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前田利長に転生したので織田・豊臣の世で無事生き残れるように尽力します!  作者: Nagamasa N
第三章 孫四郎危機編

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40 初めてのマイホーム

前回の話に書き忘れていましたが木下家は現在京にあるという設定です。

そのため孫四郎たちは京に滞在中ということになりますね。

え、横山城はどうなっているかって?…多分小一郎が守ってくれているはず。うん。きっとそのはず…です。

ここまで来て変えると後々が厄介になるのでこういうミスは目を瞑って頂けるとありがたいです。(何回皆さんに目を瞑って頂かなくちゃいけなくなるんだろう)

慶松を家臣に加えた次の日、僕は朝から京の小六殿たちがいる仮拠点に向かっていた。

「ごめんください!前田孫四郎です!蜂須賀小六殿はいませんか?」

「朝からうるさいぞ!で、何の用だ。孫四郎。」

絶対寝起きだよね。起こしちゃってごめんなさい。早く要件を言わないと。

「昨日、初めて家臣が出来ました。」

「よかったな。」

バン!

何でまだ途中なのに門を閉めるかな?これは機嫌が悪かったのかな?

「話は終わっていませんよ!」

「冗談だ。続けろ。」

全く。木下家の人、皆おかしいよ。唯一まともなのはあの中だったら秀長様かな。先生でさえサイコパスな一面を持っていたし。話を続けるか。

「その家臣はこの間助けた比叡山の子なんですけど家がないそうです。そこでお願いです。私の家を建てていただけませんか?」

「ちょっと待った。今、家臣の家の話だったよな。何で急にお前の話になるんだ?」

流石に騙されなかったか。簡単に理由を言うか。

「私も家を持っていないので。」

「…そういえばお前も複雑な立場だったな。前田の嫡男になったのに未だに信長様の小姓…おっと話がそれたな。急に小姓が2人も抜けて信長様は困らないのか?」

「久太郎さんが来る前までは信長様の小姓はしばらくいなかったそうです。なので大丈夫かと。」

ここ数回の戦で貰ったお金を使う分には信長様も文句は言わないだろう。

「…わかった。但し広さは全部俺が決める。安心しろ。住めない家にはしないからな。」

普通の人だったらきっと任せないと思う。でも僕は初めて家を買うんだ。信用できない人だったら任せないよ。

「恩に着ます。お代はこれで足りますか?」

ずっと溜めてきた貯金箱からざーっと小銭を出した。

「一、二、三…余裕で足りるな。半分ぐらい余分すぎるから持って帰れ。」

ほう。前世よりちょい安いぐらいだ。場所取り、間取りとか全て任せたけど小六殿だから信用して大丈夫なはず。さてどうなるかな?


半月後

新しい家ができたらしい。家臣の慶松と一緒に見に行った。

「お、2人とも来たな。俺にはこんな程度の家しか作れんがどうだ?」

すごい。屋根も壁も石製で絶対に燃えないようになっている。これもしかして実家より広いんじゃないか?部屋の間取りも完璧だった。

「ありがとうございます。しばらくは2人で仲良く暮らします。」

「言っておくが俺は大工じゃないからな。今後はお前と仲が良い丹羽殿に頼むのがいいと思うぞ。」

そう。実は建築は丹羽様の方が上手いと聞いていた。だけど今回は忙しそうだったので戦がないと忙しくない小六殿に任せることにしたわけだ。

「わかりました。」

「じゃあな。」

改めて中を見てみたけどこの広さだったら2人で住むのはもったいないや。…あの人も誘うか。


「これが新しい孫四郎さんのお家?すごい立派だね。」

「まだ信長様には許可を取っていないですけどね。」

はい、こういう時に呼ぶのは僕にとって一番の友達である久太郎さんだ。

「この家は本来2人で住む予定だったんですけどね。あまりにも広すぎるんですよ。」

「確かにね。でもいいんじゃない?これだけ部屋があったら利家様たちが来ても部屋数的には問題ないでしょ?」

「…こんな広い家に僕ら2人だけで暮らすなんてもったいないと思いません?」

「…確かに。」

ちょっと興味が出てきたかな?…じれったいしもう聞きますか。

「久太郎さん、この家に一緒に住みましょうよ!きっと信長様は許してくれるはずです。」

「僕が?孫四郎さんと一緒に?」

「はい。」

「家賃は―」

「要りません。」

「食事は―」

「自分たちで作るか雇います。私は簡単な料理はできるので久太郎さんさえ出来れば雇わな―」

「僕も出来るよ。わかった。信長様に許可を取りに行っておいで。」

質問攻めにあったけど何とか説得することに成功した。後は信長様に許可を取りに行くだけだね。


ある日、信長様に呼び出された。一体何を言われるのだろうか。

「元気そうだな孫四郎。其方、側近にならないか?」

「え、側近ですか?私、まだ10ですよ?早すぎませんか?」

「其方、家臣を加えたそうじゃないか。と言う訳でそろそろ自立してもらおうかと思ってな。」

いいのかな?まあいいか。

「あ、ありがとうございます。…実は1つお願いがあるのですが。」

「ふむ。何だ?」

「私と新たに加えた家臣と久太郎殿の3人で共同生活を始めてもいいですか?」

「共同生活?」

「この間、蜂須賀小六殿に家を建ててもらったのですが思ったよりも広い家で私と家臣の慶松だけで使いきるのは難しいのです。そこで同じく家を持っていない久太郎殿も一緒に住んでもらおうかと考えているのですが。」

「久太郎の許可は取っているのだろう?だったら問題ない。これまで通り仲良く暮らすように。」

何で知っているの?怖い、怖い。まあ許可も取ったことだし明日からあの家で暮らしますか。慶松もそろそろ木下家から引き取りに向かおうかな。それにしても家を建てたことに関してはなにも文句を言ってこなかったね。良かったのかな?


