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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第三章 孫四郎危機編

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46 浅井万福丸を捜せ

あまりこのあたりの話は時が流れるのが遅いです。義昭追放~第二次伊勢長島までは結構狭めに組んであるので申し訳ないですがお許しください。

長政殿の首を呆然と見ていた信長様は突如僕と秀吉様を呼び寄せた。

「お呼びでございましょうか。」

「ああ。長政には子供がいたはずだ。だが市に聞いたら家臣と共に逃げたと言っていた。そこでお前たちにはその子供を捕らえる役目を命じる。」

「恐れながら申します。捕らえた子供はどうすればよいでしょうか?」

秀吉様がおそるおそる聞いた。信長様は冷めた顔で答えた。

「さあ。とにかくお前たちは俺に命じられたことのみやればよい。いいな?」

「「はっ。」」


戻りながら秀吉様が話しかけてきた。

「一体どうなるんだろうな?少なくとも謹慎…閉門は最低限の罪であるだろうな。」

「きっとその子はお市様の子ではないですから処刑されるでしょう。」

驚いた顔で僕の顔を見てきた。

「その子の名は確か浅井万福丸というそうですが歳はまだ10歳だったはず。ですが信長様は朝倉攻めの時に義景と側室の子である愛王丸をまだ4つだというのに丹羽様に命じて処刑しました。まだお市様の子だったら生きる希望があったかもしれませんが側室の子では…。」

秀吉様は悲しそうな顔をしている。

「ですが、1つだけ助けられる策があります。但しそれは信長様に嘘をつくことになりますが。」

「その策とは?」

あれ?秀吉様が僕に丁寧語を使ってる?まあいいけど。

「既に亡くなっている遺体を使うんですよ。万福丸本人を見つけても信長様に渡すのではなく我らで隠し持つのです。そして信長様には越前の焼き討ちの時に亡くなった幼子の首を差し出せば多分ばれないと思います。」

「…それ、ある意味信長様より悪だぞ。」

「ですがそうでもしないと茶々様たちはきっと悲しむでしょうしまた血が流れるだけです。」

「…なんて言い訳をするんだ?」

「万福丸殿を見つけたのですがあまりにも我らに敵対心が剥き出しでいつ殺されるかわからない状態だったので殺される前に殺しました、と。」

「…それしかないか。場所はわかるか?」

「姫様方に聞いたところ北の方に向かったと聞いております。恐らく敦賀方面に向かったかと。」

「了解!木下隊全員で向かうぞ!」

ちょ、ちょっと。延暦寺の時の作戦忘れました?

「駄目です。大勢で向かったら子供は逃げます。多くても10人ぐらいが妥当です。」

「じゃあいつも通りの人数で行くか。」

こくんと頷いた。こうして万福丸捜索は始まったのであった。


翌日、ようやく敦賀に着いた。前世の記憶だとこの辺りにいるはずなんだけどな…。

「もしや織田の方でしょうか?」

そう思ってたら声をかけられた。1人は20代前半ぐらい、もう1人はまだ10歳ぐらいの子供だ。旗を持っていたからわかったのかな?

「いかにも。某、織田家臣の木下藤吉郎と申す。その方は?」

「某は木村喜内之介と申す。そこにおられるお方は今は亡き浅井長政様の子、万福丸様じゃ。」

あの、勝手に名乗っていいわけ?あなたの名前はともかく、そこの万福丸殿は困った表情をしているよ。

「ええと、まずお2人はこれからどうするおつもりで?」

秀長様が聞いた。

「北に逃げようかと思いましたがこれ以上進むと一揆勢に殺されかねませぬ。そこで敦賀の辺りをうろうろしていたのですが…。」

一揆?…加賀の一揆のことか。

「なぜ全て話してしまうのです?あ、名乗り忘れていましたが私は前田孫四郎と申します。」

喜内之介は困惑している。そりゃあそうだろう。こんなに質問詰めされたら誰だって困惑する。

「…あなたたちは信長殿と違いどこか信頼できると感じたので。」

「単純ですね。でも間違いではありませんよ。我ら以外に話しかけていたら必ず殺されていたでしょう。」

2人は震えだした。

「万福丸殿、このままだといずれそう遠くない日に信長様に捕まって処刑されてしまいます。ですが私たちは子供を殺したくない。そこで貴方には我らと共にしばらく行動を共にしてもらいます。」

