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先生の話を聞いてみた。

女の子にまでなったのにぃ!


の感想欄でお馴染みの面子が、こちらでも感想を書いてくれていた。


あえて言おう、お前ら大好きだと。


やはり、変態の絆は強い。


強いのだ!

「んにゃ?」


ん………? ここ……どこだ?


僕は目をこすりながらあたりを見渡す。


白い部屋と、白いベッド…… なんだか病院っぽいとこだな?


「ふにゃうぅッ!!」


んにゃ!? い、いたひ!!


僕は頭に走るズキズキとした痛みに、頭を抑えてうずくまる。


「ふにゃ~…!! あ、た、ま、いたぃ!!」


こ、これはあれだな…… 二日酔いだ…… うん、知ってる、初めてじゃないもの。


うぅぅ… でも昨日は特に飲みすぎちゃったみたい…


頭が割れるほどいたいよぉ……!!


「ううぅぅ!! もう飲まないから簡便してくださいぃ… うにゃぁぁ……!!」


なああ……


やばい…


なんか僕やばいぃ……


なんか口からニャーニャー、変な声出てるし…… 頭おかしくなってるとしかおもえないよぅ。


実際なんか、頭の耳がむずむずするし…… 













「…………にゃ?」


え?


あたま?


みみ?











「にゃッ!?」


うぇ!!??


な、なんで僕の頭に耳があるの!?


え!? ええ!!


元の耳は!?


「にゃう!?」


ない!!


顔の横に耳がない!!


ぬぁ!?


ちゃんとあたまの上の耳から音が聞こえる!!


これ…… 耳だ!!


しかも獣みみだよ!?


「こ、これな……ぃっつ!!」


あ…… ぁたまいたぃぃ……!!


「な… なんだよぉ… これぇ…」


なにこれ… わけわかんない!


僕は混乱しながら、ベッドに顔を埋める。


「…………………………え?」


そのとき、僕はベッドに顔を埋めたせいで突き出た自分のお尻ののあたりに…… 違和感を感じる。


「にゃ………」


恐る恐る、僕はその違和感を感じるあたりに顔を向けてみる。


「うそぉ……」


そこには……


「しっぽ…」


ふりふりとゆっくり揺れる、しなやかで長い尻尾が…… 僕のお尻にくっついていたのであった。


「ぅ……………ぁ」


わけ…… わからない。


「ぅ……」


なんか… こわい…


こわい、こわい!


「にゃぅ……」


なに?


これ…… ぅ… やだ!!


「ぅ」


これ…… じぶんが… おさぇ ら れ なぃ…!!


