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正夢  作者: 路傍の紳士
3/14

<事故>第三部

三校時がきた。砂沙はニヤニヤと私を見ている。

だが授業を半分ほど過ぎたとき、信じられないことが起きた。


「ポロロン……ポロロン」

ピアノがひとりでに鳴り出したのだ。

教室中が騒がしくなり、先生が注意した。

それでもなかなか静まらないので、次の瞬間、先生がピアノに向かってチョークを勢い良く投げつけた。

チョークは音を立てて砕け散り、ピアノの音は止まった。


「何だ? 今の……」

クラス中がまだざわめいている。


「静かに! 故障だ故障! 授業に戻るぞ!」

先生が大声で言った。


私は砂沙を見た。さっきまでニヤけていた顔が、驚きと恐怖で無表情になっていた。口だけが、かすかに開いていた。


「ジュース一本!」

授業が終わって、私が砂沙に言った。


「ねえ? どういうしかけ?」

「しかけなんかないって。私もびっくりしてるんだから」

「……事故?」

「というか偶然というか……」

「正夢というか?」


「……正夢…そうかもしれない。全部夢の通りだもん」

「…………」

二人は黙りこくった。


やがて砂沙が口を開いた。

「まあそうなんども続かないよ」

「うんそうだね、続いちゃったら私の家がジュースの缶で溢れかえっちゃうもんね」


私はいたずらに言った。


「帰り道が楽しみだなー」

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