2人とも驚いている。普通なら心配だよね。

「大丈夫。信長様には先の越前攻めで亡くなった子供の首を差し出しますから。」

「それを言う孫四郎もおかしいぞ。」

秀吉様に突っ込まれた。

「私に生きる価値などあるのでしょうか?」

万福丸殿が話し始めた。

「あります。あなたが死んだら茶々様、初様、お江様はきっと悲しみに暮れるでしょう。あの方たちにそんな目に遭ってほしくないですよね?少なくとも私があなたの立場だったらそう考えますが。」

「…!妹たちは無事なのか?」

「はい。お方様含め無事でございます。」

「そうか。…私もあなたたちのことは信用できます。もしあなたたちに殺されたとしても未練はございません。」

いや、殺さないから。まだ幼いからか言葉が選びきれていない気がする。まあ良かった。早めに見つけられて。


岐阜に戻るまでは万福丸と普通に会話をしていた。呼び捨てにしているのは本人が希望してのことで曰く、『自分の方が年下なんだから楽に話しても構わないですよ』とのことだった。そっちの方が僕も楽だ。


途中の木ノ本の辺りに着いたところだった。目の前を大男が歩いている。

「おっと。」

馬がぶつかってしまった。

「ごめんなさい。ちょっと操縦が上手くいかなくて…。」

「あ、いや、俺もよそ見していたので。」

ん?この人、只者じゃないな。何かしらのオーラを感じる。

「私は前田孫四郎と申します。貴方の名前は?」

「俺は貴方なんて呼ばれる身分じゃないですよ。名は藤堂与右衛門高虎と申します。」

藤堂高虎か。秀吉様たちは何でこんな奴に声をかけたというような目で俺を見ている。僕は知っているよ。この人、後で築城の名手として有名になるんだよ。前世で伊賀上野に行った時知った。

「藤堂…もしかして其方の父はあの甲斐武田の信虎公に仕えていましたか?」

「なぜわかるのです?そんな情報有名ではございませんが。」

「家臣に聞いたことがあるのです。昔、藤堂というものが武田信虎公の下で働いていたと。」

嘘である。慶松がそんなことを知っているはずがない。これも前世で仕入れた情報だ。

「何と。その者に会って見とうございますな。」

秀吉様は寝始めた。秀長様に至ってはよそ事をしている。真面目に聞いているのは半兵衛先生と万福丸だけだ。

「ところで高虎殿はこれからどこへ向かうので?」

「この間、浅井を裏切った阿閉貞征様の下へ向かおうかと。」

そうか。浅井が滅びたから新たな主君に仕えなくちゃいけないのか。でもそれは駄目だ。この人にとってきっといい思い出ができる場所ではあるまい。事前に聞いた話だと阿閉って相当やばい奴って聞いたことがある。僕が雇うか?いや、僕にはもったいない人材だ。ええと、確か高虎って、

