34 僕を信頼して逝く…
今回の戦は志賀の陣です。タイトルからして誰かが亡くなりそうな予感。
今日最後の投稿です。
投稿を開始して初めてこんなにたくさんの回を一気に投稿しました。正直やりすぎたかなって感じてもあります…。ですがまだ今朝掲げた目標には到達しておりません。
評価・ブックマークをお願いします!
この作品をランキング上位に載せたいです!
そのためには皆様のご協力が必要です!
たくさんのポイントをこの作品に下さい!お願いします!
15日、大坂から撤退を開始した。途中の淀川で船が無くなっているという事態に遭遇したけど信長様が川を渡るタイミングを教えてくれたおかげで誰1人死なずに京まで戻ることができた。この日は本能寺に泊まった。本能寺ってあの事件が起こる前から頻繁に使っていたんだねということがよく分かった。
翌16日。朝早くに京を出立して宇佐山城へ向かう。途中の山科で信長様の弟である信治様、そして近江の国衆である青地茂綱殿が合流した。宇佐山城に着くと可成様の家臣である各務元正殿が出迎えてくれた。
「これは信長様。なぜ一体ここに?」
「そろそろ浅井・朝倉が動くだろうなと思って来たまでよ。詳しいことはまた後でだ。」
「は、はあ。」
まあビックリするよね。呼んでもいないのに来たんだもん。
「可成はどうした?」
「現在、坂本で浅井・朝倉軍と戦っております。」
「わかった。皆!坂本へ行くぞ!各務は引き続きこの城を守っていてくれ。」
「わかりました。気を付けて向かってくださいね。」
まだ森様は生きている。何とか助けられそうだ。
坂本口
「いいぞ!このまま首をどんどん取っていけ!」
あれが森可成様か。噂通りの人だ。
「三左!調子はどうだ?」
ちょ、信長様!一生懸命指揮をしていて、しかも明らかに話しかけちゃいけないタイミングで話しちゃ駄目だって!
「の、信長様⁉なぜここに⁉」
あーあ。森様混乱しているよ。
「な、何!信長だと⁉」
「退け!長政様に報告だ!」
逆に良かったかも。無駄な犠牲が出ずに済みそうだ。
「兵糧も兵も持ってきた。…どうしたのだ?別に泣くほどの事ではあるまい。」
「ありがとうございます…!正直死ぬ覚悟で突撃をしていましたから。」
本当に失うにはもったいない人だ。助けられてよかった。
「馬鹿者!死ぬぐらいだったらどこかへ逃げた方がまだましよ。…よく耐えてくれた。礼を言うぞ。」
森様は涙をぬぐってから、
「これぐらい滅相もございません。しかしよく今来るとわかりましたね。」
と続けた。
「三好とは3か月の和睦を結んだからな。ついでに本願寺もしばらくは攻めて来ないように約束させたわ。」
「何と。そんなことをこの短期間で?」
「全て孫四郎のおかげよ。俺だったら本願寺や浅井・朝倉がすぐ攻めてくることはわからなかった。それをあいつは全て推測して俺に進言してくれた。」
僕は首を横に振った。
「過去に半兵衛先生に教わったことから考えて申し上げただけですよ。それがたまたまいい成果に結びついただけです。」
「其方が孫四郎か。金ヶ崎、姉川での武勇は全て聞いておる。今度その腕の秘訣を教えてくれ!」
「いえ、私が森様にお教えできることなんて―」
「そういえばまだ名乗ってすらいなかったな。森三左衛門可成だ。得意な武器は槍と鉄砲だ。よろしくな。可成と呼んでくれ!」
自己中?いや違うね。名乗る方が大事だと判断したんだね。確かに自己紹介って大事だもんね。
「前田孫四郎利長です。私は鉄砲しか使えませんが逆にそれを活かして日々信長様をお支えしています。こちらこそよろしくお願いします。」
この人は僕がまだ幼いことを馬鹿にしていない気がする。そして信用できる匂いもしている。そしてここで僕がやったことに気づいた。歴史を変えたことに。これで織田家はこの戦いで重臣を失わなくて済んだ。でも顕如はこれ以外にも何かやっていると思う。何をやっているんだ?確かこの戦が終われば比叡山を焼く…違う!その前に第一次長島一揆があるじゃん!でもそれって来年じゃなかったっけ?何でそんなに早くに警告するんだろう?まあいいか。とりあえず目の前の相手に集中だね。
延暦寺に中立を保つよう要請して返事を待っていたら伝令がやってきた。
「伝令!長島城陥落!」
