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ちび悪魔とゆるふわ異世界生活  作者: 櫻木サヱ
チビ悪魔、街で大騒動!

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9/27

チビ悪魔、街で大冒険

朝の柔らかな光が村の家々を照らす中、ルシフェルは小さな布団の中でもぞもぞと目を覚ました。

「……ふぅ、今日も小さな体での一日か…」

小さな体に体重をかけると、まだぎこちない感覚が全身に走る。

これまで大地を踏みしめるように歩いていたルシフェルにとって、幼児の体はまるで新しい世界の入り口だった。


「おはよう〜!ルシフェルさん!」

元気いっぱいの妖精ピコが、ぴょんぴょんとルシフェルの枕元に飛び込んでくる。

「今日は町までお散歩に行こうよ!」

「……ふん、仕方ないな…」

幼児サイズの声で小さくつぶやき、ピコに手を引かれながら村を抜ける。


森を抜けると、町の広場が目の前に広がる。

木造の家々、石畳の道、色とりどりの屋台。

魔法具が空中でくるくる回り、魔法の光があちこちでちらちらと輝いている。

ルシフェルは立ち止まり、目を丸くする。

「……ふむ、まだまだ人間の世界も侮れんな」


町に入ると、子どもたちが遊んでいる。

幼児姿のルシフェルに気づき、次々と集まってくる。

「わぁ、小さな悪魔だ!」

「一緒に遊ぼうよ!」


ルシフェルは最初、威嚇しようとする。

「……くっ…俺は最強……!」

だが小さな体では迫力ゼロ。

子どもたちの笑顔に逆に引き込まれ、なんだか自然と輪の中に入ってしまう。


手に入れた小さなパンをもぐもぐ食べながら、ルシフェルは通りを歩く。

すると、屋台のジュースが目に入る。

「……これは……!」

小さな手で取ろうとすると、なかなかうまくつかめず、ジュースがあちこちに飛び散る。

子どもたちとピコは大笑い。

ルシフェルも思わず吹き出してしまう。

「……ふっ、こんなことでも笑えるのか…」


町の人々も、幼児姿のルシフェルの姿に思わず笑みを浮かべる。

「まぁ、小さな悪魔さん、可愛い顔してやるわね」

ルシフェルは恥ずかしそうに頬を赤くしつつ、少し照れながらも嬉しそうにパンを頬張る。


さらに歩きながら、ルシフェルは市場の角で小さな猫と出会う。

猫はルシフェルの小さな体を見上げて警戒するが、ルシフェルがそっと手を差し伸べると、ふわっと猫が近づいてくる。

「……なるほど、小さくても、触れ合う力は残っているようだな」

幼児化した体でも、デビル級の頭脳がちょっとした交流のコツを自然に導き出す。


町を散歩する中で、ルシフェルは少しずつ町の空気や人々の優しさに触れ、幼児化の不便さだけでなく、小さな喜びも感じ始める。

「……やれやれ、悪魔としての誇りは置いといて、この体で楽しめることもあるのか」


その日、幼児ルシフェルは町の人々や子どもたち、ピコと共に、パンを食べ、笑い、遊び、ドタバタとした一日を過ごした。

小さな体での冒険は、まだまだ始まったばかり――。


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