表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第三章 孫四郎危機編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

50/199

48 地の利は敵にあり

12時の話よりは長くて飽きずに読めると思います。

あれから数日間。僕の体調はまだ不安定だ。利長君曰く数日間は目の前がグルグルになったり吐き気を催すらしい。早く治りますように。それと万福丸は今夜お見舞いに来る久太郎さんと一緒に京の僕らの家に行ってもらうことにした。僕はこの状態が治ってもまだ忙しいからね。


その夜

~利家視点~

「孫四郎さん!お見舞いに来たよ!」

「孫四郎。大丈夫か?」

外から声が聞こえる。声からして久太郎と賦秀だろう。お見舞いに来たんだな。

「入れて大丈夫か?孫四郎?」

「構いません。今は気分がいいので。」

本当かな?見た感じこの間よりは顔色よくなっているけどそれでもまだ本調子じゃなさそうだな。

「入っていいってよ。」

「ではお邪魔します。」「お邪魔します。」

あれ?後ろにもう1人いるな。あ、森家の勝三か。あいつ、森とも結構関わりがあるからな。それにしても何で皆集まっているんだ?…もしかして。


~孫四郎視点~

「全く、心配させやがって。」

「でもまだ顔色悪そうだね。無茶してる?」

ギクッ。久太郎さんにばれてる。

「…はい。若干無理してます。」

「え?だ、大丈夫なの?」

長可殿に心配された。まさか来てくれるとは思わなかったから正直驚いている。

「まあね。一応呼吸はいつも通りに戻ったし。後はめまいがどうにかなれば無事戻れると思います。」

「僕なんて倒れたって聞いたから急いで京から来たんだから!もう~!」

こういう時の久太郎さんの顔可愛い。蘭丸に似ている。

「急に駆けつけちゃって大丈夫だったんですか?仕事は?」

心配だったので聞いてみた。久太郎さんがこの中では2番目に忙しいからね。1番は多分僕だ。これで自分じゃないといったら皆から不満を買うよ。

「正直秀吉様の代わりに京の見回りとか細川藤孝殿とのお話とかばっかりだったから全然大丈夫だと思う。」

いや、駄目でしょ。会談はともかく見回りは毎日やらないと…。

「慶松は?」

「毎日よくやってくれてるよ。でも君が倒れたって報を聞いた時かなりやつれてたというか、その…。」

「心配をかけちゃったか。ごめんなさい。」

何を言えばいいかわからない。いや、1つ言わなくちゃいけないね。

「後で手紙を出すから久太郎さんに渡してもらっていい?」

「いいよ。僕しか渡せる人がいないもんね。」

「それでな、すでに聞いてるかもしれないが信長様が長島攻めを決めた。」

賦秀さん、僕はしばらく外出していないんだよ。知るわけないじゃん。でも時期的には合っている。史実では長島攻めは全部で3回行われていた。1回目が1571年、2回目が73年、3回目が74年だ。

「俺と勝三が信長様と共に行くことに決まった。孫四郎も体調が戻り次第合流するようにとのことだったが…無理か?」

どうしよう。悩むことしかできない。

「孫四郎さん、体調が悪い時は無理に行かなくていいんだよ?」

「わかってます。でも…。」

「見に行きたいという気持ちもあるんだろ?」

「…はい。」

今日は皆に遠慮してしか発言できない。おかしいな?いつもなら本音を言えるのに。

「1つ言わせてもらうと病人は信長様の足手惑いだってことだけ教えてやる。」

長可殿は僕が前いじってから二重人格になっちゃったな…。ごめんね。

「…治します。根性で。」

そう言った瞬間賦秀さんだけ笑った。残りの2人はこいつ大丈夫かって目で見てきた。

「らしくないぞ孫四郎。でもな、確かにお前の気持ちはよくわかる。ちょっと外に出てこい。」

そう言って賦秀さんは外に出て行った。何をするんだろう?