…そうか。まだ長島城は一向宗の城じゃなかったのか。だから顕如は忠告してくれたのか。何で気づけなかったんだろう。本願寺グループは石山・加賀・長島の3か所で別々に活動しているから顕如と和睦したところで長島の一揆勢は「何のことやら?」という返事ができてしまうのだ。もっと早く気づければ長島城は落ちずに済んだかもしれないのに…。
「そのまま取らせておけ。今は目の前のことに集中だ。いいな?」
「はっ!」
あの人も大変だな。また伊勢国まで戻らなくちゃいけないんだから。
「十兵衛、信盛。この山を包囲するぞ。」
「え⁉まだ返事をもらっておりませぬが…。」
光秀殿の言うことに頷いた。流石に敵だと言っていない人を攻撃するのは抵抗がある。
「どうせ返事など来ないだろう。それに顕如の根回しに敵う訳があるまい。」
それは、そうかもしれないけど…。
「我らは三万しかおりませぬが果たしてうまくできましょうや。」
佐久間様の質問にも同感だ。確か比叡山って結構大きかったはずだ。
「やれ。兵糧は京で補充したから十分ある。これでしばらく時を進めるぞ。」
きょ、強硬…。ゲームで言いそうな台詞言うのやめてほしいです。こんなことを言う信長様は見たくなかった。
「どうした?孫四郎。」
「…あ、ええと南近江にも警戒が必要かなと。…六角承禎がまた攻めてくるかもなって思いました。」
急にすごいことを言えたね、僕。急に頭の中に入ってきたんだよね。一体この頭はどういう仕組みになっているんだろう。
「大丈夫だ。そうなったら五郎左や秀吉が横山城から出てきてくれるだろう。それぐらい問題はない。」
流石だ。六角の対策もすでに計画済みとは。後は長政殿たちが早く撤退してくれるのを待つだけだ。
あれから2か月が経った。中々攻めて来ないので朝倉に決戦を促したり秀吉様たちが六角勢を打ち払ったりしたけど特に動きはなかった。驚いたのは家康様が援軍として草津まで来たことだ。六角勢は何度も決戦を挑んでくるけどボコボコにやられるだけで何も得る物がないまま南近江の戦闘は終わりそうだ。
一方こちらにも動きがあった。11月11日、堅田を守っていた猪飼昇貞、居初又次郎、馬場孫次郎の3人が織田方に寝返ったのだ。これを好機と見た信長様は坂井政尚様と僕に堅田砦を守るように命じた。正直言って心配だ。だって1000人しか預けさせてくれなかったんだもん。しかも堅田って地形的に結構危うい場所だよ。でも守り切れれば物流の流れを止めることができる。…だとしても本陣から離れたくないな。それでも行かなくちゃいけないんだけど。とりあえずご挨拶だね。
「坂井様。今回はよろしくお願いします。」
「前田の子倅か。ええと孫四郎だっけ?鉄砲の腕しか情報がないから其方のことはあまり知らぬ。だが戦で仲を深めれば大抵の者は覚えられるから其方も頑張るのだぞ。」
何を言っているのかわからないけどとりあえずお辞儀をしておこう。
堅田砦に着いた。いつ敵が来るかわからないのでとりあえず防衛用の簡単な壁を作った。坂井様は何だかよくわからないことをぶつぶつ言っていた。しばらくは1人で準備しておこう。
翌日 昼
この日も準備をしていたその時だった。
「突っ込め!」
な、何⁉何が起こってるの?ん?あれは朝倉の旗。
「敵が来ているな。なんとしてもここで食い止めるぞ!」
坂井様が声を奮い立たせて命じた。
「応!」
これはまずい。早速背中の鉄砲を取って撃ち始めるか。
「ギャ―」
「いた―」
流石は連射式だ。近づいてきた朝倉兵をまとめて次々と殺せている。1人とはいえこれでもかなり効果がある。
「のーぶーなーがー!」
あれは剥げているから延暦寺の僧兵か。あまり御坊様を殺したくはないんだけど…御免。
「天罰!天罰…ぞ…。」
「ひるむな!奴が再び撃つまで少し時間がある。その間に突っ込め!」
まずい。1人しかいないから僕が集中的に狙われる。壁に隠れながらでしか撃てないから狙ったり戻ったりするのにも時間かかるし…。ん?あれは。
「そこの者!恰好からしてそれ相当の地位の武将と見た!この坂井政尚と一騎打ちせい!」
ちょ、坂井様!一騎打ちってことは手助けすることができないって父上に聞いたことがある。どうしよう…。
「前波景当が相手する。は!」
一体どうなるんだ?ってええ⁉5秒で決着が着いたんですけど。坂井様が前波という男の首をすぐに狙い討ち取って勝利した。それでも敵の流れは止まらない。
