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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第四章 天下布武編

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95 大谷吉継と加藤清正の誕生

またゆったりとした話です。

あの2人、1時間ぐらい風呂に入っていたよ。その後に湯船に浸かろうなんて到底思えなかった。


「…寒い。」

「まだ1月ですからね。」

「ビックリした!…慶松か。次、入る?」

「そうですね。…ところで若様、元服の件についてですが―」


あ、忘れてた。…部屋に急いで戻ろう。


「若様!逃げないでくださいよ!」


こういうのは先に寝るのが勝ちだ。…とは言いつつ真面目に考えないといけない話なんだよな。



~秀吉視点~


月が綺麗だ。3年間か。本当に長かったな。


「藤吉郎!酒を持ってきたぞ!」

「悪いが今日は飲まんよ、小六殿。…甘酒にしないか?」

「甘酒?」

「ああ。あれなら酔わずに体が温かくなるらしい。ねねがまつ殿に貰った手紙に作り方が書いてあったんだがなかなか旨くてな。」

「呼んだかい?お前様。」


早いな。話を聞きつけるのが早い。


「…ねねにも迷惑をかけたよな。その、長引―」

「さっきもその話をしたよ。…早くこれ飲んでさっさと寝な!」


呆れたのか、ねねはそう言って部屋に戻ってしまった。


「…俺も飲んでいいのか?」

「ああ。…思い出すな、昔は小一郎と半兵衛殿と4人でよく飲んでいたよな。」

「いつもお前と小一郎はすぐに酔い潰れてやがて半兵衛も酔いが回って最後は俺一人になってたな。」

「…半兵衛殿ももう先がない。今は菩提山城に戻ってもらったがいつ死んでもおかしくないそうだ。」

「もっと早く気づけていたら…。」


…おっと、これ以上嘆いても何も起きないよな。


「…利家殿に会いたいな。」


おい、何でまた繰り返したんだ、おいら。


「…ここから府中城ぐらいすぐに行けるだろ?」

「いや、おいらたちはもう次の戦に向けて支度をしなくちゃいけない。次の行き先は鳥取城だ。」

「鳥取城ということは毛利と…。」

「そうなるな。…まずは―」

「ちょっと待った!」


ん?


「秀吉様!約束を忘れていませぬか?」

「虎之助?…元服か。」

「そうですよ。…どこへ行くのですか!」


こういうのは早めに逃げるが勝ちだ。…でもいつまでも考えないわけにはいかない。急いで考えないといけないな。



翌朝


~孫四郎視点~


「聞いてくださいよ、孫四郎様!秀吉様ったら酷いんですよ!俺の元服をずっと忘れてたって…孫四郎様?」


状況が理解できない。何で目の前に虎之助殿がいるんだ?こんな朝早くに。


「…慶松?まさか通したの。」

「そうですよ!…若様も秀吉様と変わらないですからね!約束を忘れるなんて!」

「ちょっ、ちょっと待ってよ!そもそも虎之助殿は何でこんな朝早く…わかった。元服ね。多分秀吉様は予算が足りなくて困ってる。で、僕はやり方がわからなくて困ってる。だったら合同で行えばいいでしょ?場所は…長浜でいいかな。で―」

「…急に頭が回転し始めたのか。流石は孫四郎様。」「わ、若様⁉そんな急に決めていいのですか?」


2人のリアクションがそれぞれ違って面白い。


「いいでしょ。その代わりに僕が費用を全部出す。銭には困ってないからね。父上の教育のおかげで。」

「…もしも虎之助殿の元服がなかったら私の元服、どうなっていたのでしょうね。」

「まあ慶松殿。まだ孫四郎様は考えてくれるからいいですよ。秀吉様も見習ってほしいです。」

「若様の頭の回転は秀吉様に劣らないですよね。」

「そうですね。…あれ?孫四郎様?」


駄目だ、朝からついていけない。もう一度寝させて貰おう。



再び目を覚ましたら辰の刻だった。


「おはようございます、若様。」

「…うん。」

「先程は申し訳ありませんでした。私は一体―」

「いや、あれは僕も悪かったから。…虎之助殿は?」

「10日後に長浜城で無事開催出来るように準備をお願いしますって言って帰っていきました。」

「…そうか。じゃあまずは予算の見積もりから始めるか。」


そう言ってすぐに机に向かう。そして算盤をパチパチ打ち始める。


「おはよ、孫四郎さん。…もう始めたの?」

「おはようございます、久太郎さん。虎之助殿ったらせっかちであと10日以内に2人の元服の支度をしなくちゃいけないみたいで。」

「10日か…。上様も似た感じでやってた気がする。」

「ギリギリにならないと皆、本気出せないということでしょ。きっと。」

「そうだね。…筆算じゃなくていいの?」


筆算。本来は江戸時代で生まれる予定だったけどそれまで待ちきれなかったので明でこの間見つかった新たな計算方法としてこの家に住んでいる皆にはやり方を覚えさせた。簡単ではあるけど一々紙に書かなくちゃいけない点がデメリットだったので最近はあまり使っていない。


「筆算は便利だけど計算を一か所でも間違えたら修正が難しくなります。だったら父上に鍛えてもらった算盤で計算した方が正確だし早く終わるし…ほら、もう終わった。」

「早すぎない?」「計算間違っていませんか?」

「2人とも心配しすぎだよ。確かめ算もやったから間違ってないはずだよ。それでも疑うなら慶松がもう一回計算してみたら?」

「…今日の若様は機嫌が悪いですよね?」

「…そうだね。何とかご機嫌を取らせないと後で厄介なことになりそうだね。」


何故、聞こえる距離で話す?


