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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第一章 孫四郎立志編

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9 稲葉山城の戦い

前半は孫四郎視点。後半からは利家や信長視点が混じります。

時代は永禄10年に入ります。

今年で数えで6歳になる。小学一年生と同じだ。毎日の生活は楽しいけど正直辛いこともある。それは今年から始まった鍛錬だ。まず父上が雇った先生なんだけど目つきが怖い。それだけで緊張して体が硬くなる。初日にやってみて感じたことは僕の体力が落ちているということ。当たり前だ。転生した時に脳はコピーできても肉体まではコピーできないからだ。とするといきなり鍛錬を始めても体を痛めるだけだと感じた僕は始める前に前世の日本人ならほぼ皆知っているラジオ体操をやることにした。父、利家も気に入ったらしく朝、出勤する前に長頼さんと3人で毎朝行っている。長頼さんは案外体鍛えてないんだね。いや、うちの父上が異常なだけでこれが一般的な身体なのかな?


その後に鍛錬が始まる。最初は基礎体力作りとして軽い走り込みや木刀の素振りから始まった。初日や2,3日目あたりまでは久しぶりの運動ということもあって筋肉痛になっていたが5日目ぐらいになると段々慣れてきた。そして一番地獄なのは父上の休みの日である。この日は父の竹刀攻撃を素早くよけるという過酷なミッションが待ち受けている。一度でも当たればまた一からやり直しである。普段は長頼さんと一緒に練習をやっているけど長頼さんでは簡単すぎるので対策にもならない。そのため最初の方はボッコボコに攻撃を喰らう。でも段々慣れてくると父上の思考が読めるようになる。それで避けて避けて避けまくると大体父上が疲れて合格を出す。今日は12回目でようやく合格を貰った。父上、ちょっとは手加減してください。体中が痛いよ。


さて今の各地の情勢はどうなっているかというと織田信長はいよいよ稲葉山城を落とそうとしていた。前年の失敗の挽回と秀吉様が作ってくれたチャンスを無駄にしたくないからだそうだ。近畿では三好三人衆が力をつけてきており九州ではとうとう毛利元就が上陸を決めた。毎日各地で戦が起きているから情報を正しく集めるのも最近は難しい。だけど家の前を通る謎の情報屋の話は大体あっているんだよね。不思議。


そういえば僕はいつ強制的に戦に参加させられるんだろう。正直戦に出ても活躍できないと思うけど。なんて今考えていても時間の無駄だよね。聞いた話だと初陣は大体12~22歳ぐらいで済ませるのが一般的らしい。まだ6歳の僕が考えても意味がないや。さて鍛錬、鍛錬っと。


7月、いよいよ織田信長が斎藤家に対する最後の宣戦布告をした。隣の秀吉様は半兵衛殿にも見てもらいたかったと泣きながら準備をしている。大丈夫。きっと半兵衛殿も浅井の地で秀吉様の武勇を楽しみにしているよ。きっと。ん?隣の家に中々大きい身長の人が入っていった。誰だろう。


「おう!こんなところで何ぼさぼさしてるんだ?」

「あっ、父上。柵があっても頭が見えるあの方は誰ですか?」

「ん?あれは蜂須賀小六何とかいう方だ。つい先日まで信長様に仕えていたんだがこの間から藤吉に仕え始めた人だ。」


へえ。有名な人なのかな?それにしても何で信長様じゃなくて秀吉様に仕えることになったんだろう?うーん。謎だ。


「父上!」


この声は姉の幸だ。


「おっ。幸か。どうした?」

「これ父上のために作ったのです。きっと父上を守ってくれます。」


優しいね。僕は何も作ってないんだけど…。


「お守りか。ありがとな。必ず勝って戻ってくるから。」

「利家様、ご武運を。」


母上もやってきた。


「まつもな。」


僕も何か声をかけてあげるべきかな。


「父上、お帰りを待っていますからね。」

「孫四郎も鍛錬怠るなよ。」

「はい。もっともっと強くなって見せます。」


まずは攻撃を避ける練習からかな。



~信長視点~


これで蝮殿の仇は取れる。見ておれ蝮殿。それから義龍。


「一益にも我らが出ることを伝えたか?」

「はい。殿、なぜ此度の戦に私も行かねばならないのですか?」


そう話すのは堀久太郎秀政だ。


「久太郎。其方は此度が初陣か。」

「はい。」

「理由は2つある。1つはこれぐらいの年には一戦しておいた方がいいということ。もう1つは…それは今はやめておこう。」


久太郎は今年で15だ。十分初陣に出ていい年頃だろう。


「勝てますよね?」


俺が勝てない戦で武芸が全然駄目なお前を出すと思うか?


