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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第一章 孫四郎立志編

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7 墨俣城を奪いましょう

今回の主役は秀吉です。最初は孫四郎視点。途中から秀吉視点に変わります。それと今回はあのお方も出てくるようで…。

河野島の戦いから数週間たったある夜のことだった。


「こんばんは。利家殿はいますか?」


誰だろう?こんな遅くに。とりあえず玄関に向かいますか。


「父なら隣の秀吉様の家にいますよ。」

「これは孫四郎殿。お久しぶりです。」


誰?この人。見覚えがないんだが。


「丹羽様!ようこそおいでなさいました。」


母上が挨拶してくれた。ええと、丹羽…丹羽…あっ。もしかして丹羽長秀か?聞いたことはある。どんな人かは知らないけど。


「まつ殿も元気にしておられたか。それは何よりだ。」

「一体なぜ父に用が?」


気になったので聞いてみた。


「孫四郎殿は佐久間信盛殿のことをご存知でしょうか?」


もちろん知っている。佐久間信盛。史実だったら後々地元の土地を乗っ取った奴。個人的には嫌いな人だ。


「ええ。ですがお会いしたことはございませぬ。」

「そうですか。…で、その佐久間殿が墨俣の城を奪おうとしたところ斎藤の奇襲にあって失敗してしまったので代わりの人を探しているのです。」


佐久間っていう人大丈夫か?河野島の時も変な推察をして『この戦で美濃を取れる!』って思ってたらしいけど。ええと城を奪う代役ね。少なくとも今の父には向いてない気がする。墨俣城?あ、あの人が適任じゃん。


「それは秀吉様の方が向いているかと。」

「藤吉郎か。確かに最近一所懸命に頑張っているのは某も殿も知っているからな。ふむ。一旦殿に聞いてみるか。ありがとう、孫四郎殿。」

「孫四郎で構いませんよ。私の方が年下ですし。」

「ハハッ。その年で言うこととは到底思えなんだ。では皆さま失礼いたします。」


そう言って丹羽長秀らしい人は帰っていった。礼儀のいい人だ。多分だけどあの人は信用できる。


「ねえ孫四郎?利家様じゃなくて秀吉様にしたのってどういうこと?」


あ、母上はちょっと怒ってるね。しょうがない。説明してあげますか。


「墨俣という城は佐久間信盛殿でも落とせない城。つまり武だけではなく頭も使えないと駄目なわけでございます。とすると適任者は父上ではなくお隣の秀吉様の方がいいと思ったので丹羽様にはああ言いました。父上は武と金の武将ですからね。」

「確かに。それにしてもあの人は毎日寝る前に銭がいくら残っているか計算して…一体何の役に立つのかしら。」


納得してくれたか。ええとお金は後の末森城で役立つらしいですよ。脳に入っている情報によれば。…末森城ってどこ?



