63 安土へ ~正義の味方 虎之助編~
最近2本投稿が多いですがこうしないと31日に本当に大変なことになるので長くない話の時は2本投稿にしています。
「先に言っておきますが僕も昨日安土に来たばかりだからあまり城下のことは詳しくないですよ。」
予めこれを言わないと後で痛い目に遭うから早めに言っておいた。
「いいんですよ。俺は孫四郎様と回れるだけで嬉しいですから。」
そ、そう?とりあえず家の中で掃除していた万福丸に頼んで水筒の中身をいっぱいにしてからまずはさっきの城作りの見学をしようか。
「虎之助殿は何で安土にこれたのですか?」
「あ、実は秀吉様にこの間の戦で活躍したからその褒美として安土を見て来いと言われまして…。」
ふーん。それだけじゃないように見えるんだけど。
「あ、そ、その…。」
僕、何かやりました?…冷たい目線を送っちゃったね。ごめん。
「本当はまだあるんでしょ?言えないなら言わなくても大丈夫ですけど。」
「…実は秀吉様からは170石と家臣の娘を嫁にすると言われまして。」
…負けたよ。とうとう負けた。お嫁さんでも領地でも負けた。だからあの時言ったじゃん。僕の立場なんか簡単に追い越しちゃうよって。
「…孫四郎様?」
「え、あ、あ、あれを見てください!今、丹羽様が作っている城なんですけど…。」
この後は適当に城作りの説明をして何とかやり過ごせた。途中で悔しすぎて泣いてしまったことは内緒にしておこう。
ふう。一通り説明を終えたかな。
「茶屋に行きますか?今日は僕がお金を出しますが。」
「是非行かせてください!」
お金は本当に溜まる一方だ。織田家資産ランキングをやったら多分1,2を争うよ。まあライバルは皆ご存じの父上だけど。
ええと確かこの通りの右側に…あった、あった。さて行きま―
「どけどけ!この鞘を盗んでいくぜ!」
これ人生で二度目だ。前の時は言葉で戦ったけど今回は流石に口が利かないだろう。…だったらあれしかな…ちょっと!虎之助殿!
「止まれ!止まらないとこの縄でお前の腕を結ぶぞ。」
なるほどね。虎之助殿は人を殺したくないのね。だったら作戦変更だ。風呂敷からいざという時に作っておいた折り畳み式警棒を持つ。
「…んにゃろ~!」
こぶしを握りながらこっちを狙って来たけど動きが遅すぎる。その間にさっと虎之助殿は足に縄をかける。おまけに僕が警棒を頭に軽くたたいて巨漢を倒す。弱すぎる。信長様、この人は殺さないであげて。いや、殺すべきか?
「どうすればいいですか?」
あ、こいつを送る場所ね。
「丹羽様が指示を出している石垣に戻りましょう。裁定は丹羽様にお願いした方がいいかと。」
「了解です。」
にしても重いな。でも虎之助殿が鍛えているおかげか運ぶのはいつもよりは楽だった。この後忙しい丹羽様に処分を依頼して茶屋に戻って団子を食べてから楽市の端まで見送ってようやく今日のミッションは終わったかと思った。
家の前
もうお昼か。今日は何を食べようかな。と思いながら玄関を開けたらあれ?3人とも出かける準備ができてる。…まさか。
「あ、帰ってきた。さ、孫四郎さんも行こう?」
嫌な予感的中。一応聞くか。
「ど、どこに?」
そう聞いた瞬間3人は声を合わせてこう言った。
「「「お買い物!」」」
いやあああああああ!もう今日は疲れたよ!でも行かないとお昼がないって?しょうがない!行くか。今日3回目のお出かけ行きますよ。




