魔界からの追っ手
村でのドタバタな日常を楽しんでいたルシフェル。
「……ふぅ、少しはこの世界にも慣れてきたか」
小さな体で草むらに座り、手にした果物をもぐもぐと食べていた。
しかしそのとき――森の向こうから、影のような気配が迫る。
「――!?」
ルシフェルは直感でそれを察知した。
魔界からの追っ手、つまり自分を取り戻しに来た部下や使い魔たちだ。
「くっ…こんな小さな体で逃げられるのか……!」
幼児化した最強悪魔ルシフェルは、片鱗だけ残る力を使いながらも、体の制約でドタバタ逃走を余儀なくされる。
森の小動物や妖精ピコを巻き込みながら、ルシフェルは枝を飛び越え、葉っぱの影に隠れ、追手の目をかいくぐる。
しかし、幼児体なので思わぬところでつまずき、転んでしまう。
「ぎゃああっ!」
リスやウサギ、ピコに助けられつつ、ルシフェルは泣き笑いの状態に。
追手たちも苦戦する。
「ちっちゃくなったはずのデビルが、こんなに速く逃げるとは!」
しかし、ルシフェルは小さな体ながらも、ときどき見せるデビル級の力で木の枝を飛ばしたり、煙のような魔法で姿をくらましたりする。
「……ふふ、まだ完全には捕まらん!」
逃げながらも、ルシフェルは笑みを浮かべる。
小さな体で大騒ぎする自分を、少しだけ楽しんでいるようでもあった。
追手をなんとか振り切った後、ルシフェルは森の奥に隠れ、息を整える。
「……やれやれ、まだまだこの体での冒険は続くようだな」
ピコがにこにこと駆け寄り、手を握る。
「ルシフェルさん、今日も無事でよかった〜!」
「……ふ、ふん、仕方ない…助けてもらった……」
幼児化した最強悪魔は、魔界の追っ手から逃げ切った安心感と、少しのチルな安堵を味わいながら、これからの異世界生活を改めて実感するのだった。
こうして、第1章「勇者に倒されたら幼児化!?」は完結。
幼児化したルシフェルが森や町でのドタバタとチルな日常を経験し、少しずつこの異世界での生活に馴染む様子を描き、次の章への伏線も残した形で締めくくられる。