浅井→阿閉→磯野→信澄→秀長→秀保→秀吉→家康→秀忠→家光

って仕えていくんだよね。信澄が誰かはわからないけどその手前の磯野は恐らく磯野員昌殿のことだろう。あの人は…信用できる。

「阿閉に向かうよりは磯野家に向かった方がいいと思います。阿閉はきっと新人を重宝しません。ですが磯野員昌殿は高虎殿のような力自慢の武士を集めていますから。」

「なるほど…。ご忠告感謝いたす。」

そう言って高虎は小谷方面へと帰っていった。よし。多少史実を変えたけどまあいいでしょ。彼のためにはきっといいはず。あ、秀吉様まだ寝てる。

「秀吉様!行きますよ!」

「ふえ?終わったか?」

いや、寝すぎでしょ。多分疲れていたのはわかるけどそれでも相手に失礼すぎる。

「はい。…それにしても万福丸はずっと話を真面目に聞いてたね?どうして聞いてたの?」

「あの人はかつて父上が感状を渡した人だということを知っていたからです。」

「そうだったんだ。確かに長政殿は見た感じ優しかったからね。それに頑張った人に感状を渡すのはいいことだよね。」

僕もあの人を見習うべきだと思う。慶松に今度感状を出そうかな。いや、まだ早いか。


小谷城に戻ったけど信長様は既に岐阜城に戻っていた。やばい。子供の首を持っていかれちゃった…。どうしよう…。

「ここは私が死ぬしか―」

「駄目だよ。君が死んでも喜ぶのは信長様だけだ。」

「じゃあどうするのですか?」

悩んでる。とっさに声を出したのは半兵衛先生だった。

「首は朝倉以外からでもあるはず―」

「それです!秀長様、今回の小谷での戦で亡くなった子供の首を貰ってきていただけませんか?秀吉様は手拭の用意をお願いします。」

「「わかった。」」

「先生は信長様への言い訳を私と一緒に真面目に考えましょう。」

「わかったよ。」

これでよし。各自できることをやるしかない。


数日後 岐阜城


これから信長様に虚偽の報告を行う。ここまで来たんだ。やるしかあるまい。首を持ってきたのは喜内之介ということにし、僕と秀吉様はその付き添いで来たということにしてある。

「面を上げよ。その方、浅井の嫡男の首を持ってきたそうだな。」

え?言い訳言う前にばれてる。何で?喜内之介には目で流れに沿って話してくれと指示を出した。

「はっ。こちらがその証拠でございます。」

中をそっと見た。秋に入ったとはいえまだ首は腐りやすい。一度洗ったとはいえしばらくしたら腐化するからね。

「…俺は実際に嫡男に会ってないからわからんが多分合っているだろう。ご苦労だった。其方には褒美を取らせよう。」

「ありがたき幸せですが辞退させていただきます。」

喜内之介も意外に欲がないんだね。

「なんと。…そうか。ならば確認は以上とする。解散。」

いや、駄目でしょ。それは失礼すぎる。

「お待ちください。このまま褒美をなしで返したら信長様の評判が落ちます。ここは本人の要望を聞くのが一番かと思いますが。」

「…ほう。その通りだ。ではその方、何か望むことはあるか?」

「はっ。でしたら我が息子を人質にさせて頂きたいのですが。」

何を言っているの喜内之介⁉僕、そんなこと聞いてないよ。

「…孫四郎に預ける。それでいいな?」

いやいやいや。信長様も何を言っているの?まあいいけど。それなら何とでも偽装が可能だ。

「年はいくつでしたっけ?」

「息子は10でございます。」

何とかごまかしの会話を入れるしかない。

「わかりました。褒美とは言えませんが必ず大事にします。」

「…では解散!」


帰り道

「いやあ冷や汗かきまくったわ!それにしても俺がいた意味ってあったか?」

「ありましたよ。…信長様は我らが嘘をついていることを知っていたようです。」

そう。あの目は嘘をついている時の目。信長様は怖すぎる。何で裏切り者の子を普通に許したんだ?まあ結果オーライだけど。

「なんと。ではなぜ受け入れたのだ?」

「あなたがいたからですよ。秀吉様がいなかったら私と喜内之介はよくて牢獄へ、悪ければ切腹をさせられていたでしょう。でも秀吉様の前でそんなことはできない。そう考えたのだと私は思います。」

適当な理由だけどね。

「なるほど。」

「それと喜内之介。其方はこれからどうするのです?」

「某はこれからどこかの家で足軽として暮らすと思います。」

足軽か。秀吉様と同じだね。

「そうですか。就職先が見つかるといいですね。」

「はい。ではお元気で。」

そう言って喜内之介と別れた。あの人は一体何者だったんだ?


