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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第四章 天下布武編

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72 病が勝つか、技術が勝つか

明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。


明日(今日)もしかしたら投稿できないかもしれないですが許してください。

そういえば先生の体調は大丈夫かな?心配だから秀吉様の陣に向かってみるか。


あそこかな。…秀吉様、もう帰ろうとしているんですか。

「よ!孫四郎。」

「こんにちは秀吉様。は、早かったですね。」

「おいらの知恵じゃきっとこんなに早く復帰できなかったぜ。これも小一郎や半兵衛殿のおかげよ。」

早かったですねだけで話題分かるなんてすごすぎる。

「…半兵衛先生は今日はいないんですか?」

「半兵衛殿に何で今会いたいんだ?」

あ、秀吉様は状態を知らないのか。と思っていたら秀長様がやってきた。

「孫四郎、半兵衛殿は調子が―」

「知っています。だからこそ今会いたいのです。」

「調子が悪い?半兵衛殿が?」

何で秀長様が知っていて秀吉様が知らないの?

「あ、孫四郎。久秀殿といい話は出来た?」

「先生!無理はしないでくださいよ…。ええと答えははいです。皆から学んだことを全て出して行ったら―」

ゴホッ!ゴホッ!

「先生?」「「半兵衛殿?」」

もう、寒い時期に戦場に来ちゃ…大変だ!口から血を吐き出している!

「先生!大丈夫ですか⁉」

「大丈夫…。大丈夫だから。」

「すぐに医者を―」

「まずは安全な場所に運びましょう。診てもらうのはそれからです。」

「そ、そうだな…。半兵衛殿、すまなかった。もっと早く気づけていたら―」

「「まだ私/先生は死にませんよ。この程度の咳では。」ですが放っておくと後1年しないうちに死にますよ。」

何でここは息ピッタリなんだよ。

「藤吉郎!助けに来たぞ!」「孫四郎さん、助けが必要でしょ?」

遅いよ、小六殿、久太郎さん。

「藤吉郎!何をやればいい?」「秀吉殿、私も力を貸そう。」

丹羽様、十兵衛様。そこまで騒がなくて大丈夫ですよ。

「え、え、ええと…。」

「小六殿は京方面の道の安全確認をお願いします。丹羽様と久太郎さんには僕らの前で護衛をお願いします。十兵衛様は多少、医術があったはずなので先生の様子の観察をお願いします。秀長様は信忠様に撤退する事情を伝えてください。羽柴家は1回無断で撤退してしまったのでまた同じことをしたら取り潰しなんてこともあり得ますから。僕と秀吉様は見守り役です。これでいいですか?」

我ながらいい判断だと思うよ。

「「「承知。」」」「「わかった。」」「…すまぬ。」

急ごう。これ以上悪化させてはいけない。


「十兵衛様、どんな状態だかわかりますか?」

「わからぬ。私でもこのような咳をする人は見たことがない。だから何も助けてやれぬ。」

十兵衛様でもわからないのか。多分僕が見た感じだと肺結核なんだよ。でもこの時代でそんな病名を言っても通じないよね。

「光秀殿、何でもいい。薬を―」

「駄目です。適当な薬を飲ませたらより一層悪化する場合があります。薬は病に効く場合と効かずに逆に悪化する場合がありますから。」

「…そんな。」

悔しいよ。今は生きていけるだろうけどあと2,3年したら半兵衛先生は死んじゃうかもしれない。もっと歴史に詳しければ…もっと医術に詳しければよかったのに。十兵衛様で駄目ならもう…いる。後1人可能性が残っている人がいる。

「皆様、送るのは京までで構いません。そこから先は僕と久太郎さんで先生を日ノ本一の医者の下に連れていきます。」

「日ノ本一の医者?」

「はい。どこにいるかは言えませんが。」

「…こんな一大事―」

「でもないですよ。私がまだ生きられると確信していますから。」

いや、先生も異常でしょ。その通りなんだけどあんなに血を出したら普通死期が近いって勘違いするよ。

「わかった。京までは送る。そこから先はお前たちに任せるぞ。それでいいな?」

「はい。絶対に半兵衛先生を長生きさせます。」


京で皆と別れた。鉄砲隊の皆や堀隊の皆も自分たちで帰れるとのことだったので任せることにした。堀直政殿はなぜか安心して任せられるんだよね。その従兄弟の僕の友達よりも。