無理やり体を起こして外に向かって歩いていたら声が聞こえた。

「利家殿、すみません。木刀2本借りてもいいですか?」

「あ、いいけど何に使うんだ?」

何か声が聞こえるな。木刀2本?どういうこと?

「賦秀さん、何してるんですか?」

「来たな、孫四郎。1本持て。」

「…はい。」

何をやるかわかった。すぐに体を温めるために来ていた羽織を脱いだ。涼しい夜だ。何とか体をコントロールできる。

「行くぞ。」

「倒れても知りませんよ?」

「やっ!」

来る!

【孫四郎君、助け要る?】

【いらないよ。】

犬千代、これは僕らの戦いなんだ。手助けなんていらないよ。

賦秀さんの攻撃をよけるために全身の筋肉を緩める。そして腹に攻撃を当てる。不思議だ。時間がゆっくり流れているように感じる。

トン。

「…!風邪ひいてても強いじゃないか、孫四郎。見直したよ。初めてこうやって戦ったけどお前、やっぱり強いよ。」

「ハアッ、ハァッ。自分でも驚いています。最近は鉄砲しか使ってなかったから。」

「それでこれか?…俺もまだまだだな。」

あれ?刀根坂の戦いより前の楽な状態に戻ってる。

「…不思議です。体がすごく楽になりました。何で?」

「ずっと体動かしてなかったろ?それでだるさや熱が溜まってるんじゃないかって思った。」

何だそれ。聞いたことないよ。

「とにかくこれでいけるだろ?」

「はい。ありがとうございます。賦秀さん。」

後ろで見ていた父上含む3人には冷たい目線を送られた。本当にそうなったんだから信じてほしいけどまあ信じられないよね。


~久太郎視点~

宿に戻ろうとしたら利家様に引き止められた。何だろう。

「いつもありがとな。孫四郎の世話をしてくれて。」

「いえいえ。逆に僕の方が孫四郎さんには世話になってますよ。」

「まあ、あいつも変わり者だからな。お前は知ってるだろ?奴の秘密を。」

「はい。本人から聞きましたから。」

あの日のことは忘れられない。先の時代からやってきた孫四郎さんの魂。未来ではどうなっているのかとか聞いたけどパッとしなかった。僕らの時代より発展していることしかわからなかった。でも最近は英吉利という国の言葉を孫四郎さんがよくつぶやいているから他の言語についてはだいぶ信じられるようになってきたけど。

「でな。この間体調を崩した時に入れ替わる前の孫四郎の魂があいつの体に流れ込んだらしいんだ。」

…?どういうこと?

「詳しいことは本人から聞いた方がわかりやすいがその影響でめまいや吐き気がしたらしい。」

ますますわからない。

「そんな状況でお願いするのもなんだが聞いてくれるか?」

頷いた。それしか出来なかった。

「これからも孫四郎を大事にしてやってくれ。本来なら俺がやるべきなんだろうが柴田の親父様の与力になってからあいつのことは滅多に見てやってられてない。でもお前は孫四郎と一緒の家に住んでいるんだろう?」

「はい。お任せください。」

「あれ?久太郎さんまだ帰ってなかったの?」

え、孫四郎さん?

「ああ、ちょっと俺と話してたんだ。」

「そうですか。で、話は終わったんです?」

「おう。」

2人とも仲がいいなあ。僕も見習いたい。

「…お見送りしましょうか。」

いいの?その目の感じからしてきっと本心なんだよね。

「ありがとう、孫四郎さん。」


「さっきは何を話してたんです?話せないことだったら別に構いませんが。」

いや、気づいてるんでしょ。目元からして気づいていて聞いているような目をしているもん。

「睨んでます?」

嘘っ。顔に出てた?

「…私が意地悪な質問をしたのがいけなかったですね。ごめんなさい。」

「ええとわかればよろしい。…だっけ?」

ぽかんとした顔の後、え?というような表情で見てきた。

「僕、それ言ってましたっけ?」

「うん。普通に。」

今まで見たことない孫四郎さんの顔だ。そんな驚くことだった?

