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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第三章 孫四郎危機編

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42 魔王 信長

いよいよ第二次信長包囲網もラストスパートです。

今回は槙島城の戦いを中心に話をまとめていきます。

最初の視点交代までは本作では珍しくナレーションです。

元亀四年一月、足利義昭は二条御所で籠城を始めた。きっかけは前月の三方ヶ原での武田軍の勝報である。義昭は流石の信長でも信玄には勝てないのかと思ったそうだ。流石に将軍に敵対するのは恐れ多いことだと感じた信長は朝廷を動かして講和を結ぼうと考えたが義昭は和睦をする気配を見せなかった。これを受けた信長はもう義昭は使えないものだと改めて認識し三月に京へ出兵した。同月までに荒木村重、細川藤孝、明智光秀が信長側に寝返った。彼らも義昭が使い物にならないことがよく分かったためである。それでもなお義昭は籠城を続けたが四月五日になると朝廷が和睦をするよう促し、結果義昭は一時的に信長と和睦を結んだ。


四月十二日、武田信玄が病死した。周囲の国には三年は自分の死を伝えないよう遺言したそうだが織田・徳川家は服部半蔵の活躍によりいち早く情報を入手することができた。ただし、信玄が亡くなってもその子の武田勝頼や家臣団は強いため油断は許さない状況に変わりはなかった。


七月十六日、篠原長房が自殺した。原因は主君であった三好長治と十河存保が寝返って長房の居城である上桜城を大軍で攻撃したためである。抗戦するのは無駄だと判断した篠原は大人しく自分で首を切って死んだ。これにより信長は対足利・朝倉・浅井に集中できるようになった。


話は十三日前に戻る。


~孫四郎視点~

7月3日、義昭が和議を破棄して信長様に宣戦布告した。義昭が何でこのタイミングで宣戦布告をしたのかは僕にはわからない。まあ室町幕府が無くなってくれた方がこちらとしてはありがたいんだけど。

「孫四郎、おーい、孫四郎。」

信長様が僕のことを呼んでいる。

「お呼びでございましょうか。」

「此度の戦は恐らく二度行われる。三渕がこもる二条御所と義昭がこもる槙島城だ。お前だったらどう攻めるかと思ってな。」

ええ?いきなりそんなことを言われても…。半兵衛先生に学んだ事を使うか?いや、ここは自分の考えを伝えるべきだね。

「そうですね。確か今、佐和山で作っている船ってもう少しで完成ですよね?」

「ああ。恐らくな。」

「完成し次第、その船に乗って坂本に向かいます。坂本から京までは一日で行ける距離なので―」

「決まった。それで行く。」

え、まだ途中までしか言っていませんよ。

「久太郎は内政、賦秀は武勇、そして孫四郎は戦法を考えているのに長けていることが俺には良くわかっている。で、なぜ途中で打ち切ったかというと京から先の工程はすでに俺の心の中で決めてあるからだ。」

あの、今のは戦法と言っていいんですか?それと僕の得意分野は射撃だと思うのですが…。

「信盛たちに6日に出立させ我らは7日にこの船で行くとするか。」

先陣は佐久間様か。大丈夫かな?柴田様の方がいいと思うけどな…。

「三方ヶ原での失敗を取り返してもらうためだ。いつもだったら権六を前に出しているがな。」

「なるほど。」

うん。佐久間様、この機会を逃したら多分信長様はあなたのことを冷遇し始めるよ。頑張ってください。

「何とか今年中に義昭・義景・長政・義継を潰しておきたいな。」

「信長様なら絶対できます。私はこの5年間で信長様がどんな考えを持っているかがだんだんわかってきた気が致します。信長様は頼朝公や尊氏公を超えた才能を持っています。もちろん先ほど言った4人よりも―」

「世辞はよせ。だがそうだな。…でも…。」

何か隠していそうだけど雰囲気的にそのまま放っておいた方がいいね。そっとその場を抜けることにした。


5日には大船が完成した。翌6日には佐久間様たち先鋒隊が小舟で京へ向かい始めた。そして7日、僕たちも船に乗って出陣した。その夜は坂本に泊まった。


9日には入京した。三渕藤英を除く武将や公家の方々はその日のうちに降伏した。義昭、あんた人望なさすぎるよ…。多分三渕が強制的に捕らえて一緒に戦えって脅しただけでしょ?捕らわれた人たちが可哀想だ。その後も二条御所で抵抗していた三渕だったが12日には柴田様による大声の呼びかけに応じて降伏した。…本当は三渕も嫌なんでしょ。強制労働。