「…ちょっと桜と出かけてくる。」

「「え、あ、行ってらっしゃい」ませ」


こういう時は好きな人と出かけるのが一番だ。



「準備できた?じゃあ、行こうか。」

「はい!…まずは衣服店ですよね?」


ギクッ。ばれてる。


「…何のために一緒に来てもらってるか全て理解している感じ?」

「え、ええ。慶松殿の元服の支度のための買い出しですよね?」

「…桜には敵わないや。」

「舐めないでくださいよ。孫四郎様ほどではないですけど桜も頭は回りますから。」


本当かな?だったら何で…いや、これ以上機嫌を損なわせることはやめよう。お互いによくない。



気づいたら夕方になっていた。


「1日中付き合ってくれてありがとね。何とか足りないものは全部買えたかな。…疲れた?」

「全然。むしろ楽しかったですよ。孫四郎様が知らないこともたくさんあるんだなって。」

「だ、だってはさみが一結(現在の価値で約15000円)もするなんて知らなかったもん。」

「いや、安いはさみもありましたよ。ですが孫四郎様は慶松殿の髪を切るために使いたいのですよね?でしたらあれぐらいの値段のものじゃないと他家の方々に侮られますよ?」

「う、ううっ。今日だけで二十貫吹っ飛んだ。」

「今、払っておけばいつか慶松殿にお礼を貰えるかもしれませんよ?」

「…。とりあえず明日は長浜に行こうと思う。何かあったら久太郎さんを長浜に送って。二刻半あれば駆けつけるから。」

「わかりました。皆様にもそう伝えておきますね。」


出来れば早めに準備を終えて次の戦の準備を始めたい。次の戦は多分、加賀に行くはずだから。



一月三十日 長浜城


~慶松視点~


いよいよだ。今日をもって私は大谷慶松ではなくなる。どんな名前になるんだろう。楽しみと不安でいっぱいだ。



いよいよ儀式が始まった。


「まず、慶松からだね。大谷の通り字である吉と半兵衛先生や官兵衛殿の教えをずっと継いでいってほしいという思いを合わせて大谷吉継としたよ。これでいいかな?」


若様…。やっぱりこの方は私のことを大切に思ってくれてる。


「ありがたき幸せでございます。大谷吉継、これからもずっと利長様を支えることを約束いたします。」

「うん。これからもよろしくね、吉継。」

「虎之助はあまり考えずにやったぞ。加藤の通り字の清と正しく生きてほしいという願いを合わせて清正だ。」

「…加藤清正、秀吉様を一生お助けいたします。」

「頼むぞ、お虎。」


お虎…可愛いあだ名ですね。


「さて、宴会にしようか。」



これが恐怖の飲み会か。私は前田家の人間なので若様以外の人には誰にも入れられなかったけど清正殿は色々な人に飲め飲めと脅されている。


「…同時にやらなければよかったね。」

「いえ。…ありがとうございました、そしてごめんなさい。若様にあんなひどいこと言っちゃって。」

「気にしなくていいよ。…疲れたな~。」

「本当にお疲れ様でした。…若様?」


若様は寝息を立てて寝てしまった。


「あ、ええと、若様!ここで寝たら―」

「寝させてあげよう。孫四郎はこの10日間本当に頑張った。あの兄上の台詞も全部孫四郎が考えたんだぞ。」


秀長様か。…どういうことだろう。


「兄上はわざとサボったのさ。孫四郎に早めに苦労させるために。」


何となくわかった気がする。確かにあの秀吉様がお金を無駄遣いするなんて滅多にない。


「…若様もいつかはたくさんの家臣を抱えるようになる。だから秀吉様は若様にあえて無茶を―」

「そういうことだ。」


若様は皆様から将来を期待されている。若様、一生私は貴方をお支え致します。


「…スースー」


若様の寝顔も可愛いですね…。あ、清正殿。もう酔い潰れている。このままじゃ私も…。若様!起きてください!私も飲まされ…。

本当は元服は2,3行で終わらせようと思いました。でも重要人物(しかも構想上は終盤まで活躍する予定)の吉継を2,3行で終わらせるのは申し訳ないと思い、急遽1話作りました。清正はおまけですね。


次回は石山合戦終結です。孫四郎視点もありますが最近主役回が増え始めているあの子がメインとなる回です。次回分は完成していますがストックが溜まっていないのでストックが溜まり次第投稿させて頂きます。遅くとも今週の日曜日のお昼ぐらいまでには投稿できるように頑張りますが間に合わなかったらごめんなさい。

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