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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第四章 天下布武編

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92 親子の想い 夫婦の想い

遅くなってしまい申し訳ございません。

いつもの2倍ぐらいあるので時間がかかるかもしれません。

岡崎城


~信康視点~


「それは本当か。万千代。」


「はい。…今朝、石川数正様は奥方様に海を見たいと誘われ、吉良の海に護衛150名と共に行きました。しかし、奥方様が海を眺めているのを楽しんでいる間に石川様は後ろから…。」


う、そ、だ、ろ。母上が殺された。何故だ。何故母上は殺されなくてはいけなかったんだ。俺は何も聞いていない。


「奥方様には以前から謀反の疑いがかけられていました。半年ほど前から―」


万千代の話を聞く感じ、母上は本当に何の罪もないのに義父上が濡れ衣をつけて殺したようにしか受け入れられなかった。


「…ついてこい。」


「…どこへ?」


「徳のところだ。この反応次第によっては俺は父上と織田の義父上を問わねばならぬ。」


この事件の鍵は徳が握っているのに何故誰も徳に聞こうとしないのか。だったら俺が聞いてやるよ。



「徳、いるか?」


「はい。…どうしましたか?」


「単刀直入に言うぞ。この1年以内に織田の義父上に母上が謀反をたくらんでいるなんて手紙を送ったか?」


「いえ、送ってませんが…信康様⁉」


「わかった。徳、今から俺は父上と戦をしてくる。…ようやく互いのことを分かり合ったばっかりなのにすまないな。」


「え、何でですか?…まさか義母上様が。」


「ああ。そのことで父上を問い詰めようと思っている。場合によっては死ぬかもしれない。俺も前ほど馬鹿ではないからわかる。父上は今、一人で悩んでいる。だから俺の言うことなんか聞こえずに皆殺してしまえって考えているのかもしれない。だが、俺が行かないと徳川はもう終わってしまう。織田の義父上からしたら徳川なんていつでも倒せる状況にあると思っているのだからな。」


「…。」


「っと、そんなことお前に言っても困るだけだよな。…世話になったな。もしも何かあったら娘たちのことは任せたぞ。」


「そんな、信康様!行かないでください!」


もう俺は決めたんだ。徳川を守るために、俺は父上と最後の戦いをするんだ。



八月二十七日


浜松城


「万千代、父上を呼んで来い。」


「え、城内に入らないのですか。」


「ああ。あの中では言えないことが多いからな。…いや、父上だけじゃない。重臣も全員呼んでくれ。大事な話があるから信康が呼んでいるってな。」


「な、まさか本当に死のうと―」


お前は勘が鋭いな。だがその先はあえて言わせないように口をそっと手でふさいだ。


「これ以上は言うな。早く行け。」


「…わかりました。」


徳川嫡男?そんなの今はどうでもいい。これは、本来は親子で話し合わないと決めてはいけないことのはずだったんだ。なのに…。


「久しぶりだな、信康。」


驚いた。あの父上が素直に俺の言うことに応じるなんて。


「ご無沙汰しております。…徳は織田の義父上に手紙を出していないと言いましたよ。何で誰も徳に確認せずに物事を進めたのですか?」


「…お前には関係ない話だ。去れ。」


「関係なくない。そうやって貴方は大事な人を一人殺した。」


「なっ…。」


「何故、母上は殺された?おい、あんたらもだからな。特に半蔵。刈谷や武田の所には調査に行けるのに何で岡崎には来なかったんだ?」


「…なぜいることがわかりましたか?」


「長年の付き合いだからな。で、何でだ?」


「…このことを知らせたら信康様だったら大ごとにしかねないなと―」


「それで聞かなかった結果、母上は無実を証明できずに死んだ。」


「…申し訳ございませぬ。」


本当に思って言っていることか?…とりあえず後回しだ。


「数正、お前もよく普通に母上を殺せたよな?ちゃんとした証拠もなしで殺すことに織田の義父上が何も思わないとでも思わなかったのか?」


「…そ、それは。」


「佐久間が太刀を持ってきた?佐久間は古くからの織田の重臣なんだからそんなのいくらあってもおかしくないだろう?太刀を目にするだけで父上も、お前たちも動揺するなんて…徳川はもう終わってるだろ。」


「黙れ!父の苦労も知らずに―」


「その苦労を息子に伝えないのは何でですか?」


「お前にわかるわけ―」


「確かに俺は生まれてしばらくは今川の下で人質にされていたから父上のことはわからないかもしれない。それでも俺は色々な父上を見てきたつもりだ。三方ヶ原で散々な目に遭った後の父上の決心した顔。長篠の戦いで宿敵武田を打ち払った父上の嬉しそうな顔。そして今の父上の怒っている顔。あなたがどんな時に表情をするかは20年間子として見てきた俺にはよくわかるのですよ。」


「…だが今回のことは―」


「それ以上言い訳するか?…せめて母上への謝罪を聞いてからやりたかったが仕方ない。」


~半蔵視点~


信康様?何をしようとしていらっしゃる?