「当たり前だ。だが油断は禁物だぞ。気を引き締めていこう。」

「はい。」



8月1日、稲葉ら3人が人質を引き取りに来てほしいと連絡してきた。引き取り役として村井貞勝に向かわせて俺らは井ノ口へやってきた。さてどうやって落とそうか。蝮殿と言えば油売り。よし、派手に行くか。


「皆、火を点けよ。街を焼き尽くせ!」

「は、ははっ。」


俺は善だけでは国を治められないと考えている。時には魔王にならないといけない。例え犠牲が出ようとな。



~利家視点~


ま、街が燃えている…。予想以上に燃えているぞ。


「なあ藤吉。あれは流石にやりすぎじゃないのか?」

「おいらもそう思うぜ。だがこれで戦が終わるなら…。」


火攻めは下手すると自軍にも影響が出かねない。だから俺たちは少し離れた瑞竜寺山で様子を見ている。龍興、早く降伏した方がいいと思うぜ…。



14日には鹿垣で稲葉山城を閉じ込めた。西美濃三人衆も様子を見に織田本陣まで来ていたけど唖然としていた。もう決着がつくぞ。そんな気がした。しかしこの判断のせいで後々面倒になるとは思わなかった。


15日、ようやく戦が終わった。旧斎藤家臣はほとんどが降伏。これで万々歳かと思ったが俺らが鹿垣を建てている間に龍興とごくわずかな家臣のみ長島の一揆のもとへ向かって行ったようだ。クソっ!何で気づけなかったんだ。とはいえこれでようやく美濃を統一できた。美濃攻めで死んだ皆、ようやく、ようやく統一できたよ…。



数日後


~孫四郎視点~


父上が帰ってきた。何か嬉しそうな感じがしている。


「父上お帰りなさい!」

「お帰りなさいませ。」


姉上と一緒に迎え入れる。


「おう!帰ってきたぞ!皆に言い報告がある。俺らは稲葉山城下に引っ越すぞ。」


え?何でこのタイミングで?


「もちろん隣は木下家だ。」

「やった!」

「幸は可愛がってもらってるもんね。」


母上と姉上が楽しそうに会話している。でも僕は未来を知っているから喜べなかった。今、引っ越しても2年後には荒子に引っ越すんだよ。


「どうした?孫四郎。」


せっかく声をかけてもらったし話をしますか。


「あ、ちょっと2人きりで話をしたいのですが…。」

「ん?別にいいけど何かあったか?」

「何かあるの?」


姉上にも怪しまれた。


「いえ、そんな大したことでは…。」


と言いながら父の背中を押してその場を逃げることにした。


「で?どうした?」

「先ほど引っ越すという話がありましたが今、引っ越しても2年後ぐらいにはまた引っ越しをします。」

「…何でそんなことがわか…そうか。お前はほぼ知っているもんな。で、どこに引っ越すんだ?」


今は場所を言ってはいけない。多少濁しながら話そう。


「…少なくとも2年以内に尾張にまた戻ってくるのです。」

「とするとこの引っ越しは…。」


ようやく理解したそうだ。こんなところで金をかけてほしくない。絶対に将来まだまだお金を使わなくちゃいけないだろうから。


「ただ金がかかるだけです。ですがこれに逆らえば信長様に…」


織田信長って逆らう人には容赦なく罰を与えていく。下手したら死罪なんてこともあり得る。


「だろうな。…ケチるか。家代。」


流石はケチ男…じゃない倹約家。話が通じて助かる。


「2年持つぐらいの感じで設計をお願いしますね。」

「任せておけ!俺の得意分野だ!」



こうしてできた家は隣の木下家に比べてかなり乏しい家となりましたとさ。

はい。この場で堀秀政が出てきましたよ。

秀政はタグに付けるぐらい重要な人物となります。後々になればわかってくると思います。


ラジオ体操は他の作者様も使っていましたね。正直体を柔らかくする準備運動はラジオ体操ぐらいしか思いつかないです。なのでここはパクったわけじゃないですけど引用させてもらいました。


家…皆さんはどれぐらいのお金をかけて家を選びますか?今回は家を買うという話を最後に付けたので少しだけ昔の家の話をしようと思います。実は当時の土地関係の資料って中々残っていないんですよね。そのため今回の話もあまり参考にできる資料がなくてどうしようかなって悩んでいたら脳内に残っていたとある書物の中に9貫(現在の約1350万円)かけて家を買ったという話があったのを思い出しました。(多分兼好法師?)鎌倉と戦国時代じゃ多少違うだろうし買った場所も違うだろうからあまり当てになりませんね。流石に前田家や木下家が大名ほど金持ちではなかったと思うので大体500万から800万円ぐらいの土地を買ったのかな?なんて思ったり思わなかったりです。是非皆さんの考えを教えて頂けるとありがたいです。


次回もまた孫四郎あまり出れないんですよね。ですが孫四郎以外主役回は次が終わればしばらくは無くなるはずです。お楽しみに。

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