23 悲しみの家督相続
前田家の家督が変わります。全話まで確か触れていなかったはずですが利家って最初は前田家当主じゃないんですよ。利家は前当主の4男だったので。当主の座は長男・利久が継いだのですがどうやら信長は利久のことをよく思っていないようで…。というところから始まります。
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~利家視点~
朝から信長様に呼び出された。なぜか信長様の横には孫四郎もいる。なんかあったかななんて考えながら頭を下げていた。
「面を上げよ。」
「はっ。」
「いきなりだが又左、お前に前田家の家督を利久から継ぐことを命じる。」
家督を継ぐ?どういうことだ?俺は4男坊。絶対に継げない身だと思っていた。というか継がない方が戦で自由に活躍出来ていいと思っていた。よし、断ろう。
「恐れながら、兄はまだ若い身。隠居はとても…。」
「あの病弱に任せるのか?」
確かにそうだ。兄、利久は体調が良いわけではない。だがそれでも…。
「これは命令だ。いいな。」
何も言えなかった。孫四郎がスッと俺の方に寄ってきて書状を渡してきた。
「これは?」
「信長様直筆の家督譲り状でございます。」
「では頼んだぞ。」
信長様…。一体どうしちゃったんだ?
2人だけになったので久しぶりに話すことにした。といっても『元気か?』から聞くんじゃなくていきなり本題からだけど。
「どういうことだ?なぜ兄弟で争わなければならない?」
「そうじゃないのです。…とりあえず今日は家に帰りませんか?信長様には許可を取ってあります。」
「…珍しいな。お前が帰ってくるなんて。」
「此度の件は前田の未来を変える出来事ですからね。私ももうすぐ子供ではなくなりますし。」
それほど重要な話ってことか。誰にも聞かれたくないのか、それとも長頼も含めて話したいのかのどちらかだな。
「…帰りましょう。我が家に。」
~孫四郎視点~
久しぶりの我が家だ。ここ数年は母上にも姉上にも会っていなかったから思わず涙が流れそうになってしまった。こんなところで流してどうする。必死にこらえながら『孫四郎は元気ですよ』とか『信長様とはうまくやってますよ。』とか言っておいた。ちょうど昼だったので前田家では珍しい昼の食事を取りながら今回のことについて暇そうに庭の手入れをしていた長頼さんを含めて3人で話すことにした。
「先程の話の続きですが利久伯父上には子がいません。恐らく父上は慶次郎殿がいるだろうと返すと思いますが慶次郎殿は養子。さらには滝川様の一族であったこともあり前田に継がせたくないという考えもあって父上に家督を継ぐように命じたのかと思われます。」
「だが兄上はまだ若い―」
「言葉が過ぎるかもしれませぬが病弱な利久様では前田が生き残れるとは思いませぬ。利家様、どうか前田のために家督をお継ぎくださいませ!」
長頼さんは話を瞬時に理解したようだ。長頼さんは家督譲り賛成派か。僕と同じだね。
「…でも兄上と争うなぞ―」
「利家様は前田と利久様のどちらが大事なんですか!」
ヒートアップしてきている。こんな長頼さんを見るの初めてだ。止めないと。
「うるさ―」
「父上!これはある意味好機なのです。」
『い』とは言わせないよ。ここで止めておかないと。
「父上もわかっているはず。ここで前田を継げば今後当家は優遇されるでしょう。父上は信長様に気に入られているのですから。」
「…。」
「それに私は前に言いましたよね?確か2年前に。」
岐阜への引っ越しの時に言葉を濁しながら2年以内に引っ越すことは伝えていた。
「若様、それは一体…。」
「長頼さんには言えないことです。父上覚えていますか?」
「そうだったな。…そうか。あの時からお前はこうなることを教えてくれていたのか。…長頼。すぐに支度をせよ。孫四郎もついてこい。お前にはこういう目に遭わせないためにな。」
どうやって家督が譲られるかはよくわかっていなかった。まさか殺す?父上に限ってそんなことをするとは思えないけど…。
翌朝 荒子城
岐阜から名古屋ってどんだけ遠いんだよ!前世だったら電車で20分ぐらいだった。この時代では夕方ぐらいには家を出たのに着いたのは次の日の朝なんだよ。信長様、道の整備を早急に求めます。なんて言っている暇もないんだよな。目の前に明らかに怖そうなおじさんがいるんだもん。明らかにこちらを睨んでいるのがわかる。
「これは利家様。本日はいかなるご用件で?」
男はそう言った。何か煽ってない?でも目つきからして違うか。
「信長様からこの荒子城を俺が守るように命じられてやってきた。これがその証拠だ。」
父上は昨日信長様に渡された書状を男に見せた。男は少し考えた後に、
「このようなこと利久様からは聞いておらぬが。」
と返した。ですよね。
「昨日決まったばかりだからな。」
「利久様は認めているのですか?」
「今から認めてもらうところだ。通してくれ、永福。」
永福と呼ばれた男は多少考えた後に明らかに目元を変えて答えた。
「あいにく利久様は不在でな。申し訳ないが日を改めて来ていただきたい。」
嘘だな。目元でわかる。父上にも前に教えていたから気づいたのか多少睨んでいる。
「永福、これは前田のために信長様が決めたことだ。お前がどうこう言える話ではないのだ。」
「でも、でも!利久様は前田のために今まで頑張ってこられてきた!それを認めてくれない信長様こそ前田のためを思っていないうつけ者だ!」
「信長様はそのように思っていない。兄上のこれまでの功績も考えてくれている。だから殺せなどという言葉はこの書状には一言も書かれていない。…俺は兄上に変わって前田を守ると決めたのだ。兄上が出来なかったこともきっとやって見せようとな。」
「…利家様が悪い人じゃないことはよくわかっている。だが…。」
永福と呼ばれる人も悪気があって言っているわけではないんだな。と思ってたら急に城門が開いた。
「永福、やめよ。」
中にいたのは若い男の人だった。話し方からしてこの人が前田利久という男か。顔立ちは優しそうだ。
「兄上…。」
「何も言うな。これは私が招いてしまったことだ。其方は悪くない。」
「…こちらが信長様からの書状です。」
「見なくてもわかる。それよりこれを。」
何だろう。この分厚い本は。
「ここに治め方がすべて書いてある。今日からはお前が新たな前田を作るのだ。前田利家殿。」
「…はい。この利家に全てお任せください。」
父上が泣いている。珍しい。滅多に父上は泣かない。信長様の小姓になる前までずっと様子を見てきたけど父上が泣いているところなんて見たことがなかった。
「永福はこれからは利家を支えてくれ。これが私の最後の命令だ。」
「…お任せください。利家様、先ほどまでのご無礼お許しいただきたい。」
「気にするな。…2人とも行くぞ。前田のため、信長様のためにな。」
「はっ。」「承知いたしました。」
何か悲しいね。利久叔父上は黙って歩き去っていったし父上も決して振り向かずただひたすら前へ足を進めるだけだ。きっと本当は仲が良かったんだろうな…。僕は絶対にこんな目に遭いたくない。家族皆が仲良く暮らせるように頑張ろう。
次は孫四郎の元服です。
2章の初めに言った通り孫四郎の元服までが第2章です。
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