「そんなことより聞きたいことがあるんだけど。」

「何ですか?」

帰り道の間はずっと他愛ない話をしていたということにしておこう。


23日

~孫四郎視点~

3週間ぶりの軍議だ。ここ数日休んでいたから丹羽様や一益様からは大丈夫だったかと心配された。織田家の人って本当に優しいね。

「皆集まったか。では此度の目的を言う。」

いつの間にか信長様が座っていた。話を聞いた感じ今回は2つのグループに分かれて北伊勢を統一するらしい。1つが佐久間様・秀吉様・丹羽様を中心とするグループ。もう1つは柴田様と一益様を中心とするグループだ。

「明日、出陣し明後日には太田城に着く予定だ。そのつもりで行動せよ。」

「はっ。」

「これで解散とするが孫四郎のみこの後残るようにせよ。」

え?何かやらかした?


「孫四郎でございます。何でございましょうか?」

「此度の戦、秀吉と権六、どちらに学びたい?」

え?自分で決めていいの?

「信長様は前に出ないのでしたよね。」

「ああ。めんどくさいからだ。」

ええ?そんなんでやめていいの?そうだなあ。…たまには柴田様に学びに行こうかな。

「…此度の戦は柴田様に学びに行ってもよろしいでしょうか?」

「ああ。権六もきっと喜ぶぞ。又左の子だもんな。」

確かにそうかもしれないけど。僕が選んだ理由はそれだけじゃないよ。

「じゃあ戻っていいぞ。」

それだけ?それだけだったら明日でも聞けたんじゃないですか?まあいいけど。


26日 坂井城

僕たちは昨日、無事に太田城に到着した。朝には坂井城という城を攻め始めていた。

「かかれかかれ!」

「オー!」

すごいな柴田様。あっという間に皆の心を合わせたよ。

「どうじゃ孫四郎?わしの戦は。」

ボケーっと見ていたら柴田様に声をかけられた。あれ?あなたさっきまで前列にいませんでした?まあいいか。

「そうですね。信長様とは違う、恐ろしさを感じられます。」

「ほう?例えば?」

「信長様は魔王のように恐怖で戦を行う場合が多いです。ですが柴田様の場合はそういう恐怖じゃなくて自分から突撃して皆の心を1つにして戦うことで敵は恐ろしさを感じると思います。」

「ほう。賦秀とは違う見方をしているか。」

喋り方から何か温かさを感じる。最近の信長様は冷たいからな。と思っていたら柴田様は地図を取り出してきた。

「賦秀、勝蔵。この城は後10日で落ちる。問題はその後だ。次に落とす城は近藤城だがお前たちならどうやって落とす?」

近くにいた2人が話しかけられた。長可殿はよくわかっていなさそうだった。賦秀さんは、

「そうですね。某でしたら包囲で敵意をくじかせます。」

と言った。

「じゃあ孫四郎は?」

そ、そう来るか。…地形からするとあれかな?

「確か滝川一益様が金堀衆を連れてきていたはず。なので私だったらその金堀衆にお願いして火薬や爆薬を敷き詰め爆破させます。」

賦秀さん驚いている。驚いた?自分で言うのもなんだけど機嫌がいい日は頭が冴えるんですよ。

「80点かな。でも大体あってるぞ。流石は信長様の片眼じゃ。」

これ賦秀さんのあだ名じゃなかったっけ?いや違う。賦秀さんは史実なら両眼だったはず。つまりもう片方の眼の人がいるはずだ。

「まあ暇だから聞いただけじゃ。だが油断するなよ。敵はいつ攻めてくるかわからん。常に自分の身だけは守るようにせよ。」

その通りだ。初めて柴田勝家という人を尊敬したかもしれない。もしも信長様が死んだあと例の2人のどっちかに付けと言われても選べないかもしれない可能性が出てきたよ…。


10月6日、坂井城は降伏した。続く近藤城も金堀衆の活躍によりすぐに落城した。今頃、秀吉様たちはどうしてるかな?