「うぁぁぁぁぁあああああああん!! にゃぁぁぁぁぁああああああああああ!!」







僕は馬鹿みたいに大泣きをした。







――――


「うにゃあああああああああああ!!」


「お、おい!! シノ!! どうした!?」


僕が馬鹿みたいに泣きながら、ベットの上で震えていると、突然部屋の扉が開いて、恵太が飛び出してきた。


「けいたぁ!!」


「な!? シノ!?」


僕は恵太の姿を見ると、なりふり構わず恵太の胸へ飛び込んだ。


抱きついて、顔を胸に埋めて、ぶるぶる震えながら、ギューっと抱きついてしまった。


もう…… 怖くて怖くて、恵太に抱きつく以外のことが考えつけなかった。


恵太以外の…… すべてが怖かったのだ。


「うぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!」


「お… おちつけよ…… シノ」


恵太は、そんな僕を抱きしめたまま優しく背中をさすってくれたのだった。


――――


「猫の手の邪法具……?」


僕は恵太の背中に隠れながらユキさんの話を聞く。


………僕は、なんかおかしい。


だって、さっきから恵太にくっついていないと怖くて仕方がないのだ。


にゃう…… 怖ぃ。


「そ、今から600百年前に一度だけ使用が確認されたことがある、伝説級のアイテム」


ユキさんはそう言って、恵太と話を続ける。


あ、ちなみにユキさんは僕たちと仲がいい魔法医師で、クールな印象の美人さんだ。


どうやら、恵太は僕のこの獣みみと尻尾について相談をするために、ユキさんの家に僕を預けたらしいのだ。


「それで… その猫の手の邪法具ってのはなんなんですか?」


恵太がまじめな顔をしてユキさんに話を聞く。


「君は猫の手をひねる様に…… と言う言葉を知っているか?」


ユキさんはそう小さく呟いて、恵太と僕に話を始めるのだった。


「もっともたやすい事柄を指す時に使うことわざですよね? ……それが何か?」


えっと… この異世界のことわざの、「猫の手を捻る」と言うのは、僕達の世界における「赤子の手を捻る」と同じ意味なのだ。


その代わりなのか何なのかこの世界には「赤子の手も借りたい」なんてことわざがあるんだけど…… まぁ、それはどうでもいい。


「そのことわざの由来の話なんだが…… この言葉における猫とは実は白色の金虎族の事を指すんだよ」


「金虎族って…… あの金色の猫獣人の種族のことですか?」


「そう…… 力が強く、魔力も高く、屈強の肉体を持つ種族である金虎族…… その中で稀に生まれる遺伝子変異種がここで言うところの猫に当たる」


「遺伝子的変異種?」


「そう、虎のホワイトタイガーや、人間のアルビノみたいなもんだね…… 遺伝子が特殊な変化をした変種のことさ」


「それが……?」


「でね… 金虎族の変種はかなり変わっててね… まるで、他の金虎種と帳尻を合わせるかの様に弱いんだよ」


「…………弱いっていうと?」


「まず、体は獣人だってのに人間の町娘以下の強度と力しかない、加えて魔力を持たないから魔法も使えない、五感だって普通の人間並みにしか働かない…… つまり貧弱ってことさ」


「そう…… なんですか」


「そして… その猫の中でもメスの白猫にはとっても厄介なバッドステータスがたまに発動する」


「バッドステータス?」


「ああ… そのバッドステータスとは”恐慌”…… ”怯”の上位に当るレアなバッドステータスで、症状としてはパニック状態による意識錯乱と、過剰ストレスによる行動不能…… つまり泣き喚いて動けなくなるってことさ」


「つまり…… 簡単に殺せる…… だから猫の手を捻るってわけなんですね?」


「そうだ…… そして、ここまで言えば分かるな? つまり猫の手の邪法具は……」


「対象を最弱の存在…… つまりは金虎族の変異種である白猫の…雌に変えてしまうアイテムって事なのですね?」


「ああ、そうだ…… しかも記録によれば、本物の白猫達より恐慌状態に陥り易い使用となっているらしいぞ?」


「まじ…… ですか」






「………え?」


何…… 言ってんだろう二人して?


今は、僕がどうなったかって話をしていたんじゃなかったの?


白猫の雌って…… 僕男……… 


……………ぇ?



偶然、僕の真横に鏡があった。


僕は鏡に映った謎の物体を見つめる。


その物体は……


身長150センチくらいの小柄な少女で。


白いセミロングの上にはピピっと小さく動く猫みみがついてて。


ふっくらした小ぶりのお尻からはすらりとした尻尾が伸びていて。


おっぱいはあんまりないけど、しっかりと女の子の体つきをしていて。


赤いくりくりとした瞳がこっちを見ていて。


僕とそっくりの顔立ちをした娘が……


恵太の背中にぴっとりと寄り添っていたのだった。


「にゃ……」


僕は自分のほっぺをつねってみる。


すると、鏡の中の女の子も完全に僕と同じように、自分のほっぺをつねっていた。


「え……?」


え……と。


なんだ?


えっと、つまり…… 鏡の前に立ってるのは僕で、僕は恵太に寄り添ってて、鏡に映ってるのは白猫獣人の女の子で、その娘も恵太によりそってて……


僕が頬をつねったら、全く同じタイミングでその娘もほっぺをつねった。


だから…… つまり…… えっと。


つまりは……

















あ…
















この女の子……


僕だ。

先に言っておくが、俺はこの話でもエロを書くつもりだ!!


さあ変態どもよ、俺について来い! 夜明けはあっちだ!


(あ、変態でない方も笑ってスルーしながら是非最後までお付き合いくださいませ)

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