〜失恋〜
わかりにくいような所だけ、読み仮名打っています。
今日会えるかな……。昼休み、いつも周りを見渡す。周りの人が気づかないように、友達の、柊 絵恋と喋りながら、あの人を捜す。
私の名前は、佐原 璃織。名門の 花山桜中学校の、中学2年生。去年のバレンタイン、勇気を出して、幼なじみの 秋宮 白樹に渡した。すると、ホワイトデーに呼び出され、チョコを渡された。このパターンが、計3回。小5年〜中1まで。今年も渡そうと思うが、進展が無いし、今年も貰えるなと思われても、面白くも何ともない。それからは目が合うたび、顔の少し上で、ほんの少し揺らして、手を振ってくれる。私も、手を振る…。そんな他愛もない事が、私の一日のときめき……。でも、クラスが違う分、全然喋れないんだけど。今日も、少し探してみた。すると、いた!!友達何人かと、笑いながら遊んでいた。 チラッとさわやかでかっこいい横顔が、パッと、私の目に入り込んでくる。ああ…やっぱり、この「恋」は簡単には終わらないし、変わらないと思う……。実際、7年も好きだし。絵恋の影に少し隠れて、もう一度チラッと見ると、こっちを見ていた。!! サッと目を逸らす。あ…やばい。見ていてくれてたのに。愛想悪いと思われたかも…。もう一度…チラッと見る。目が合った。タイミングを掴み、手を振る。振かえしてきた…! やばい…。私、ドキドキが止まらない。バレンタイン渡したけど、告白して…束縛して…… ん?束縛はやりすぎかなぁ…?なんか束縛って…わがままな自分の欲望だし。でも……。誰かにとられるのは嫌…。私、7年間も好きだし……。束縛ねぇ……。
「なーにぃ?璃織。また、し・ろ・き・く・ん・の妄想してんのぉ…?きもー(笑)」勘が鋭いな絵恋。「きもいって(笑)妄想はしてないけど。束縛って思っても良いのかなって……思ってただけー!」階段を上りながら、調子良く話していく。ていうかきもいって…… こういうとこあるんだよね、絵恋って。もう慣れたけどね…。
「束縛…?束縛かぁ……。別に思っててもいーんじゃない?好きな人に対する気持ちだし。そんなに難しくないと思うけどな、束縛。」絵恋の、少しいじらしいけど可愛い声が響く…。それと同時に、教室に着く。もうすぐ掃除のチャイムが鳴りそうだから、さっさと上がって来たのだ。自分の机に絵恋がごろんと、腕を伸ばす。「誰かにとられたくないって、普通に思う事じゃない?だから良いと思うな。絵恋てきにはだけど」……!!…♥もう絵恋マジ可愛いし。こーいうところがいいところなんだから、もっと表現したらいいのに。モテ顔で可愛いくて、運動神経いいのに、きついこと言うからモテないんだから。男子に優しくしていたら、絶対モテるのに…。絵恋は、オシャレには興味があるみたいだけど、いかにも女の子っていう服が嫌いみたいで、スカートなんか制服以外持ってないし、ワンピースは1着〜2着持ってるらしいけど、着てるとこなんか見たことがない。
「そっか…束縛…。っていうか話し変わるけど、絵恋って男子に優しくしたら、絶対モテんのに。キャラじゃないかもしれないけど、もったいないじゃない、モテ顔なのに。うらやましいもん」「はー!?優しくとかきもいでしょ。うらやましいって?本当にそんなこと思ってるのぉ〜?うそでしょ。璃織だってモテモテじゃん(笑)」……黙ってりゃ可愛いのに。もっと、大人しくしてたらいいのにな。思ったけど言わなかった。怒らせたら怖いし。「モテてるって…。からかってるんでしょ」自分で言うと変だから否定するでしょ
。「えー!? 一日に何回も告白されるし、恋文も何枚も、靴箱に入ってるし、スタイル抜群だし、可愛いし美人だし、頭良いんじゃない。私の方こそ羨ましいわ」「えー…?そんなこと………ん?どうしたの?優愛そんなに慌てて…」友達の、瀬野 優愛が走って教室まで来たのだ。
「あ…璃織!あの!あのね、秋宮…!秋宮 白樹が!山島 海夏と、付き合うって…!」え……!?本当…に……?だって…!だって!!ずっと!照れくさい顔して、私のこと…見てくれてたのに!!「え…!?は……マジで!?優愛?じゃあ、璃織は失恋…」失恋……白樹君に失恋…うそ… 「!!こら!絵恋やめなさい!それ以上言ったら…璃織が…」「あはは…大丈夫だよ…。そう言うの仕様が無いし。ありがとう…優愛……教えてくれて…。私、掃除場所の屋上行かなきゃ…」よろっと立ち移動していった。「璃織…」
どうしよう…?私、失恋しちゃったんだよね。これから…白樹君に、どういう顔していけばいいの?わからない。やっぱり、わがまますぎたんだ。束縛だとか、遠すぎる。
もう‥最悪 失恋だなんて 自信つけといて‥かっこ悪‥‥‥