後悔と確信
第六話です。
宜しくお願いします。
俺はこの時確信した――。
夏実は
本当に俺を愛してくれているのだと。
そして後悔した――。
“本当は俺のこと好きじゃないのか?”
などと
自信暗記に陥り、
彼女の想いを
少しでも疑ったことに。
俺は湧いてくる
自分への憎悪をグッと堪え、
ベッドの端にちょこんと座る
彼女を引き寄せて、
愛しさに力を任せながら
ギュッと体を抱き締めた。
すると彼女は
「あはは……ごめんね~。
ずっと黙ってて……。
優しくしてねっ。」
と、いつもの笑顔に
若干震える声で
明るくそう言う。
そしてこう続ける。
夏「前に……あれ、ごめんね……。」
和「あれ……?」
夏「ほらぁ~。
前に一回誘い断ったでしょぉ……。
和也、気にしてたみたいだから。
ごめんね。」
―――俺の独り善がりなトラウマは
その優しい一言で一気に晴れた。
その時、俺の中で何かが弾ける。
抑えた自分への憎悪が
たえきれなくなり、
「お、俺だってごめん……!!
男らしくなくてごめん!!
本当は俺も……その……
初めてなんだ……!!
俺こそごめん!!ほんとごめん!!」
我を忘れ――
少し涙を浮かべて――
……
彼女の前でそう叫んだ。




