62 安土へ ~秀長と高虎編~
短い話が続きます。
翌朝、約束通り朝早くから秀長様はやってきた。
「おはよう孫四郎。」
「おはようございます、秀長様。」
朝の挨拶は必ず丁寧に行う。偉い人には頭を必ず下げながら挨拶をする。
「じゃあ行こうか。」
「はい。…まずは城の普請の状況を見たいです。」
「了解!」
すごい。石垣はもうあとちょっとで完成しそうだ。
「おい!お前!石を乱暴に扱うな!」
「…この石重いんだ。お前が持ってみろよ。」
「そうじゃない!いいか、石というのはピタっと止まる場所があるんだ。まあ乱暴に扱う其方には―」
「こういうことか?」
あの人すごいね。一瞬で相手が言っていることを理解しそーっと石を下の石に形が合うようにくっつけた。…ってあれ?あの顔は。
「高虎殿!孫四郎です。覚えていないかもしれないですけど3年前―」
「ああ!あの時の出世小僧様ですな。いやいやいやおかげさまで感謝しております。…実はあの後磯野様が隠居されて織田一族の信澄様が佐和山にやってきたんですよ。でもその時に信澄様の家臣から『お前は頭でっかちなだけで使えん。』と言われてしまいまして。」
信澄様の家臣もひどいなあ。主君の信澄様だったら絶対に家臣を大切にするはずなのにな。
「…そうだ、孫四郎様。私はあなた―」
「秀長様、この方を召し抱えてあげてくれませんか?高虎殿は本当は頭が使えます。頭のいい秀長様の下でしたら―」
僕には仕えさせないよ。まだ彼は本領発揮できていない。次の主君は秀長様なんだけど…いるじゃん!と思って話しかけたら途中で打ち切られた。
「言われなくてもわかってたよ。藤堂高虎だったか?羽柴小一郎秀長だ。其方を300石で召し抱える。今後は私の下でたくさん学んでもらう。それでいいか?」
「…!ははっ!あの秀吉公の弟様に声をかけられるとは思いませんでした。藤堂与右衛門高虎。一生あなたをお支えします。」
よかったね、高虎殿。
「というわけで孫四郎。今日の所は帰ってくれ。私は高虎を長浜に連れて帰る。」
は、はい⁉僕を置いて帰るだと⁉まあいいか。早く帰って今日は皆で遊ぶか。
ようやく家に着いた。と思ったら家の前に誰かいる。…あれは。
「虎之助殿?何でここにいるのです?」
「わ、孫四郎様⁉もしかしてこの家って―」
「僕の家だけど…。」
何だと思ってずっと見てたの?…何で来たかはわからないけどまあお茶ぐらい出しますか。
「孫四郎様!俺と安土を回ってくれませんか?」
お、おう。まあいいけど。…今日は忙しくなりそうな予感がしてきた。
高虎を秀長の家臣に無理やりしました。
史実ではどうなったかわからないので300石という点だけを史実通りにして後はオリジナルで作ろうと決めましたがどうでしたか?お嫌かもしれませんがお許しいただけるとありがたいです。
まだまだ安土編が続きます。次は20時です。