別れた直後に屋敷に向かって歩き始めたその時だった。急に頭がグアングアンしてきた。刀根坂の後と同じだ。まずい。倒れる。

「孫四郎?」

「はぁ、はぁ。…まずいです…。」

辛い。多少熱があるかもしれない。

「大丈夫か?無理するなよ?」

「…大丈夫です。ここからは1人で行けますし。」

次は万福丸を守山城に連れて行こう。ここは僕がやるしかないんだ。秀吉様も俺ほどではないけど疲れているんだ。そして秀吉様を連れていったら色々な意味でダメなこともわかっている。絶対に倒れないようにしないと。


翌日

やっと守山城に着いた。ここは確か信長様の叔父である信次様が守っている城だ。

「ごめんください!織田家臣であります、前田孫四郎です!」

はぁ、はぁっ。息切れしそうになる。万福丸が背中をとんとんしてくれているけど意味ないと思うよ。うん。

「既に姫様から聞いておる。入られよ。」

城兵に促され入城することができた。


僕らは中庭に案内された。既にお市様たちは庭で待機していた。いや、2人の姫様方は待ちきれずに遊んでいたけど。

「あ、兄上だ!」

「孫四郎様もいる…。」

2人とも元気だね。万福丸は…困惑している。

「行っておいで万福丸。多分しばらくは4人で遊べないよ。」

「え、本当にいいのですか?生きていることがばれたら…。」

「そういえば何で通されたか言ってなかったね。信次様にはお市様が小谷城のお礼として僕に茶会の指導をするという理由で通してもらったんだ。その間は侍女の人を除き誰も入れないようにしたから多分ばれないと思うよ。」

「…でも。」

「兄上!遊ぼう?」

「遊ぼう!」

「ほら、早く。」

「…わかりました。」

すっと妹たちの方向へ駆けて行った。すまなかったね、とか待たせたね、とか色々なことを言っていた。家族っていいね。ふとお市様の方向を見ると手招きをしてくれた。多分風邪ひいてるけど大丈夫かな?と思ったけどあれ?今はそんなに体調が悪くない。よし、行くか。

「孫四郎殿、本当に見つけて頂けるとは思いませんでした。何と礼を言えばいいのか…。」

「か、顔を上げてください。これは私だけの手柄ではありません。万福丸殿を守っていた木村殿のおかげでもあるのです。今日は都合上見えませんが―」

「良いのです。見ていた感じ万福丸殿もあなたのことを信用しているようです。これもあなたの人柄のおかげでしょうか?」

え?僕って人柄いいの?

「…今日はサルはいないようですね。」

「はい。秀吉様と一緒だと色々まずいかなって。」

「ふふふ。やっぱりあなたは信用できますね。」

これだけで信用しないでくれ。いや、やっぱり信用してください。

「さてお茶の入れ方についてお教えしましょうか?」

「え?あれ本当にやるんですか?」

「せっかくですし、ね?」

というわけで万福丸たちが遊んでいる間、自分は戦国一と言われる美女にお茶会のやり方について学ぶのであった。


「今日はありがとうございました。」

「またいつでもいらしてください。待ってます。」

「じゃあね、兄―」

しっ!駄目だよ。茶々様!城兵も一瞬じろって睨んできた。

「じゃなくて福様と孫四郎様!」

福様?まあいいか。多分ばれない。

「はい!茶々様たちもお元気で!」

万福丸はというと…手を振っているだけだった。まあしょうがないか。立場的に問題があるもんね。


「さて、今日は荒子の父上の城に帰るよ。」

「はい。でもいいのでしょうか?」

「大丈夫。父上も子供を殺すのは反対派だから。」

あ、終わった。急にめまいがしてきたよ。もうあとちょっとで帰れるはずだったのに…。

藤堂高虎登場です。まあ最初は雑な登場シーンになってしまいましたが。詳細は次に出てきた時に説明しますね。


万福丸は前田家臣にする予定です。彼の生涯をここからはオリジナルで書いていく予定です。


孫四郎倒れる。果たして彼は復帰することができるのか。明日の投稿をお待ちください。


あ、明日は12時と20時の2本投稿です。

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