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ちび悪魔とゆるふわ異世界生活  作者: 櫻木サヱ
小さな悪魔と異世界学園騒動

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15/27

学園への入学式と小さな悪魔

朝日が学園の門を黄金色に染める。

小さな悪魔・ルシフェルは、ピコと一緒に門をくぐる。

制服は少し大きく、袖が手の先まで垂れ下がっている。

「……ふむ。異世界学園か。なかなか楽しそうではあるが、油断はできぬな」

ピコはルシフェルの肩にふわりと飛び乗り、目を輝かせる。

「ルシくん、ここってすごく大きいね! 人もいっぱい!」

「……うむ、だが観察すれば、この中での立ち回り方も分かる」


校庭には色とりどりの制服を着た生徒たちが集まり、楽しげに話している。

ルシフェルはその間を小走りで歩きながら、誰が情報通か、誰が力を持っているかを頭の中で分析する。

「……なるほど。力だけではなく、交渉や知恵も重要か」


入学式が始まり、教師たちの紹介が続く。

壇上で堂々と話す教師の声が響く中、ルシフェルは小さな足でそっと席につく。

周囲の生徒たちは、幼児の姿の悪魔に興味津々だ。

「ちっちゃ! でもなんだか威圧感がある…」

「かわいいけど、目が……怖い?」

ルシフェルは小さな耳を赤くしながら、ピコに小さく囁く。

「……くっ、油断せんぞ」


式が終わり、校庭では生徒たちが小さなグループに分かれて話し始める。

ルシフェルも自然と近くの子どもたちに混ざろうとするが、まだ言葉のタイミングがつかめず、ピコがフォローする。

「ルシくん、こんにちはって言ってみよ!」

ルシフェルは小さく咳払いして、ぎこちなく挨拶する。

「こ、こんにちは……」

生徒たちはにっこり笑い、すぐに打ち解ける。

「へぇ、悪魔なのにかわいいね!」

ルシフェルは小さく眉をひそめるが、心の中では少し嬉しい。


その後、校内ツアーが始まる。

図書館や実験室、魔法の練習場――見慣れないものばかりだ。

ルシフェルは小さな目で観察し、ピコと一緒にメモを取る。

「ふむ、ここなら情報収集も容易だな」

「ルシくん、さすがだね!」

ピコが感心すると、ルシフェルは少し得意そうに胸を張る。


昼になり、昼食の時間。

小さな机に座ってサンドイッチを食べるルシフェルに、生徒たちが興味津々で寄ってくる。

「ちっちゃいけど、食べっぷりがすごい!」

「悪魔って、ほんとに強いの?」

「……ふふ、そう見えるか?」

ルシフェルは少し誇張して手を振る。

パンくずが舞って、ピコに頭を叩かれ、二人でちょっと笑う。


午後、入学式の締めくくりに教師が告げる。

「次はチームで迷宮攻略の課題です」

小さな悪魔にとって、これは力を使わず知恵で挑戦できる絶好の試練。

ルシフェルはニヤリと笑い、ピコと手をつなぐ。

「ふふ、これくらいなら楽しめる」


夕方、学園の門を出ると、遠くに赤い夕陽が輝く。

ルシフェルは小さな体でピコと肩を並べ、心の中で思う。

「……学園生活か。面倒そうだが、楽しめそうではあるな」


まだ予想もしていない。

この学園には、これから小さな悪魔に試練とチルな日常を同時に与える、たくさんの騒動が待ち受けていることを。


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