年末

あれから3か月。段々この家の使い方に慣れてきたところだ。…もう朝か。そろそろ起きないと。


「あ、若様。おはようございます。」

慶松は僕のことを若様と呼んでくる。呼び方は何でもいいよって言ったけど今は若様という呼び方が落ち着くみたいだ。

「おはよう、慶松。今日も朝早いね。」

と言いながらキッチンへ向かう。生活費は僕と久太郎さんの給料から平等に引いてやっている。今日の朝ご飯はご飯と味噌汁と焼き魚。前世で一人暮らしをしていたから料理は大体できる。ピザとかもできるけど今やると何で知っているんだ問題になるからしばらくは作れないな。慶松には本当のことを話してもいい気がするけど…やめておこう。


作りながら慶松に色々と今日のことについて打ち合わせを行う。

「あれ?久太郎さんはまだ起きてないの?」

「昨日遅くまで家老様に提出する資料を作っていましたからね。もう少し寝させてあげましょうか?」

「そうしようかな。…今日は朝から蘭丸と出かけるけど留守番できる?」

「お昼までは。午後は半兵衛様の講義があるので。」

月に3回ぐらい京に来る先生の下で慶松にはかつての自分と同じ授業を受けてもらっている。7歳なら小学1年生だから決してやり方を間違っているわけではないと思う。

「午後までには起きるよね?」

「恐らく。」

「じゃあ戸締まりは久太郎さんにお願いするか。」

鍵は僕が作った。門とかはいらないけど扉に鍵がないと防犯的に問題があるので石と木の枝を上手く使って合鍵を3つ作った。鍵穴自体はそこまで作るのが難しくなかったけど鍵は作るのに3日ぐらいかかっちゃったかな。

1時間ぐらいで完成した。前世だと朝の5時半。こんな早くに食事をするなんてこの時代に来るまでは考えられなかった。自分で作るご飯は美味しいともまずいとも言えない。慶松に聞いたら母親のような優しさが入っている味とか言っていた。久太郎さんの味もこれまた美味しいともまずいとも言えない味である。うーん。料理が得意な人を雇いたい。食費を減らすために自炊していたけど何か失敗した気がする。

「若様、これを。」

そんなことを考えていたら慶松が木綿の和服を持ってきてくれた。冬では寒いと思われるかもしれないけど今日は年下の子と遊ぶ…世話をするように頼まれていてきっとあちこちに走らざるを得ないため動きやすい快適な着物にしてある。

「いつもありがとう。」

と言いながらささっと寝間着を脱いで服を着る。そして脱いだ服を畳んでから慶松に、

「洗濯お願いします。」

と言って渡す。これが毎朝のルーティンだ。

年末は若い者は戦中じゃない限り信長様から休みを貰えることが多い。でも僕の年末は他の家臣の方から子と1日遊んでやってほしいとか鉄砲の心得を教えてくれとか依頼された結果、大晦日前日までギッシリ予定が詰まっている。前世でもこんな目には会わされていないぞ!戦国時代ってやっぱりブラックなんだね。そういえば蘭丸と慶松って同い年なんだよね。仲良くさせておいた方がいいかな?慶松にも友達を作らせた方がいいと思うから今度紹介してあげるか。


巳の刻までに今日の鉄砲の指南は終わり森ファミリーとの待ち合わせ場所である茶屋に向かう。あ、いたいた。

「おはようございます。可成様、蘭丸。」

「おはよう、孫四郎。じゃあ蘭丸の世話を任せたぞ。」

可成様行くの、早すぎますって。僕じゃなかったらこの子を殺してもおかしくないんだよ。まあそんなことをしないと思われているから頼むんだろうね。

「行こうか。今日は何でも買っていいよ。でも変な物は買わないでね。」

「はい!」


蘭丸と手をつなぎながら京を散歩する。今日は可成様は信長様に呼び出されて長可殿は柴田様の鬼鍛錬に参加するため可成様についてきていた蘭丸は誰にも面倒が見てもらえなくなってしまう。そこで蘭丸と年が近い僕が一日遊ぶ…面倒を見る権利を得たわけだ。

「あのお煎餅を買ってもらってもいいですか?」

「いいよ。」

可愛い。貯金しておいてよかった。お煎餅ぐらいだったら何枚でも買えちゃうよ。どんどん奢ってあげるよ。


煎餅をかじりながら今年の出来事を振り返った。長島の敗戦は土地の特色を知らなかったから多大な犠牲を出してしまった。比叡山の焼き討ちは信長様を止められなかったから悲劇な戦が起こってしまった。そんな中いい出会いもあった。大谷慶松(多分将来の吉継)を家臣に加えた。この出会い、絶対に無駄にしないよ。

「孫四郎様、そろそろ別の店行きましょうよ~」

「あ、ごめんね。じゃあ次は花屋に行く?」

「行きましょ、行きましょ!」

お花屋さんでもいいのか。意外に女心があるね。

そしてこの時の僕はこの可愛い天使に遠慮なく貯金をどんどん使われることに気づかなかったのであった。

このあたりまで来るととんでもない設定が多くなってきちゃいますね…。大まかな流れに関係ないことは見逃していただけると嬉しいです。

次回から1572年に入りますが…何とこの年は1話しかありません!つまり1573年、74年にギュッと残りの話が詰まっている感じです。三方ヶ原の戦いとかは某大河作品で言うナレ死というスタイルを取らせて頂きますがどうかお許しください。

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