「さて、どこにいるの?」

「あなたの奥さんのことですよ。」

「…あ、なるほど。」

いつもとリアクションが違くて困るんだけど…。

「松右衛門さん、六兵衛さん。本当に良かったんですか?早めに戻れば少しは休めたでしょうに。」

「孫四郎様にはいつもお世話に…いうても最近はお世話になってないな。」

「六兵衛、手取川での出来事を忘れたか?」

「冗談ですよ。…さて安土に運べばいいですよね?」

「何で知ってるんですか?まあその通りなんですけど。」

「この方、寝ておりますが大丈夫ですか?」

そう、半兵衛先生は今、寝てもらっている。

「あえて寝させてあります。今ぐらいしか休めないぞと脅しておきましたので。」

「違うでしょ。今寝ておかないと後で大変なことになるので寝ていた方がいいですよって言ってたでしょ?」

「う、うん。正直に言わない方が面白かったのに…。」

これ、病人を運んでいる人たちの会話か?というのはやめてほしいな。


「ここが孫四郎様の家…。ほ、ほぼ城じゃないですか。」

「いやいや城なら4、5階建てでしょ?この家は1階しかないですから―」

「そんなことより半兵衛様を早く運びましょうよ。」

…一体何をやってたんだ、僕らは。

「2人ともありがとうございました。これはほんのお礼です。生活費の足しになるかはわかりませんが受け取ってもらえると嬉しいです。」

「このお金は受け取れません。そのお金でこの方の病を治してあげて下さい。孫四郎様の師匠なのでしょう?」

「…わかりました。このお礼は事態が落ち着き次第までお預けになっちゃいますがそれでいいですか?」

「全然。…早く連れていきなよ、孫四郎様。」

ありがとう、六兵衛さん、松右衛門さん。


「お帰りなさ…半兵衛様⁉何で―」

「しっ。起こしちゃ駄目。先生は今、病を患っているの。うつりたくないなら離れときな。」

ごめん、慶松。適当な言葉しか選べなくて。

「…何となく察しました。手伝えることがあったら何でも言ってくださいね。」

「ごめんね、助かる。」


「なつ、入るよ。」

「はい。どうぞ。」

相変わらずこの部屋は医療関係の物しかないな。

「…なつも未来から来たんでしょ?」

「なっ…。久太郎様が何で知っているんですか?」

「孫四郎さんも同じだから。それとこの時代にはない薬や言葉が多すぎるから。」

「…孫四郎様も?」

「うん。僕も未来から転生したんだよ。本当の前田利長という人間は今頃、父親の背に隠れているはずなのにこの世界だと自由気ままにやってたら『狙撃の孫四郎』という異名が付けられたし。」

「確かに。前田利長が史実で活躍するのは信長亡き後からのはず。それに2人の言葉遣いも不自然だし…。」

「…まあ話は後でしよう。なつ、ここ数日半兵衛先生は吐血が続いているんだ。僕の見た感じだと肺結核を患っているように見えるんだけど合ってる?」

「合ってるよ。この人の体は他の人より何倍も弱いのに何も対策せずに経過させていった結果、今のような状態になっているんだと思う。このままだったら推定余命は2年だよ。」

「結核で2年生きられるの?前世では半年ぐらいで死んじゃった人もいるけど。」

「治療を続ければ完治できる人もいるよ。でもこの人は治らない。あと数カ月早ければ間に合ったかもしれないのに…。」

「…ここはどこ?」

先生が起きた。

「僕の家です。先生、あまり動かないで。もうちょっと休んでていいですから。…余命だそうです。」

「よめいって?」

この時代、余命という言葉がないのか?

「漢字で書くと余る命です。余命と言われた人は生きられる時間が少ないということです。」

「…あとどれぐらい生きられるの?」

「多くて2年だそうです。もしも治療を受けなければ。」

「半年ぐらいしか生きられません。」

一体先生は何を考えているんだろう。僕が同じ立場だったらショックすぎて引きこもったりするかもしれないけど…。

「この人は秀政殿の…そういうことね。孫四郎と同じ感じね。」

え?

「僕、先生に正体言いましたっけ?」

「いや、言ってないけど何となく察してるよ。私も秀長殿も。」

秀長様にも?何でばれたんだ?

「このお医者様が言うなら本当に死期が近いということか。」

「…どうします?治療をしても2年ぐらいしか生きられませんが。」

「…治療するよ。お金はあるよ。…まだ私は死ねない。秀吉殿を明るい道に導かないといけないからね。」

「では…この4種類の薬を2か月間、毎日欠かさず飲んで下さい。2カ月経ったら必ず私の下に来ること。絶対ですよ。」

「戦場にいる場合は僕がなつを連れて先生の下に行きますよ。…まだまだ先生には学ばなくちゃいけないことがあるし。」

「いや、僕が行くよ。孫四郎さん忙しいでしょ?」

「困ったね。お互いに大事な人を守るために行きたいんだよね。…じゃあしばらく秀吉様の下で共闘する許可を信長様に取ります。柴田様には後で謝っておきます。それと慶松もこれからは戦に連れていきますか。あの子は絶対に僕を超える知識量を持つはず。」

「それで2カ月経ったら僕がなつを連れて半兵衛殿の様子を見てもらう。これでいいですか?」

「「うん。」」

竹中半兵衛生存プロジェクト開始だね。


おまけ

~慶松視点~

え、勝手に初陣が決められたんですけど。…大丈夫ですか?私、まだ13ですよ。若様とは事情が違うのに…。

「そうそう。慶松を長浜に留学させてもいいかもね。」

「留学ですか。確かに虎之助殿とは会わせた方がいいでしょうね。2人とも将来に期待ができるし。」

いやいや。若様はまだ16でしょ?私と3つしか変わらないんだから若様も将来が楽しみだと皆思ってますよ。…あれ?私、何様目線で若様のことを思っているんだ?

肺結核の治療法は色々ありますが、私的には最初2カ月はリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド、ストレプトマイシンを内服させ、その後リファンピシンとイソニアジドに変えるというやり方が一番いいのかなって思って本作ではこの治療法を採用しました。


今年の願い事は

・半兵衛の病が直りますように

・吉継が無病息災でいられますように

・孫四郎が無事生き残れますように

かな。

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