翌朝


今日も朝から木下家にいる。朝飯前に木下家の様子を見るのが最近のルーティンになっている。あれ?僕不審者?まあいいや。とりあえず挨拶しよう。


「おはようございます!秀吉様!」

「おはよう!孫四郎。さて今日のおいらは何をしてほしいかこの5つの中から当ててみな。」


え、いきなり?ええと、用意されているのは熱々の茶と将棋盤、草むしりに使う鍬、トンカチ、下駄だ。ふむ。簡単だね。


「これですよね?床が外れてますから。」

「あ、本当だ。これには驚いた。観察力に至ってはおいらよりも上だな。…本当は茶を入れてほしかったんだけどな…。」


そうだったの?というか床が外れていることに気づかない秀吉様も秀吉様だと思う。


「ごめん!藤吉郎はいるか?」


この声は昨日やってきた丹羽様と呼ばれていた人のだ。


「これはこれは丹羽様!朝から何の用でございましょうか?」

「驚かないで聞け!明日から其方は墨俣城奪取の主将を務めてもらうぞ。」


あ、あのまま正式に決まったんだ。良かったね、秀吉様。


「は、はい?おいらが?」

「そう。お前がだ。」

「し、しかし本当に某でいいので?他に滝川様や柴田様がいるのに…。」

「柴田様は今、御坊丸様の教育役として忙しかったはずです。」


これは父上に聞いていたことだ。柴田勝家様は信長の甥である御坊丸様を預かっているらしい。何でかは教えてくれなかったけど。


「その通り。それに一益殿も別の任務が入って動けぬそうだ。どうだ、藤吉郎。やってみぬか?」

「…うーん。そう言われても。」

「失敗は恐れるな。と教えてくれたのは誰でしたっけ?」

「小一郎!」


秀長様も起きていたらしい。おはようございます。


「らしくないですよ。兄上。いつもとんでもないことをやって成功しているのに今回は自信がないんですか?」

「…!」

「そうだよ、お前様!お前様ならきっと上手くいくよ!」


ねね様の声だ。


「ねねまで…。…丹羽様。この依頼、俺にお任せください。必ず、必ず!成功して見せましょう!」

「わかった。殿にはそう伝えておく。」

「これで借りは返すということでよろしいですかな?」


借り?何のことだろう?まあ知らない方がいいこともありそうだし聞かないでおこうか。


「上手くいったらな。難しかったらなんでも私に聞け。くれぐれも諦めるでないぞ。では失礼する。」


今のうちに帰りますか。父上にも伝えておこう。秀吉様が墨俣城攻めのリーダーになったことを。



数日後


~秀吉視点~


いきなり選ばれたんで動揺していたがここ数日でようやく何がどうなっているかを全て理解した。今は弟の小一郎と作戦を考えているところだ。


「さて小一郎よ。流石に2人で奪うことは出来んぞ。」

「当たり前です。まずは人を集めなくては。でも誰に頼みましょう?我ら木下家だけではきっと足りない…。」

「それならいいところがある。」

「いいところ?」


ぽかんとしているな。絶対にあの人ならおいらを助けてくれる。まずはかつてお世話になった場所まで向かうか。



蜂須賀亭


「兄上、ここは…。」


混乱している小一郎を置いておいて家主に向かって声をかける。


「小六殿~!いるなら返事をしてくだされ!」

「小六?」


あれ?小一郎知らなかったっけ?俺が駿河に行く前にお世話になったときの話を。なんて思ってたら大男が門から出てきた。


「この声は藤吉郎か。元気か?」

「元気ですとも。ありゃりゃ。もう小六殿はお年ですかな?」

「そうそう。もう年で…って俺はまだ40だ!」


見事に一瞬俺の世界に入ってから突っ込んでる。昔から変わらんなあ。


「ん?そこにいるのは?」

「あ、初めまして。木下小一郎秀長と申します。これからどうぞよろしくお願いします。」

「応!俺は蜂須賀小六郎正勝だ。小六と呼んでくれ!よろしく!」


相変わらず小一郎の挨拶は固いなあ。そして小六殿は雑だなあ。


「それで小六殿。ちょっとお話いいですかな?」

「何か嫌な予感がするんだが。」


その通り。これから難題を言いますよ。


「此度の美濃攻めでおいらが墨俣の城を奪うことになりまして。」

「ほう。あの小物時代からは大出世だな。」

「ですが手勢が足りなくて…。」

「ようは俺の手を貸せってことだろ?…しゃあないなあ。いいよ。」


え!え!え!本当に?


「え?そんなあっさり?」

「当たり前だろ。旧知の仲だもんな。」


小六殿…。やっぱり友達を作っておくって大事だな。感謝の気持ちを示すか。


「うわーん!小六殿!」

「こらこら藤吉郎!泣きながら抱きつくな!」

「兄がすみません。」


え?小一郎これも真面目に受けちゃう感じ?ただのじゃれあいだぞ?


「気にするな。これが俺らのじゃれあいよ。」

「ハッハハッ…。」


小一郎、明らかにわかる愛想笑いはやめてくれ。



2日後、墨俣の地に偵察に行った。


「どうやって奪うのです?まさか堂々と奪いに行ったりなんて…」

「それは佐久間様の作戦だ。おいらの作戦は違う。」

「まずは城兵を誘き寄せるべきじゃ?」

「それも考えている。でも最初は虚報を流すか。小六殿、弓は持ってきたか?」

「ここにあるが。」

「これにこの書状を付けてっと。小一郎、あの壁に射抜け。」

「え?あ、はい。」


今仕込んだ書状で斎藤の連中はどんな反応をするかな?




