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1 30代、会社を追放されたら記憶を取り戻して伝説の無双パイロットだった

30歳

中小企業に勤めていた俺はある日上司に言われた

お前はクビだ

ど、どうして・・・俺は・・・この会社に・・・尽くしてきた!いくらなんでも理不尽じゃないですか!

いいから早く出ていけ!無能め!

そんな・・・。

虫ケラのように扱われ悔しがりながら抵抗もできずその場を離れると。

うあ!

転んだ。その直後だった。

ドカーン!

目の前の窓の外で爆発が巻き起こる。

倒れた姿勢のまま窓の外を見上た

なんだ!

ライフル銃を手にした鉄の巨人が電柱をなぎ倒し着地する。

BS!

BSとは連邦軍が所有する陸海空宙戦のできる万能人型戦闘機のことだ。

機体が腕のエンジンからバーニアを噴かせ、空中を8の字に舞う。

赤い点線のような実弾が飛び交い、敵機体と戦闘を繰り広げる。

相手は連合軍か!

そのときだった。

背後でも同じように騒音が響いたかと思うと

ドカーン!

大爆発が巻き起こる

煙を上げながら機体が近場に激突し、爆発したのだ。

爆発の衝撃で窓ガラスが全部割れた

バリバリドジャーン!

形容しがたい騒音、崩れ落ちるビル、潰れる民家

窓際にいた人がみんなガラスで死んだ

逃げないと!

フラフラとできるだけ急いで駆け出すと廊下が人間でごった返している。

廊下にはポタポタした真っ赤な血液が、

遠くでBSたちが激しい銃撃戦をしている

見ていると思わず後ずさってしまう。

こ、怖い・・・。落ち着くんだ。俺、落ち着くんだ。俺、落ち着くんだ。俺、

エレベーターは降りてこない。

階段前は人でごった返している。

このビルはそう高くはないが、おそらく階段を下れるようになるのに後3分はかかる。

そう考えたときだった

ドカーン!

斉藤も須藤も後藤も顔見知りの連中が目の前で吹き飛ぶ

あとにはえぐり取られた地面

地上まで外が丸見えになっている

うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!

各所に人の死体が見えた。

だらしなく両手を投げ出して、関節が曲がってはいけない方向に・・・

急いでいれば自分がああなっていた

怖い。死ぬ。死ぬ!

死を覚悟してからたっぷり1分、生き残った者たちが腰を抜かしてエレベーターに向かったあとようやく動き出せるようになった。

階段が壊れているがエレベーターで降りれるのは奇妙だ

外に出ると

戦車たちが押し寄せる

敵機体が戦車たちのいる方向を振りむくと

腕部の30㎜ガトリング砲が火を噴く

ガルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルルル!

毎分3900発の弾丸が戦車たちを滅多刺しにし爆散させる

そのときだった。

連邦の機体が無傷で倒れていた。

敵の攻撃に軽く被弾しほとんど無傷で敗れたのだろう。

コクピットハッチが開いており、そこから負傷した兵士が逆さ吊りにされていた。

死んでいるようだ。

どうにかして逃げないとそう、例えば・・・BSに乗って

ふと、突然、凶悪な思い込みが俺をBSのコクピットへと導いた

なんだ?この感覚は・・・。

逆さ吊りにされた兵士のシートベルトを外して降ろし

中に入る。

内部の座席に乗り込み操縦かんを握ると奇妙な感覚に襲われる。


見たこともない記憶が頭に流れ込んで来る。

そうだ・・・。

忘れていた。俺は自分が何者なのかを思い出した。

俺は異世界からやってきた。

200年BSのパイロットをやってきたベテラン兵士だ。

肉体はいまの年齢のまま不老不死で年を取らない。それ以外はすべて普通の人間だ。

200年、頭の悪い数字だが本当の話だ

BSの操縦かんを握ることで戦闘技術、兵士としての精神的強さのみ、を思い出すよう調整してある。

そして今、戦わなければならないときが来たのだ。

機体は違えど同じBS、懐かしい感触だ。

初めて乗る機体だが改造した体が俺に操縦技術を教えてくれる。

左手にスロットルレバーが、右手にコントロールスティックが、目の前には無数の基盤が配置されている

左のスロットルレバーを前に押せば出力が上がり下げれば下がる

右のコントロールスティックは円字に稼働する

左右のスティックは伸縮性があり、腕を目の前に伸ばす動作、背後に伸ばす動作に役立つ、

20本の指先を挟むことですべての指を繊細に操縦する

また目の前の基盤にある無数のボタンは押すことで頭部、肩、胸、腰、膝、足首などのサブウェポンを自動発射できる。照準は目の前の基盤にあるディスプレイ画面を見て調整する必要がある。

段階形式の背面ブースターは基盤のボタンを段階で選びレベルに応じて出力を調整する。

頭、胸、腰、膝、足首はすべて体と連動している

座った姿勢で直立駆動するよう調整されているのだ



手に握るライフルはM160

口径55.6㎜

全長9999mm

55.6x450mm

35000g



発進!

バーニアを噴かせ、飛行していく。

敵、連合機体が撃って来る。

ベテランの操縦技術を見せてやる。

ぬん!

常人よりもはるかに高度な動きをしてすべて避ける。

ビルの壁を蹴り、軌道をジグザグに変更、奇襲をしながら銃撃、相手の足を撃つ

ババババ!

ヒュン!ヒュン!

