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人間やめて石になりました  作者: 金華水銀
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プロローグ

初投稿になります。見切り発車で設定甘々です。


 ガンガン、ギーン  ジジッ、ガンガン

 隣の工事現場から耳障りな音がしている。それ以上に不愉快な声がさっきまで彼女だと思っていた女、木村明美から出ていた。


「あたしがあんたのことを愛してるって本気で思ってたの~?w あんたなんかただのATMとしか思ってないわよっ」


 俺、石狩徹也は普通のサラリーマンだったが、目の前の女のわがままで身の丈に合わない高層マンションに一緒に住んでいた。そのマンションを維持するためにさっきまで身を粉にしながら働いていた。

 今日はたまたま、取引先が自宅近くだったので寄ろうとしたら、ダンディなオジサンと腕組んで歩いていた彼女と出くわしたという状態だ。

 さっきまで、頭にきて明美を問い詰めていたが、開き直って昼ドラのようなテンプレ台詞を言われて一気に冷めてしまった。


(ほんとに昼ドラみたいなセリフ言うやつがいるのかよ…、しかも自分がその当事者になるなんてありえん)

(おっさんも何か言えばいいのにオロオロしてるだけで、こっちが気の毒になってくるな…)


 明美はまだ何か喚いている。俺はふぅぅ~~とため息を吐きながら上を見ると、クレーンが鉄骨を運んでるのが見えた。

 ギギギッ、ギシッ  バキンッ、ガラララッ


 すると、突然鉄骨を支えていたワイヤーが切れて明美とおっさんの上に落ちてきた。


「明美っ、あぶねぇっっ!」


 自分でも驚いたが、咄嗟に明美を突き飛ばしていた。

 そして、俺は鉄骨に潰された。


「「そんな…なんで」」


 俺は意識を失う直前、明美の他に少女の声が聞こえた気がした。






 _________________________




(…や、石狩徹也、起きてください)

(うん…? 俺は生きてるのか? 確実に死んだと思ったな)

(いえ、あなたはしっかりと死にましたよ?)

(なんだ、やっぱり死んでるのかよ… くっそぅ、思い返せば俺の人生、女に振り回された人生だった気がする)

(というか、さっきの声は誰だ? それに真っ暗で何も見えんっ)

(…やっと、気づきましたか)

(っうお!?)


 あきれた雰囲気を全く隠す気のない声が聞こえたとき、目の前に淡い光を纏った男がスッと現れた。

 俺は(特に後頭部が)光ってる男がいきなり現れたことに驚いていたが、光り男はそれに構わず現状の説明を始めた。


(すると、俺はあんたたちの仕事に巻き込まれて死んだと?)

(そうなりますね、本来ならあの事故で死ぬのは木村明美で、あなたと田中玲人(ダンディなおっさん)はより良い人生を歩む予定でした)


 説明によると、光り男は人の天命を管理している主神で、その部下たちは偶然を装った干渉を行っていたそうだ。


(神様の仕事にしては杜撰すぎじゃないか?)

(はい、今回の干渉を行った天使は新人研修を終えたばかりの新人で未来予測を怠っていたようですね)


 天使の新人って…なんかとてつもない違和感を感じるな。


(それで、神様は態々俺に教えに来たのか? 自分で言っては何だが、部下の天使で充分だろ?)

(勿論、今までこちらの手違いで死なせてしまった人はいたのでその時は天使が説明していましたよ)


 おいおい…、ってことは何人も俺みたいに死んだやつがゴロゴロいるんじゃないだろな。


(そんな、ゴロゴロ居る訳ないでしょう)

(えっ…なんで俺の考えたことが?)

(そんなの、魂の状態なんですから思ったことがそのまま聞こえるにきまってるでしょう?)

(うわ~…、そういえば自分の体の感覚がないし、今まで考えていたこと全聞かれてたのか)

(そろそろ、説明を続けても?)

(あ、はい)

(それでですね、今まで死なせてしまった人は元の世界で生まれ変わるか、異世界に転生するかを選んでもらっていました)

(ちょっと前までは裕福な家庭の子供に生まれ変わる人が多かったのですが、最近ではチートスキルをもらって異世界に転生する人が多いですね)

(やっぱり、ゴロゴロ居そうだな…)

(………なにか?)


 光り男の目が剣呑に光り、俺は皮膚とかないはずなのに鳥肌が立つような威圧感を感じた。


(イ、イイエ、ナンデモナイデス)

(本来ならあなたも、生まれ変わるか、転生するか選んでもらうのですが今回に限って言えばどちらもお勧めできません)

(なぜなら、天使の干渉の余波をまともに受けたあなたの魂は消滅する寸前なのです)

(このまま、生まれ変わっても流産したり、転生しても数日で衰弱死して終わりでしょう)

(え? 俺自身何にも感じないですけど?)

(それは私が作り上げたこの空間にいるからですよ、この空間から出ればすぐ消滅が始まりますよ)

(元の世界では人以外に生まれ変われないので、異世界で人以外のものに転生するしかないです)

(人以外というと、モンスターですか?)

(そうなりますね、異世界のモンスターは必ず体のどこかに魔石を持っていてその魔力で生命を維持や魔法を使用しています、ただあなたの場合ですと…)

(モンスターかぁ、ドラゴンくらいにはになりたいなっ)

(スライムぐらいですね)

(………え?)


 ス、スライムだって?あの国民的ゲームのキングオブ雑魚?配管工に踏まれるアイツと同列の雑魚?

 まずい、このままではモンスターカーストの最底辺になってしまう。どうする?考えろ、俺っ!


(じゃあ、転生させますよ?)

(ま、待ってください! どうしてスライムなんですか?)

(さっきから言ってるでしょう? あなたの魂は消滅寸前だと、魔石と粘液しかないスライム位じゃないとあなたの魂が耐えられないのですよ)

(じ、じゃあ、チートスキルは?チートなスライムはどうです?チースラ!)

(異世界では種族に合ったスキルしか使えないので、無理ですよ? それにあなたのスキルは【魔力操作】と【魔命転換】に決まってます、これらのスキルがないと傷ついた魂を修復できずに死んでしまいますので)


 やばい…、もうスライムになるしか道がない気がする。しかも、何気にスキルも勝手に決められてる。俺、ヌルヌル粘々するもの嫌いなんだよ…、納豆やオクラも食えないし。

 ヌルヌルさえなければ………、うん?そうだっ!


(神様っ、俺、石に転生したいです!)





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