「坂井様!」
そう言いながら後ろから坂井様を狙っていた僧兵に撃っていく。
「孫四郎、ここはもう終わりじゃ。こんなところで散るぐらいだったら生きて信長様の天下のために戦え!」
「坂井様はどうするので!」
大声での会話になっている。しょうがないよね。皆うるさいんだもん。
「わしはここで最後まで敵を食い止める。1人でも多く地獄へ道ずれにしてやるわ!」
え、ここで死んじゃうの?さっきの一騎打ちの様子からしてこの人相当強いんじゃないの?何で死のうとするんだよ。
「駄目です!ここで死んではいけません!坂井様も信長様のために力を尽くすべきです!こんなところで死ねとは信長様は絶対に思っていません!」
「もう決めたのじゃ。孫四郎。お前や信長様がそんな風に考えていたとしても男には譲れないこともあるのじゃ。わしは信じる。お前が信長様と共に天下を取ることをな。」
「…!」
言葉が出なかった。目元や口調からしてこれは本当に思っていることだ。
「早く行け!お前も死んだら意味がない!」
周りにいた兵士の人に強制的に馬に載せられて本陣へと向かわされた。坂井様、僕はできるところまであなたの思いに答えます。
織田本陣
急いで本陣に戻った俺は堅田砦で何があったのかを全て話した。
「―僕…私を逃がしてくださった坂井様は朝倉景鏡によって討たれたそうです…。」
「そうか。…すまなかった。そうなるとは思いもしなんだ。」
「いえ。私もあの場にいたのに止められなくて、その…。」
何を言えばいいのかわからない。
「危険な目に合わせた俺に此度の責任はある。もう其方は何も気にしなくて―」
「良くないです。ですが気にしすぎも今後に影響します。…痛み分けの今こそ講和するべきだと思います。」
「急に目つきが変わったな。わかった。義昭殿と天子様に仲介をお願いしよう。」
また覚悟を決めなくちゃいけない時が来たようだ。坂井様、見ていてください。私は信長様の天下取りに日々貢献することを今、誓います。
21日には小木江城で信長様の弟である信興様が討死した。さらに桑名城の一益様も一揆勢に城を奪われたそうだ。そろそろ不利だ。長政殿、早く撤退してくれないかな。
~長政視点~
俺は天子様や上様が出した書状をもって義景様を説得していた。
「義景様!こんな講和受けるべきではないです!なぜ受けようと―」
「新九郎殿、もう冬が近い。ここで退かねば民も安心できないじゃろう?」
俺は今怒っている。ここで信長を捕らえれば阿呆な父が何も言わずにすむだろうに。信長…義兄上は殺してはいけないお方だ。あの人の考えていることは俺には理解できないけどきっとこの国をもっと豊かにすることを考えてくれているはずだ。それに比べて義景はどうだ。自国の民のことを考えているのはいいことだ。だがそう考えるんだったらなぜ今、戦っているんだ。争えば兵を失うだけ。そう気づいていた。奇跡的なのは初日に家来が信長が来たことを即座に理解したおかげでこちらの死者は9人で済んだ。仮に気づかなかったら何百人…何千人が死んでいたかわからない。姉川での教訓が生かされている。多分このままいけば織田勢は勝手に撤退してくれるだろうと思った。その時に義兄上を後ろから奇襲して京、さらには摂津まで追撃すれば頭のいいあの人なら降伏するはずだった。なのにこの臆病のせいでそれすら叶わなくなった。くそっ!くそっ!
「…貴方と阿呆親父を止められなかったのが此度の敗因ですよ。」
「新九郎殿、そんな訳…お主ら!」
義景の周りの家臣たちも頷いていた。誰もこんな無駄な戦、望んでいなかったんだ。
「後は任せましたよ。まとまり次第、我らは勝手に帰らせていただく。」
「な、長政殿!待たれよ!」
嫌だ。早く帰って市や茶々たちと幸せに暮らしたい。俺は家族を守らなくちゃいけない。家族と一緒に幸せに生きたい。でもまた阿呆親父は機会を見つけたら信長を潰せと言ってくるんだろうな。どうすればいいんだよ…。
坂井政尚。僅か1回のみの登場で退場しました。
孫四郎も相当ショックだったでしょうね。目の前で味方が殺される様子を見てしまったのですから。
さて、この投稿を終えたら1時間以内に今日完結した第2章の感想と明日以降の投稿をどうするのかについて活動報告にてお話したいと思います。興味がある方は1時間ほどお待ちください。