17日、いよいよ槙島城に向けて出陣した。途中の宇治川では水量が多かったのでここで待機するのかと僕は思った。でも、

「誰も渡らないのか?だったら俺が渡ろう。」

信長様と常識外れのことを言い出した。

「と、殿!おやめください!…某が先に参りまする。」

「わしもじゃ!殿を真っ先にはいかせられぬわ!」

多分名のない兵士たちだろう。彼らが先に渡ろうとしていた。

「待たれよ。ここは二手に行くのがいいかと存じまするが殿、どうお考えで?」

佐久間様、その通りなんだけどさ。

「そんなことわかっとるわ!こんな芝居もわからぬのか!愚か者め!」

それを蜂屋頼隆様が怒鳴って叱った。でも相手がまずかった。蜂屋様と佐久間様だったら佐久間様の方が立場が上だからだ。それを察した信長様は、

「頼隆の言うとおりだ。佐久間、もっと精進しろ。」

それを見ていた他の家臣はクスクス笑いだした。この中に敵の間者がいるかもわからない時に本当の作戦を言うのは危険だ。だから時間がある戦では偽の作戦を何個か言ってから直前に本当の作戦を言うのが大体安全だと半兵衛先生が言っていた。多分それを信長様はやりたいんだろうなと思ったんだけど佐久間様…何で言っちゃうかね?

「と、とにかく明日は佐久間が言った作戦で行くからな…。」

果たして上手くいくかな?


翌朝、と言っても前世で言う10時ぐらいに我ら織田本隊は川を渡り始めた。馬の様子を見ると少し辛そうだった。川の流れに抗っているんだから辛いよね。頭の部分を撫でながら向こう岸まで渡ってもらった。


その後、城の包囲を続けていたら敵の足軽が50人ぐらい襲ってきた。でもそんな少ない数で襲っても無駄死にするだけだった。全滅させたら今度は「火をかけよ!」と信長様が命令してきた。この人、焼くの好きなのか?比叡山の時も長島の時も火をかけている時だけは笑っている。魔王だ。いつもの信長様と何か違う。賦秀さんが前に言っていたことが改めてよく分かった。この人と天下を取るのであればこの性格を変えないといけないね。


やがて城内に強行突破した兵たちが義昭を捕らえに走っていった。10分もすると足軽たちが義昭を縄で巻いて本陣にやってきた。

「の、の~ぶ~な~が~!」

全然怖くない。アホが騒いでいるだけに感じる。

「義昭殿、なぜ俺に宣戦布告した?お前が勝てないことぐらい少し考えればわかるだろう?」

「信玄が立ち上がり家康を三方ヶ原で倒したと聞いた時、織田も滅びるのだろうなと感じた。わしは信玄に敵対する意思がないことを示したかったのだ。織田は滅びても足利が滅びなければそれでいい。と考えた。」

「だがその信玄は永遠に来ない。なぜなら―」

「尾張や美濃で足手纏いを喰らっておるのだろう?奇しくもお主の治める土地は家康とは違い大国だからな。」

この人時事に弱い?

「あの、信玄殿は今年の4月に亡くなっていますよ。」

「な、何?そんな馬鹿な…。」

「これだから其方は負けるのだ。情勢が読めぬ奴は負ける。古来からの言い伝えだぞ。」

悔しそうだね。でも君が悪いんだよ。早く罰を受けな。

「其方に嫡男を預ける。その代わり逃がしてはくれぬか?まだ死ぬ支度は出来ておらぬでな。」

「あい分かった。」

え、これでいいんだ。ここで殺すわけにはいかないことは知っているけど自由に行動させていいの?

「感謝するぞ。少しは其方も人情があるようだな。」

そう言って義昭は逃げていった。いなくなったのを確認してから、

「果たしてあいつに居場所はあるのかな?」

と呟いてしまった。

「ないと思う。だから俺は自由にさせてやった。」

聞かれてしまった。…話を変えるか。

「次は朝倉を滅ぼしますか?」

「まあな。さて、次の支度をするぞ。」

これだからこの人は…。まあいいんだけど。


こうして槙島城の戦いは終結した。

足利義昭を追放しました。

史実では毛利に行きますが本作では織田と毛利の仲がまだ良好なのでどうなるのかをまだ考えていません。


次回から朝倉攻めに入ります。孫四郎の初陣相手として出てくれた朝倉家ですが果たしていつ滅びるのか。少なくとも朝倉攻めは1話では収まらないので次々回以降になりそうです。

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