「これが岡崎三郎信康が見出した答えじゃ!」


その瞬間、信康様は腹を十文字に切りかけた。


「信康!」「信康様!」


「…止めるな、皆。俺は罪もなく殺された母上が一人でいるのが可哀想で一緒に逝こうとしておるのだ。…もうわかったでしょう、父上。いくら鈍感なあなたでも俺が何を言いたいか。」


「…止めろ、信康。そんなことをして誰が喜ぶ。」


「これぐらいのことをしないと皆が今まで何をしてきたかわからないだろうが!皆、織田の義父上を知っているように全然わかっていない!織田の義父上が時間を与えるなんて嘘に決まっておろうが!あの方は物事がすぐにはっきりわからないとすぐに対象勢力を攻撃する。…父上は母上を殺した。何も調べずに。今更、謝罪してももうあの方の耳には届きますまい…。」


「だからと言って其方が死ぬなど―」


「父上はまだ希望がある。これで俺が死ねば皆、打倒佐久間に一致団結して進めるでしょう?」


「…そういうことか。つまり其方を謀反人に立て殺したが本当は佐久間だったと―」


「それ以上は言わないでください。…後は任せましたよ、皆。」


何故だ。何故罪のない信康様が死なねばならぬ!本当に殿は事の事態をわかっているのか!


「半蔵、介錯は任せた。」


「嫌でございます!…思い出してください、信康様。9年前の約束をお忘れか?」


「…。」


「あの時の某は徳川のただの足軽で手柄を立てても中々周りの皆様からはいい思いをされませんでした。しかし、信康様。あなたは違った。忍びのなりかけのような存在の某に忍術を見せてほしいと言ってくださった。あの時は子供のただの興味から言った言葉なのかと思ってましたが若が初陣を迎えた時に何故あの時某のことを知りたかったのかがよくわかりました。若は皆の得意・不得意を理解して誰にどんな役を任せようかと常に考えている。…まだ若が竹千代様だった時、貴方は某にこう言ってくださったのですよ。


半蔵と共に皆が笑って暮らせる世を作りたい。と。」


涙が止まらない。落ち着け。ここで俺が泣いてどうする。信康様の切腹を止めるために言って―


「…覚えているさ。私だって昔の記憶をなくしたわけではない。」


私…。今だけ昔の信康様に戻っている気がする。


「だけどね、半蔵。私は今、ここで死ななくてはならないのだ。…母上を殺した佐久間をどうしても許せないのだ。」


何故今戻られる。何故、何故…。


~万千代視点~


半蔵殿が泣いている。…私も今、泣いているだろう。信康様が、若様が、戻ってきた。


「信康様!貴方が死ぬよりももっといい手段が―」


「万千代、今まで苦労をかけたな。これからも父上を支えてやってくれ。」


「…私は―」


「もういい。…半蔵はいつも私を助けてくれたね。此度の偵察も半蔵が進んでやってくれたんだろ?岡崎に来なかった理由、許せないけど其方の言い分も一理ある。胸を張って生きよ、半蔵。」


「…はい。はい、信康様…。」


「数正!其方も悔い改め父上とともに泰平の世を築き上げてくれ。天で朗報を待ってるぞ!」


「…申し訳ございませぬ。本当に申し訳ございませぬ…。」


「親吉、重次、清長、康景!今まで私についてきてくれてありがとう。これからは父上を頼む…。」


「若様…。」「…承知した。」


誰も止められない。…覚悟を決めるしかないのか。


「改めて、半蔵。解釈を頼む。」


「某には無理でございます。「皆目を覚ますのだ!」」


次の瞬間、信康様は腹を刺した。


「フグッ…は、ん、ぞ、う…。」


半蔵殿は動かない。…だったら私が。


「…そ、う、か。」


次の瞬間、信康様の首は胴と別れた。



~家康視点~


瀬名、信康。…其方らの仇は絶対取って見せる。佐久間信盛。お主だけは絶対許せぬ。三方ヶ原、水野、そして妻子…。明日の徳川のためにわしはあの男を潰す。



岡崎城


信康の死後、岡崎城は石川数正によって守られることになった。


「…信康様。某はまだ貴方が死んだなんて…おや?これは。」


彼が発見したのは信康が浜松に行く直前に残した書状である。曰く、


『この手紙を読んだ誰かへ


この手紙が読まれているということは私は切腹してしまったということだろう。


人生21年。長いようで短いような生涯であった。


さて、この手紙を読んだ其方に頼みたいことが一つある。


それは、私の財産を全て徳に贈ってほしいということだ。


…私は徳が好きだ。死んでもずっと愛している。


岡崎三郎信康』


「…そうですか。そうですか、信康様。」


信康が切腹をした理由は死んでしまった本人しかわからない。しかし、1つだけ絶対に違うことがある。それは、徳姫と信康が不仲だったこと。もし不仲だったなら徳姫は訃報を聞いた時に声をあげて泣くことはなかっただろうし信康は手紙に愛しているなんて書き残さなかっただろう。2人の愛が来世でも結ばれることを祈り信康事件編の幕を閉じる。

信康事件。結局はこの名前になってしまいました。


私は信康を生かそうと思いました。ですが登場人物の力がそれを許してはくれませんでした。


ところどころ自分でも何を書いているんだかわからなくなりそうになりました。


ですが彼らがこのまま書けと言っているような気がしたので纏まりない会話文になってしまいました。


家康、半蔵、万千代。この3人はきっと信康の遺志を受け継いでくれるはずです。どうか、この死が無駄になりませんように。


佐久間信盛が犯人みたいに書いてありますけどこれが確定とはどこにも書いていないのでそこだけは注意していただけると嬉しいです。(もちろん私の中では佐久間説もありますけど)


今後の徳川がどうなるかは私もわかりません。(暴走した方向には持って行かないようにそこだけはコントロールしますが先ほども書いた通り基本的には登場人物に任せっきりなので一部文の構成がぐちゃぐちゃになっていますがお許しいただけると嬉しいです)


最後になりますが今日からテスト週間のため5月17日(水)までは今まで以上に更新頻度が落ちます。多くて2本。もしかしたら0本の場合もあります。今年は受験生なので学業重視になっています。予めご理解とご協力をお願いします。

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