薬莢をまき散らし、赤い点線が敵の足を貫通、爆散させる。

さらにバーニアを噴かせ急速接近、頭を蹴り飛ばし転倒させる。

抵抗するなら撃つ!

敵が起き上がろうとする

撃つと言った!

ババババ!

腕がぶち切れくるくると吹き飛んで行く

撃墜

煙とオイルを噴き上げて敵が大地に沈んだ

連合の仲間たちがこちらの存在に気が付き発砲してくる

数は2機か

ビルに転がりこむと盾にしながら銃撃に耐える。

いい腕だ。だが!

撃ちながら前進してくる敵を

飛び込むように射撃、敵のコクピットを貫き爆散させる

撃墜

さらに影から姿を現したもう一機に常人よりもはるかに速い速度で反応射撃、爆発させ

撃墜

空から銃を撃ちながら飛来してくる。数は4機、

囲まれたか!

背後から迫る敵を射撃、

撃墜

弾切れになった銃器を持ったままジャンプして高高度まで上昇すると銃を鈍器にして叩き込む2機目を

墜落

させ。その上に垂直に着地コクピットを押しつぶす

銃が壊れたようだ

背面に迫る敵の気配が2つ

足元の敵の銃を蹴り上げて、振り返り、空中の銃を両手でつかむ、一斉掃射

全弾フルオートで敵たちの四肢に叩き込む

ババババ!ババババ!

ドカーン!

2機を

撃墜

、完勝完了。

カートリッジを交換する。

敵、連合軍は残すところ4機。

連邦軍が6機

1機は他の連邦軍が撃墜した。

敵の連邦の1機がすごい動きで連合の1機と戦っている

どちらも量産型のものではないワンオフの特機のようだ

他に動ける敵は3機か

数の優位はこちらにあるもうすぐ勝利だろう。

そのとき通信機から声が聞こえる

こちらコールリーダー、フォックス2応答せよ!

俺はフォックス2ではない。この場に居合わせた元傭兵だ。

ああ?え?

戸惑っている声が聞こえる

なぜ民間人が乗っている!すぐに降りろ!

断る。敵は手練れだ。援護する

援護だと?ふざけるな!いますぐ降りろ!

バーニアで加速、交戦を繰り返す戦場に接近

機体を右に滑らせて相手の銃撃とすれ違うように回避

すかさず発砲、1機

撃墜する。

さらに加速、ローリング飛行しながら

1機を

撃墜する

そんな中、連邦軍機体4機と交戦する敵の1機がすさまじい操縦技術で銃弾を避けている。

見た目からしてエース用の特機だ。

特機はさらに次々と連邦の機体を撃墜していく

連邦は残り5機

なんて回避能力とスピードだ!助けなければ!

ぐんぐん、敵に近づいていくと通信が入る。

さがれ!撃ち落とされたいのか民間人!敵はアドバンスなんだぞ!

アドバンス?たしか、自然進化した人類のことだ。進化したために超人的な戦闘能力を得る。常人よりもはるかに強いとも、うわさでは第二次世界大戦を終戦に導いた伝説の兵士もアドバンスだと聞く

そのとき連邦兵士の目の前にアドバンスの機体が突如現れ、銃口を向ける。至近距離だ。避けられない。

う、うわあああああああああああああああああああ!

連邦軍の兵士が死を覚悟し絶叫したときだった

ババ!ババ!・・・ババババババ!

俺が下方から銃撃、機体を撃ち抜き爆散させる

通信機から声が響く

ありえない!あいつ!アドバンスを落としたのか!

俺は通信機越しに言った

任せておけ!

アドバンス、なるほどすさまじい敵だろうことは今の戦闘だけですべて理解した。

まず、一発撃ってみた

当然避けると思うので先読みして左に撃つ、アドバンスならそれも避けるだろうから、さらに左を撃つすると当たる。やっていることはベテランパイロットなら誰でもやっている動きの先読みだ。

俺の場合、積み上げて来た年数が圧倒的に違うのでババ!ババ!ババババ!っとは撃たずにババ!ババ!・・・と、ここの・・・でたっぷり4秒、タメを挟んでからバババババ!っと撃った。それだけだ。

この沈黙の時間が敵を呼び込む

これが戦場で培った年季と言うものだ。

敵が人外の才能でパイロットをするならこっちは200年かけてひとつずつ積み上げて来た戦闘経験で対抗するまで。

ただ敵は特機、あの程度の攻撃で落とせるはずもない。

大きく被弾してはいるがまだ動ける。

さすがは特機、さすがアドバンス、進化した人類、たかがメインカメラを潰された程度では攻撃をやめない。

サブカメラしか使えない状態のはず、それでも的確に銃撃してくる。

恐ろしい化け物だ。だが!

一気に加速、急速接近、コクピットに銃口を押し付け

バババババババババババババババ!

敵を沈黙、全滅させた。

おまけに無傷で機体を回収。

銃口を向けた連邦軍の機体たちが集まって来た。

OKだ。おとなしく従おう。

着地してから機体を降りると

こいつ!

地面に押し付けられるように拘束された。

懐かしい感覚だ。

この地面に押し付けられる感覚、昔よくやったし。よくやられた。

悪いな。あんたは命の恩人だが、俺たちも仕事だ。できる限り敬意は払わせてもらうよ。

気にするな。なれている。

軍法で民間人を裁くことはできない。

軍の機密を見た俺をただ逃がすわけにもいかないか。

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