「兄上、起きてくだされ。」


気づいたら草の上で寝てた。目の前の城を見ると兵士が何人かの首をもって歩いているのが見えた。


「お、上手くいったか?」

「はい。しかしいったい何を?」

「奴らにはその中に内通者がいるぞ。と書いたのだ。実際はいるわけないのだが。こんなのを信じる斎藤軍はもうすでに弱り切っているということがわかった。」

「次はどうする?」

「小六殿には明日の朝までに50人集めてほしい。小一郎は事前に持ってきた旗の準備を頼む。おいらは再び書状の準備をする。」


もうちょっと、もうちょっとだ。



2日目。とりあえずそこらの農民のふりをしておいらと小一郎は城門の前まで来ていた。


「なぜここに農民がいる。ここには来てはならぬという定めだろう!」

「申し訳ございませぬ。ですが今朝起きたら家にこんなものが刺さっておりまして。」


あまいぞ小一郎。今はへぼい斎藤家だからいいけど最盛期の斎藤だったらばれてたかもしれないぞ。これじゃあ武士と思われる。


「これは、書状?」

「中身を見たのですがおらたちにはよくわかんねえ書状でございまして。是非お殿様に見てもらいたくて。」


おいら上手い。多分ここまでできるのはおいらぐらいしかいないぞ。


「わかった。其方らには後で褒美を出してもらおう。殿にはわしから伝えておく。」


よし。また騙されたな。とりあえず戻ろう。


「では失礼いたしますだ。」



「こんなに上手くいくとはな。」

「兄上、農民としても生きていけそうでしたよ。」

「そうか?さてこの書状をみた奴らの反応はどうなるかな?」


ブオー!ブオー!

おっと。本当に始めやがった。


「これは上手くいったな。」

「藤吉郎!呼んできたぞ!」


小六殿、今連れてきちゃ駄目だって。


「皆伏せろ。今見つかったら計画が全て台無しだ。」

「だってよ。」


ほっ。危なかった。と思ったら目の前に見覚えのある奴がやってきた。


「殿、長康です。一体何があったのです?」


小六殿はついでに前野長康を呼んだのか。確かに長康は色々と信用できるからな。


「西から浅井が攻めてくると虚報を流したのよ。でも奴らはまだ動かぬ。おそらく城兵を集めて籠城する予定だろう。日が暮れるまで待つぞ。」


絶対に上手くいかせてやる。相手は焦っているんだ。おいらたちが焦る必要はない。




~墨俣城内の城兵の声~


「これだけ待っても来ないということは虚報だったのでは?」

「だったらなぜ民にあんな書状を出す?…まさか。」

「その民自体が偽物だったのかもしれませぬな。」

「伝令!西から浅井勢がやってきた模様。その数、何と2000!」

「何と!今更攻めるとは。皆の者出陣じゃ!」



~秀吉視点~


「何て今頃話しているはずさ。」

「アハハ。まさかその兵が同じ斎藤兵だとは思いますまい。」


流石は長康。理解が早い。


「ああ。大垣城にも書状を出した。織田が墨俣城を3000で攻めてくるとな。そして大垣城からやってくる2000は夜の間に自分たちの旗を全部浅井の旗にすり替えられていることに気づかずやってくるはず。一方の墨俣城の旗も全部織田の旗ばっかりにしておいた。あいつら馬鹿だぞ。敵がやってくるというのにかがり火を全くつけていないんだ。簡単に川北衆の皆が斎藤兵に変装して旗を変えていったよ。後はこれで同士討ちをしてくれたらいいんだけど。」


我ながらよく考えたと思う。人間は焦っている時はよく確認しないで外に出てくる癖がある。これをおいらは上手く利用できないかと考えたわけさ。


「ですが兄上。我らは50人しかいませんよ。城兵だけでも200はいるように見えます。そう簡単に倒せるわけ…」

「ある!おいらたちがまず狙うのは大垣城兵の大将だ。奴らが同士討ちをしているうちにこっそり内側に入って首を取る。それで敗走している間に墨俣城の城主を討ち取る。簡単だろ?」

