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正夢  作者: 路傍の紳士
2/14

<事故>第二部

「夏乃! 大丈夫? 事故に遭ったって聞いて心配したんだよ」

次の日の朝、親友の砂沙が挨拶代わりに言った。


「大丈夫、大丈夫! ちょっと頭ぶつけただけだから」

私は目で「ありがとう」の気持ちを表しながら言った。


私と砂沙は親友だ。何でも話を聞いてくれるし、一緒にいて心が落ち着く。

チャームポイントのツインテールが今日も乱れているのを見ると、少なくとも「しっかり者」ではないことがわかる。


「なおさらバカになっちゃったんじゃない?」

ニヤニヤしながら砂沙が言った。


「砂沙と同じくらいになっちゃったってこと? それ相当ショック……」

私もニヤけて言った。


私と砂沙は一緒に笑った。他に友達がいない私達は、周りから何と言われようとお互いが好きだし、分かり合っていた。


「でもね、本当にバカみたいな夢なら見たよ。確か三校時あたりだったかな? ピアノがひとりでに鳴り出すの……そしてなぜか先生がチョークを投げつけて、鳴り止むっていう……」


「アハハ! 変なの! じゃあもしそれが本当に起きたらジュース一本おごったげる。起きなかったおごってね」


「なにそれ!? ありえないからっ!」

「う~ん、帰り道で良いよー」


無邪気にふざけている砂沙を見て、私は呆れてしまった。そして

「チャイム鳴るよ」とそっけなく言った。


「え? ピアノ?」

しつこくからかう砂沙を無視して私は席に座った。

砂沙は不安げな顔でずっと私を見ていた。

私は砂沙に振り返って、静かに笑ってみせた。

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