~秀吉視点~

9月26日、おいらたちは西別所城を攻めようとしていた。

「猿!五郎左!此度の戦はわしが全て決める!絶対に口出しするんじゃないぞ!」

ふーん。本当にそれでいいのか?佐久間様。

「おのれ!この―」

「蜂屋殿、良い。きっと佐久間様はいい策を出せるから任せろと言っているのだ。そうであろう?」

丹羽様、明らかに佐久間様のことを舐めているよね。

「おうよ!こんな城、強行突破で行けるぞ!」

そうは思えんがな。でもそんなに自信があるなら任せてみるか。


数時間後

まさかこんなに上手くいくなんてな。西別所城は本当にもろかった。ちょっと攻撃しただけで城兵は逃げていった。佐久間様の考えがたまたま当たっただけとは思えない。もしかしていつものおバカな様子なのは演じているだけなのか?かつての佐久間様とは違うけど少しずつ前の状態に戻ってきている気がする。

「がっはっは。これでよし。」

「上機嫌ですね。佐久間様。」

「そりゃあそうじゃろう。わしの考えで勝利に導けたのじゃからな。」

気を抜くなよ。まだ戦は終わっていない。


その後、信長様は春日部、赤堀、大儀須、千種、富永といった豪族を降伏させていった。だが白山城の中島将監だけは抵抗する姿勢を見せたので金堀衆を使って落城させた。今頃、柴田殿はどんな動きを見せているかな…。


~孫四郎視点~

「ほう。なかなかやるな。其方将棋ができると賦秀から聞いていたがここまでとは。」

「いえいえ。柴田様の方が強いですよ。もうすぐ…。」

「本当じゃ。王手。これはもう逃げられまい。」

「はい。久しぶりに負けました。信長様よりも強かったです。」

暇だったので柴田様に将棋をやらないかと誘われた。せっかくだしやってみるかと思って普通にやっていたら意外に強いことが分かった。久しぶりに本気でやったけどあっという間に負けてしまった。柴田様は香車と飛車の使い方が上手い。僕はまだまだだとよく思い知った。

「親父様、信長様より伝言です。」

本陣からの使者だ。

「目的は果たした。すぐに撤退せよとのことです。」

「わかった。孫四郎は成政と一緒に後ろを任せてもいいか?」

「はい。お任せください。」

思わず言っちゃった。しまった。殿を任されたってことじゃん!でも成政様がいるなら大丈夫か。


多芸山という山を越えたあたりだった。

「いたぞ!奴らを殺せ!」

待ち伏せか。もう何度も襲われているから慣れちゃったよ。

「孫四郎!」

「あ、成政様。後ろは任せてください。連射式なので一回撃ったら―」

ダダダダダダダダン!

「ぐわっ!」「ジャッ!」「グヘへ!」

あっという間に敵兵は死んでいく。

「ね?これなら安心ですよね?」

「お、おう。…雨か。」

本当だ。雨が降ってきた。

「奴らは鉄砲を撃てないはずだ!もう1度行け!」

来ちゃいます?

「確か孫四郎が作った鉄砲って―」

「はい。今日は予備も持ってきています。成政様も使いますか?」

「では遠慮なく。」

2人で弾を込めて引き金を引く。するとあっという間に敵は吹っ飛んでいった。

「なぜ雨でも鉄砲が使える?弾が湿気るんじゃ?」

「た、たまたまだ!行け!行け!…ぎゃっ!」

無駄だよ。突っ込んで来たらそれだけ犠牲が出ると考えた方がいいと思うけどな…。

「退け!退け!こいつらは相手にならん!後ろの信長を狙うぞ!」

しまった!まだ信長様の兵がいるのを忘れてた…。


その後柴田・滝川隊は奇跡的に犠牲者0で美濃に帰ることに成功した。だが信長様率いる本隊は林通政殿を失ってしまったらしい。もっと周りに気を配らないといけないことがよく分かった。

本来は2話で分ける予定でした。ですがこれを分けると3章のキリが悪くなってしまうので今回は繋げることにしました。


次で1573年はおしまいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