだからな。信用してるぜ」

「今回は両替しておいて上げるけどね。信用の出来る人でもこんなに大金を預けるのは良くないよ。今度からは自分でやってね」

「わかった、わかった」

「本当に分かってるのかい?」

「あーもう、いいじゃねえか。ほらもうすぐ門に着くぞ」


 そして馬車は門へと辿り付く。門の前には屈強な男達が槍を持って町に入る人間を一人ずつチェックしている。ウィズ達の馬車はその列へと並ぶ。


「次!」


 ウィズ達が調べられる番だ。まずは荷台に大量に山積みにされた肉へと視線が向く。


「これはお前達が狩りとったのか?」

「あぁ道中、暇だったからな。欲しかったらやるぜ」


 門番の言葉にウィズが軽口を吐く。その言葉に門番はムッとする事も無く笑い飛ばす。


「ハハハ! 言うな小僧。だがな、それはワイロと言う奴になってしまうから俺は受け取れんし、他の奴にも言うなよ」

「きっちりしてるぜ」


 その後、門番の男はウィズ達が持つ大量の金を見つけたが、簡単にこれほどの肉を確保できる実力者だ。それぐらいの金銭を確保していてもおかしくないと判断し門を通してくれた。


「気の良いおっさんだったな」

「そうだね。こんな大金を子供が持ってたら怪しまれると思ってたけどそんな事は無かったね」


 そしてそのまま、シャルロットが馬を走らせて門を通り抜けると、そこには白い建物で統一された街並みがあった。街中は磯の香りが漂い、海産物や船から持ち込まれた物などが売り買いされる声が響き渡る。それらの声を聴きながらも馬車は進み続ける。


「所で馬車はどこに進めれば良いのじゃ? とりあえず真っすぐ進めておるのじゃが」

「そのまま真っすぐでいいよ。まずは村長が懇意にしている商会に行くよ。そこでお金の換金とウィズが取ってきたマンドレイクを売ろうと思ってるよ」

「いつの間に村長からそんな場所聞いてたんだ」

「僕はちゃんと準備してたからね。ウィズはいつも行き当たりばったりすぎるんだよ」

「そうか?」

「そうだよ。シャルロットさんを連れて来た時も何も調べずに突っ走ってさ」

「あーもーわかった、わかった。それで俺達の目的はどの辺なんだ?」

「もうそろそろ見えてくると思うよ。あっあそこだよ。確か趣味の悪い店って村長さんが言ってたから……」


 ジョーイが指を刺す先には場違いな金色の建物が建っていた。周りが白い建物ばかりであるという事が更に違和感を強くしている。キラキラと輝く店内を除くと、金色の服を着た店員達が笑顔で客を出迎えている。そしてウィズは思う、こんなに趣味の悪い店に誰が行くんだ?と。数秒後、俺達か……と思って肩を落とすのであった。

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