「いや、全然簡単じゃないように感じますが。」

「何のために最初に城兵を殺したと思う?」

「…!まさか。」

「死体置き場から拾って来たわ。数は20個。20人がそれぞれバラバラになって潜入すればばれないだろう?」

「途中で入ってくる―」

「墨俣からの伝令です!とか言えばばれない!」


全く。小一郎め。こんな策もわからないか。


「大垣兵が迫っています。そろそろです!」

「わかった!皆気合い入れろ!これで決着をつける!」

「了解!」


まだ油断はできない。下手したらばれて攻めて来ないかもしれないからな。



斎藤勢が向かい合っている。


「来ました!浅井の兵です!」

「行くぞ!」

「お、おい!目の前に織田が来てる!」

「あの旗の数、3000はあるぞ。」

「えーい!まずは織田信長を討ち取ってからにせよ。城兵は後からでも助けられる!ウッ!」

「大将様!ウッ!」

「誰じゃ!わしは味方ぞ!…ウッ!」

「退け!大将が死んだ!逃げろ!」


本当に同士討ちが始まった。もうおいらでもよくわからない。でも1つ分かったのは大垣軍の大将がどさくさに紛れて死んだこと。とすると作戦を変えた方がいいな。


「作戦2に変える!行くぞ!」

「応!」


急げ!今なら絶対に墨俣城主を倒せる!



「城主様、お助けくだされ。」

「ん?なぜお昼にあった民がいる?」


そう。おいらと小一郎はあの時の農民の姿でやってくることに決めていた。変装は素早くできるんでね。


「気にするな。助けに来てくれたのだろう?さあ共に戦おう。」


断固拒否だ。お前と戦う?絶対にいやだね。とするとここは芝居をうつか。


「はい。我らは城主様が大好きでございます。それでは…覚悟せよ。」


あっという間に正体を見せる。刀を首元に近づけ相手を動かせなくする。


「…!其方らまさか。」

「そう。ここまで全部おいらの作戦通りと言う訳さ。」

「なっ!…おのれ!おのれ!織田め!」


キレても無駄だよ?俺、今興奮しているから。


「さあ城主殿。降伏せよ。降伏すれば命までは取らん。」

「ええい!うるさい!…ガハッ。」


小一郎が説いている間においらが首を取る!これでよし。


「斎藤の者はよく聞け!墨俣城主は討ち取った!これより其方らは自由だ!降伏するならここにいてよし。斎藤にいたいなら大垣城兵にこのことを伝えてこい!いいか?」


そう言ったら皆おいらたちから逃げて西へ敗走して行った大垣城兵の下へ向かってさっさと走って行った。やれやれ。おいらそんなに怖い?


「か、勝鬨を挙げましょう。兄上。」


小一郎まで怖がる?何か悲しいんだけど。まあいいか。


「そうだな。墨俣城乗っ取ったり!エイエイオー!」

「エイエイオー!」



~信長視点~


小牧山城内を散策していたら誰かがどたばたと足音を立てながら近づいてきた。この音は…


「五郎左か。どうした?」

「やりましたよ。秀吉が墨俣城を落としました!」


やっぱりな。任せて正解だったな。


「流石は秀吉。わしが見込んだ奴よ。」


美濃攻めはまた一歩進んだ。よし。来年までには取れそうだ。


「さてこの後どうします?」

「佐藤忠能らもこちらについたしそのまま秀吉に西美濃三人衆の調略に当たらせるか。」

「畏まりました。彼の疲れが取れ次第そう伝えます。」


織田家臣団を再編するとした時に期待に応える秀吉と応えない信盛。どちらを重用するかはもう明らかだな。



~?視点~


50人で墨俣を落とした武将がいるらしい。木下秀吉?聞いたことがないね。でも僕たちは20人ぐらいであの城を落としたけどね。でも50人でもすごいなあ。いつか話を聞いてみたいね。


墨俣城は一夜で建てたという説が有名ですが元々墨俣城は立っていてそれを乗っ取ったという説も様々な書物に書いてありました。なので私は乗っ取り説を採用しました。


またありえ無さそうな戦い方ですね。主人公が登場しない戦いはこんな風に書かれることが多いです。ごめんなさい。


織田信長が出てきました。ちょっと出したかったので出しただけですが今後はたくさん出てくる予定です。お楽しみに。


?は誰だと思いますか?コメントで予想してみてください。お待ちしております。

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